ここの所増えてきた故障なので、紹介してみます。
30プリウスのエンジン異音について。その異音っていうのがかなりのもので、多分多くの人は
「エンジンがぶっ壊れた」
と絶望するような凄さなんです。
参考までにその動画を撮影してあります。
例えていうと、道路工事そのものというほどの騒音っぷり。
横で見ていた担当営業マンもあぼーんとしていました。こりゃブローしてるのかねって?
いや、そうではないですよ。って答えておきました。
なんでこんな現象が起こるのか?
原因はカーボン堆積によるEGRの動作不良です。
EGRバルブがカーボンが溜まってしまうことで、正常な動きができなくなると、このような道路工事異音が発生します。
基本的にはEGRを含めたパイピングの交換、インテークマニホールド内部から吸気ポートの洗浄が必要になります。
ただそこまでやると費用がかなりかさみます。
EGRを取り外して掃除、パイピングもできる限りの清掃をすることで、とりあえず復活することもあります。
ただ問題は何故こうなってしまうのか?
先にも書いた通り、エンジンにカーボンが溜まるからです。ではカーボンが溜まる原因って何か?
一番はエンジンを完全暖機して高回転で回さないから。
カーボンってその性質上どのエンジンにも発生します。ただし、エンジンを完全暖機して高回転域でぶん回せばカーボンを焼き切っていくんです。
スパークプラグを思い浮かべればわかりやすいです。プラグがかぶる車って、エンジンを回さなかったりちょいのりをしている車です。
逆にエンジンを高回転まで回していると、こんがりきつね色になる。これと同じです。
エンジンを回さないとカーボンは焼き切れなくて溜まっていくいっぽうなんです。
そしてプリウスの制御を思い浮かべてみます。
プリウスに代表されるハイブリッドカーは頻繁にエンジンを停止します。トヨタハイブリッドシステムはよくできていて、エンジンの再始動にセルモーターを使いません。
つまり、アイドリングストップをしたとしても、再始動の際に嫌な振動を感じにくい。
信号待ちなどでは積極的にアイドリングを停止させ、必要であればEVモードで走り出してからエンジンを始動させています。
どういうことかというと、頻繁にエンジンがかかったり止まったりを繰り返すので、エンジンが完全暖機状態になりにくいということ。
つまり他の車に比べると、そもそもがカーボンが溜まりやすいシステムであるということになります。
これを防ぐにはどうするか?定期的な全開走行や、パイピングを脱着してのクリーニング。
あと吸気ポートだけを考えるのなら燃料添加剤を入れるという所になります。
PEA配合の燃料添加剤はカーボンに対して有効です。
ハイブリッドカーや直噴エンジンには燃料添加剤は必須アイテムといえるかもしれません。
いずれにしろ症状が発生するとビックリして壊れたと思いがちですが、エンジン本体がヤバいというわけではないので、安心してください。
たまには高速道路なんかを全開走行するのって、やっぱり必要なんですよね。どんな車にも。