MHOエンジニアリング

現役猫系自動車整備士YouTuberチームMHOの車ブログ

アドブルーの盗難に要注意

近年は車両本体だけでなく、これまであまり注目されなかった消耗品まで盗難の対象になることがあります。

 

特に供給不足や価格高騰が発生しているものは注意が必要です。

以前、ある運送会社からこんな相談を受けました。

 

「アドブルーの確保が難しくなっている。毎日の運行に必要な量を何とか確保している状態なので、もし盗難に遭ったら業務に大きな影響が出てしまう」

 

という内容でした。

その会社では過去にトラックのバッテリー盗難を経験しており、駐車場に停めていた車両から複数のバッテリーが持ち去られたことがあったそうです。

 

そのため、「次はアドブルーが狙われるかもしれない」という不安を抱えていました。

 

トラックのアドブルータンクは、燃料タンクの近くに設置されていることが多く、外部から比較的アクセスしやすい構造になっています。

また、標準のキャップは特別な工具を必要とせず開閉できるものも多いため、防犯面では決して万全とは言えません。

 

そこで今回提案したのが、鍵付きのアドブルーキャップです。

鍵付きタイプであれば簡単に開けることができず、盗難防止効果が期待できます。

もちろん絶対に防げるわけではありませんが、犯行のハードルを上げることで抑止力にはなります。

物流業界にとってアドブルーは欠かせない消耗品です。

車両の防犯対策だけでなく、こうした補給資材の管理も今後ますます重要になりそうです。

 

 

ハイゼットのエアコンがカチカチON、OFFを繰り返す症状について

夏場になると増えてくる、ハイゼットトラック・ハイゼットカーゴのエアコントラブル。

症状としては、エアコンをONにすると「カチカチカチ…」という作動音が繰り返し発生し、アイドリング回転数も不安定になります。

 

まるでエンジンがハンチングしているような状態ですが、実際にはエアコンコンプレッサーが頻繁にON・OFFを繰り返していることが原因です。

特にS210系ハイゼットでは比較的よく見られる症状です。

 

エアコンシステムには圧力を監視する機能があり、ガス圧が低すぎたり高すぎたりするとコンプレッサーを保護するために作動を停止します。

 

今回のケースで多いのは、圧力不足と判断されてコンプレッサーが停止してしまうパターンです。

 

しかし実際にはガス漏れではなく、配管内部の詰まりが原因となっていることがあります。

 

問題となるのはコンデンサー付近のフィルター部分。

 

長年使用されたコンプレッサーオイルの劣化物や汚れがフィルターに蓄積し、冷媒の流れを妨げてしまいます。

 

すると圧力バランスが崩れ、プレッシャースイッチがコンプレッサーを断続的に制御するようになります。

 

その結果、

・コンプレッサーの頻繁なON・OFF
・エアコンの冷え不足
・アイドリング変動

といった症状が発生します。

修理方法としては、詰まりの原因となるパイプやコンデンサーの交換が基本です。

 

 

また、コンプレッサー内部にも汚れが回っている可能性があるため、走行距離や状態によっては同時交換を検討した方が安心です。

エアコンの効きが悪くなったと感じたら、早めの点検をおすすめします。

 

 

 
エアコンのガスを補充する時、高性能なコンプレッサオイルを入れると燃費も改善したりエアコンの効きもよくなります。

シエンタにサイドエンブレムを装着

街で見かけるシエンタの中に、

 

「あれ?なんかロゴが違うぞ?」

 

と思う車がありませんか?

 

実はこれ、トヨタ純正オプションの「サイドエンブレム」だったりします。

今回はオーナーさんのご依頼で装着してみました🔧

 

スライドドアのモール部分に貼り付けるタイプですが、こういうステッカー類は下準備が重要。

 

まずはシリコンオフでしっかり脱脂。

ここを手抜きすると、せっかく貼っても後で剥がれてしまいます。

エンブレムは一文字ずつ貼り付ける方式。

これが意外と難しい…。

 

文字の高さや間隔を揃えながら慎重に位置決め。

貼り終わると、純正らしい自然な仕上がりになります。

今回はオレンジを選択。

ワンポイントですが存在感があり、横から見た印象がかなり変わります。

個人的には「やり過ぎ感」がなく、純正らしいカスタムという印象。

価格は少し高めですが、見た目の変化はしっかり感じられます。

シエンタオーナーさんで、

「ちょっとだけ他の車と差を付けたい」

という方にはおすすめの純正オプションです🚗✨

 

 

 

 

AUTO点滅でエアコンが効かないモコ

日産 モコ が定期点検で入庫。

追加で「エアコンが全然冷えない」との相談もありました。

症状としては、
・風量は正常
・送風は出る
・しかし冷風にならない

さらに確認すると、オートエアコンの「AUTO」表示が点滅している状態。

この点滅、実はオートエアコンシステム異常時に出るサインです。

このタイプは簡易自己診断機能が搭載されているため、まず診断を実施。

手順は以下。

① 温度設定を25℃に合わせる
② 日射センサーに光が当たる状態にする
③ IG ON後、5秒待機
④ 「AUTO」と「デフロスター」を同時押し

するとエアコンパネルが点滅し、自己診断モードへ移行します。

 

今回は何らかの故障コード表示を期待しましたが、結果はまさかの「異常なし」。

 

ところが、一度電源をOFFにして再始動すると……

普通に冷える。

おそらくエアミックスダンパーやモーター系が一時的に固着し、自己診断操作をきっかけに復帰した可能性があります。

ただし原因は断定できず。

なお、この世代のオートエアコンユニットはすでに廃盤品。

今後は中古部品やリビルト対応が中心になりそうです。

古い軽自動車は、「壊れてるけど今は動く」が一番悩ましいですね。

 

 

 

 

エアコンは添加剤が割と効きます

オイル漏れでベルトが切れる理由

「走行中に突然バッテリーランプが点灯した」

そんな症状で入庫してきた車を点検しました。

実際に確認すると、メーターにはしっかりと充電警告灯が点灯しています。

まずはベルト関係を疑いながらリフトアップしてみると、下回りはかなり深刻な状態。

エンジンから漏れたオイルが広範囲に飛散し、マフラー付近にまで付着していました。

これは煙や異臭だけでなく、最悪の場合は発火リスクもある危険な状態です。

そして充電不良の原因を確認すると――

補機ベルトが完全に切れていました。

なぜこうなったのか。

原因は長期間放置されたオイル漏れです。

漏れたオイルが回転中のベルトへ付着すると、ベルトは滑り始めます。

さらにオイルでゴムが劣化し、摩耗が加速。

最終的にはベルトが削れ、切断してしまいます。

ベルトが切れるとオルタネーター(発電機)が回らなくなるため、充電警告灯が点灯します。

今回の車両も、清掃して新品ベルトへ交換すれば一時的には走行可能になるでしょう。

しかし、オイル漏れ本体を修理しなければ再発は時間の問題です。

車の整備は「壊れた部品だけ交換」ではなく、なぜ壊れたのかまで追いかけることが重要。

オイル漏れは、
・火災リスク
・ベルト切れ
・異臭や煙
・ゴム部品劣化

など、さまざまなトラブルを引き起こします。

小さな漏れでも放置せず、早めの点検をおすすめします。

 

 

 

 

 



エブリィが急に右へ曲がる…原因はまさかのコイルスプリング折損

「走行中に突然“バンッ”という音がして、それ以降ハンドルが右に取られるようになった」

そんな相談で入庫したエブリィ。

 

営業スタッフがレッカーしてきたのですが、第一印象は

 

「パワステが壊れてる感じがします」

 

とのこと。

最近の軽自動車は電動パワステなので、もし本当に故障ならかなり珍しいケースです。

まずは停車状態で確認。

エンジン始動後、ハンドルを左右に切ってみると、電動パワステは正常に作動。警告灯も点灯していません。

 

「パワステではなさそうだな…」

 

と思いながら構内を動かすと違和感。

 

真っ直ぐ走らず、ハンドルがどんどん右へ持っていかれます。

かなり強い症状だったため、サイドスリップを測定。

結果はアウト12mm/m。

 

明らかに足廻り系の異常です。

リフトアップして点検すると、

・タイヤ異常なし
・ホイール変形なし
・ロアアーム曲がりなし

しかし、さらに確認していくと原因を発見。

 

フロント右のコイルスプリングが折れていました。

おそらく、走行中の「バンッ」という音は、このスプリングが破断した瞬間の音だったのでしょう。

 

この車種、過去にコイルスプリング関連で保証延長が出ていたため確認しましたが、残念ながら期間終了。

 

結果、有償修理となりました。

 

 

最終的にはスプリング交換とアライメント調整を実施し、症状は改善。

 

ただ、足廻りをしっかり直そうとすると、アッパーマウントなど関連部品も交換したくなるため、修理費用はそれなりにかかります。

 

冬場に塩カルを浴びる地域では、スプリングの錆対策はかなり重要。

ノックスドールなどの防錆施工も有効かもしれません。

 

 

ダイハツ初期スマアシ車は要注意!バッテリー交換後に「レーダー停止」が出る理由

ダイハツの初期型スマートアシスト搭載車では、バッテリー交換後にスマアシが停止してしまうケースがあります。

 

実際、交換後にメータへ

  • [14E]
  • [レーダー停止]

と表示され、

「壊れた?」
「故障コード?」
「カメラ異常?」

と勘違いされることも少なくありません。

しかし、この症状の多くは故障ではなく、「舵角センサ中点の初期学習未実施」が原因です。

今回は、なぜこの現象が起きるのか、そして復旧方法を分かりやすくまとめます。


なぜバッテリー交換でスマアシが停止するのか

初期型スマートアシスト車では、舵角センサが「ハンドルの真っ直ぐ位置」を記憶しています。

これを「舵角中点」と呼びます。

ところが、バッテリー端子を外すと、この記憶が消えてしまう場合があります。

すると車両側は、

「今ハンドルが真っ直ぐなのか分からない」

という状態になります。

スマートアシストは、

  • 車両姿勢
  • 走行方向
  • ハンドル操作量

などを利用して制御しているため、中点情報が失われると安全制御を停止します。

その結果、

「レーダー停止」

が表示されるわけです。


学習が必要か確認する方法

IG ON時にメータ液晶へ、

  • [14E]
  • [レーダー停止]

が表示されている場合は、舵角中点学習が未完了です。

逆にこの表示がなければ、特別な作業は不要です。


舵角中点 初期学習の手順

① エンジン始動

まずエンジンを始動します。


② ハンドルを10°以上動かす

ステアリングを左右どちらかへ10°以上切ります。

その後、ハンドルを中点(直進位置)へ戻します。

ここで「ハンドルを動かした」という認識を車両へ与えます。


③ 10km/h以上で走行 → 停止

Dレンジへ入れ、約10km/h以上まで加速。

その後ブレーキを踏み、一旦停止します。

この動作は複数回行っても問題ありません。


④ 40km/h以上を約5秒維持

ここが重要ポイントです。

ハンドルをできるだけ真っ直ぐ保持した状態で、

  • 約40km/h以上まで加速
  • その速度を約5秒以上維持

します。

この条件を満たすことで、ECUが「現在位置=舵角中点」と学習します。


学習完了の確認方法

メータ液晶から、

  • [14E]
  • [レーダー停止]

表示が消えていれば完了です。

もし消えない場合は、再度同じ手順を行います。


スマートパノラマパーキングアシスト装着車は条件が違う場合あり

一部車種では、

  • 20km/h以上
  • 約3秒以上維持

という条件の資料もあります。

年式や装備差で条件が異なる場合があるため、整備書確認が確実です。


まとめ

ダイハツの初期スマアシ車では、バッテリー交換後に舵角中点情報が消去される場合があります。

その結果、

  • [14E]
  • [レーダー停止]

表示が出てスマートアシストが停止します。

しかし多くの場合は故障ではなく、走行による初期学習で復旧可能です。

知らないと、

「修理が必要?」
「センサー故障?」

と焦りがちなポイントですが、実は比較的よくある現象です。

バッテリー交換後に警告が出た際は、まず舵角中点学習を疑ってみましょう。