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今と昔の新車点検と車載工具の違いからわかるメンテナンスフリーへの移り変わり

古い年式の車が廃車になると、目につくのが車載工具です。

 

昔の車の車載工具って、今のものとかなり違って充実していました。

 

入ってる工具として、ドライバー、スパナ、ジャッキ、プラグレンチ。スパナは数種類入っていましたね。

もちろんスペアタイヤを積んでいるので、ジャッキもあります。

今の車の車載工具は、パンク修理剤と必要最小限の道具だけです。

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そもそも昔の車って、新車点検から結構すごいです。

点火装置がポイントのものならば、ポイントのギャップ調整。点火タイミング調整。バルブクリアランスの調整まで新車点検の項目に入っていたものもあります。

今思えば考えられないです。

バルブクリアランスの調整なんて、新卒で上がってきた整備士は出来ない人が多いです。学校でやっては来るんだけど、実戦で使う事がないから。

シリンダーヘッドをOHする、もしくは交換するという作業がないと、バルブクリアランス調整もしなくなりましたから。

それ以前に油圧のラッシュアジャスタをつかってれば自動調整になっていますしね。

昔の車のオイルフィルターって知ってます?すごく大きかったんです。ガソリン車でもなかなかの大きさです。

これは、それだけの異物がでるということを想定して設定されていたんだと思います。

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今となってはディーゼルエンジンであっても、中身の濾紙だけ交換ができるタイプに変わってきています。

大きなオイルフィルターがついてると、中に結構なオイルが残ってしまうので、新油に交換しても最初から汚れてしまうんですよね。

僕が整備したことがあるのは40年前くらいの車ですね。

本当に各部をちゃんと調整してあげないと、エンジンがかからなくなってしまいましたから。

チョークなんて知らない人が今は大勢います。

つくづくメンテナンスフリーになってきたんだなって思います。

ターボが壊れた場合、その原因がオイル管理であるのなら入念なフラッシングを!

ターボエンジンで、タービンが焼き付いたり異音が発生して壊れてしまった。リビルトや新品のターボに交換が必要と言われたとき、そもそもターボがどんな原因で壊れたかを検証しないといけません。

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ターボの壊れ方って2通りあります。1つがオイル管理が悪くて焼き付いてしまうパターン。

もう一つは、限界を超えてのブロー。こちらはオイル管理とは関係なくて、必要以上に酷使してしまった結果です。

ターボが壊れた原因が、オイル管理にあるのであれば交換前に、入念にエンジンを洗浄しておかないとまた壊れます。

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こちらはターボにオイルを供給しているパイプに取り付けられているユニオンボルト。ネジに穴が開いていますが、ここをオイルが通っています。

非常に小さい穴ですよね。もしこのオイル供給穴にスラッジが溜まったらどうなるか?

高速回転しているタービンはあっという間に焼き付いてしまいます。

ターボが壊れてしまった原因が、オイル管理にあるのであれば新品のターボに換える前にエンジンのフラッシングを行う事。

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オイルパンからオイルを吸いあげるストレーナーが詰まっているというのも駄目。油圧が上がらなくて壊れます。

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壊れたターボを見てみると、そのほとんどがタービンの羽根が傷ついています。きちんとしたオイルが供給されなくて軸が焼き付いてしまった結果です。

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そして、ターボを壊してしまう人って、また壊す可能性があるということ。

僕が知ってる人は同じ車でターボを3回交換した人も居ます。

どうしてかっていうと、信じられないけど凝りてない。

その後のオイル管理もずさんなままで、また壊しちゃう。

タービンの交換ってリビルトを使ったとしても10万近かったり、10万を超える車種もあるので要注意です。

エンジン内部をいじったリコールなどを受けた場合、1000km程度でオイル交換をするススメ

車屋さんをやっていると、いろんな保証やリコールに遭遇します。その中でもそれはハードなリコールだなぁというものもたくさんあります。

ピストンリングの交換とか、バルブスプリングの交換などがそれにあたります。トヨタ86はバルブスプリング交換だったし、ホンダのステップワゴンはピストンリングの保証延長など。

レクサスもバルブスプリングの交換がありました。

こういった大掛かりなリコールや補修作業を受けた後って、早めにオイル交換などをしたほうがいいと思います。

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こちらは先日ピストンリングを交換してきたステップワゴンです。

その後走行1000kmでオイル交換を実施しました。

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結構奇麗に作業がされていたのが垣間見えます。

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1000km時点でオイル交換がてら点検をすると、作業ミスなども見つけることだって可能です。

このステップワゴンはばっちりでした。

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こちらは某車種です。

リコール作業をうけて間もないのにこの有様です。

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今日タイヤ交換にきたからわかったものの、そうでなければこれだけのオイルが漏れているので壊れてしまうかもしれない。

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大掛かりなリコールなどを受けた後は、やはりその経過を見たほうがいいと思います。

売店を経由していると、作業をしたディーラーはエンドユーザーと接触できない暗黙の決まりみたいなものがあるので、販売店でもチェックをしたほうがいい。

エンジン作業であれば、1000km時点で慣らしと思ってオイル交換に来てもらうなどですね。

経過を観察したほうがいい作業ってやっぱりあります。

慣らしって新車だけのものではなくて、エンジン内部やミッション内部の部品を換えた後も必要です。

各部がなじんで、漏れなどがないか点検する作業は重要です。

走行距離がかさんでくるとインジェクタが詰まってくることもある

まずはこちらをご覧ください。

 

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空燃比薄いというコードが入っています。

普段はあまりお目にかかれないコードです。車両は走行距離が20万キロを超えています。

空燃比が薄いということは、燃料が足りていないのか、それに伴う制御系統の不良なのかすみ分ける必要があります。

 

データモニタでO2センサからのフィードバックを確認してみると、さほど悪くなさそうです。とりあえず、現象を確認しながらデータを集めることからスタートです。

 

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この車両はタイミングベルトの交換時期でもあります。

エンジンのヘッドカバーを開けてみるとご覧の通り。真っ黒です。メカニカルノイズも大きいため、バルブクリアランスの調整も必要だと感じました。

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外したプラグとエアクリーナーの状態。エアクリーナーはそれほど悪い状況ではないものの、プラグに関しては新車当時からずっとそのままのような印象を受けました。

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この位の年式と走行距離になると、燃料ポンプの状態が悪い可能性もあります。

タンクを降ろしてポンプの現物を点検する前に、とりあえず燃圧を点検。

 

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燃圧を計測してみると、それほど悪くない数値です。

ポンプは数値上悪くはないので、後回しにします。いくら燃圧が上がっていても、それを噴射するインジェクターが詰まっていたりするとリーンになりうる。

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この車両のインジェクターは簡単に脱着ができるのでラクチンでした。

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非常に確認づらいのですが、マルチホールインジェクターの噴射口が見事に汚れまくっています。

これでは、燃圧があがっていたとしても蛇口の先端が詰まってるため燃料が足りなくなってしまう。

インジェクターがこれほどまで汚れている原因は何故なのか?走行距離ということもありますが、原因はエンジンオイルの入れすぎではないかと推測します。

ブローバイが過多になってしまい、それがインジェクタを詰まらせた。

オイル管理もよくないので、エンジンオイルを使ってフラッシング。タイミングベルトを交換してバルブクリアランスを調整。プラグも新品に交換。

最後にインジェクタをクリーニングして、PEA配合の燃料添加剤を入れておきました。

 

 

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基本的なメンテナンスが原因でエンジンが不調になる事もあります。

作業後、データモニタを点検して再発しないことを確認して終了。

この車は結局40万キロ近くまで走り切って、代替えとなりました。頑張った!

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今の車はハブベアリングの内部にABSのセンサが組み込まれている

車に乗っているとどうもガラガラ音がする・・・。

 

その音が次第に大きくなって、そろそろヤバい感じがする・・・。

 

スピードに比例して大きくなる異音は、駆動系統です。エンジンの回転に比例して大きくなるのはエンジン関係の異音になります。

 

駆動系の異音で多いのがハブベアリング。ハブのベアリングが壊れた車に乗ると相当ヤバい音がします。

 

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今の車って、ABSがほぼ標準装備されています。

 

一昔前のABSは車輪速度センサがセンサーとコイルとで別々に存在していました。ハブベアリングにABSのローターがついています。そのローターの突起をピックアップコイルで読み取ることで車輪速度を検出していました。

 

今の車はこれらが全てハブの内部に組み込まれています。

 

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ハブベアリングって、1つ3000円~5000円くらいのベアリングだったんです。

しかし、このABS関係がぶち込まれているハブASSYになると金額が2~3倍してしまいます。

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ハブのベアリングに異音がでていなくても、内蔵されているABSの車輪速センサに故障があると、やはりハブASSYで交換がひつようになります。

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全てをバラバラで部品供給してくれればいいんですが、そういうわけにもいかなくなってきています。

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この手のハブベアリングは交換はそれほど難しくはないんですが、部品代が高額なのでいただけないです。

 

昔のようにベアリング、センサ、ローターなど全てがバラバラのほうが良かったなぁって。

ちゃんと組まないとベアリングを駄目にしちゃうんですけど、その分ピンポイントに修理ができましたからね。

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ハブベアリングから異音が出てきたら、部品代が高いということになります。

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昔は10万キロ弱で寿命を迎えていたオルタネーターも今では長寿命になってきた

身内の話になるのですが、今はよろよろになってしまった叔父さん。叔父さんは元気なころベンツに乗っていました。

 

ベンツを2台乗り継いだんだと思います。車種に記憶がないんですが、多分190Eとかだったんじゃないかな?

 

この叔父さんのベンツ、僕が知る限り2回ほど故障しています。2台とも同じ故障です。それがオルタネーター。

 

充電警告灯が点灯して走行不能になり、親父に助けを求めてきたことを鮮明に記憶しています。その当時我が家の車は月まで走ったバネットラルゴ君とマーチでした。

 

2台ともオルタネーターのトラブルに遭遇したことがなかったので、ベンツってオルタネーターが弱いんかいな?と、高校生くらいの時に疑問に思いました。

 

高校生くらいの僕はオルタネーターという言葉は知らずに、発電機でダイナモとおやじと叔父さんが連呼していたので、ダイナモが壊れやすいんだね。というイメージでした。

 

今は交流発電機なのでオルタネーターです。昔の車は直流発電機だったので、親父世代にはダイナモといったほうがしっくり来たのかもしれません。

 

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前置きが長くなりましたが、ではオルタネーターはどこが壊れてしまうのか?

オルタネーターの故障って、まあ発電しなくなるに尽きますが2パターンの故障に分けられると思います。

 

ブラシの寿命が来てしまったということ。

 

回路がパンクしたということ。

 

回路がパンクするっていうのは、オルタネーターに水などをぶっかけてしまうと、ダイオードなどが壊れてしまうトラブル。

車検時にエンジンルームを洗浄して壊しちゃったという整備士を僕はみた事があります。

ブラシの寿命というのが、オルタネーター本来のメンテナンス時期です。

 

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このブラシが摩耗すると発電しなくなるので、メンテナンスが必要でした。

 

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僕が整備士として働きだした頃は、電装屋さんが現物を修理するか、リビルトに換えるかでした。

 

ちなみにオルタネーターブラシは純正パーツで買う事が出来て、簡単に交換ができます。

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この突き出ているところがブラシの接点になります。

 

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ブラシの接点がすり減ってスリップリング接触することでオルタネーターが稼働します。

このブラシが減りすぎると駄目なのです。

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昔の車はオルタネーターブラシが10万キロ位で摩耗してしまったので、一旦OHしないといけなかったんです。

今の車は20万キロはほぼ持つと思います。オルタネーターも長寿命化されています。

ただし、突発的な原因でダイオードやレギュレーターなどが壊れる事も考えられるので、必ず20万キロもつとは言えませんけどね。

 

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初代エルグランドのガソリンエンジン、プラグ交換にはハンドパワーが必要

初代エルグランドのガソリンエンジンV型エンジンが所狭しとぶち込まれています。あのプラグ交換を経験したことがある人ならわかると思います。

 

手前の数本以外は全て手探りで交換をしないといけない。なんともリスキーなプラグ交換です。

 

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V6なので6本つかっています。しかもイリジウムプラグを使ってるわけではなく普通ののグリーンプラグが採用されています。

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点火装置はディスビタイプです。

ダイレクトイグニッションではないものの、非常にやりにくい。

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プラグコードを引っこ抜く隙間すらないのです。

少し持ち上げて横にスライドさせておく。その隙間からレンチを適切な長さに組んで外していく。

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数種類のエクステンションバーと首振りのラチェットが必須アイテムです。

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この奥にもあります。

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プラグ交換をやってここまで達成感に浸れる車も珍しい位。

それほどいやらしいプラグ交換作業です。

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マニホールドなどを徹底的に外さないといけないのかというとそうでもない。

普通のプラグ交換と同じでプラグコードを抜いてレンチを入れて交換するだけ。

しかし、とてもやりにくい。

全く見えない位置にある。

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プラグを交換する際は絶対にイリジウムタフなど10万キロもつプラグに交換してしまいたい。

そのくらいイヤーな作業です。

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