スズキのキャリィです。型式はDB52Tですが、この時代のスズキ車全般に言える腑に落ちないところがあります。
それは、フロントの左タイヤなんですが、左右にさするとガタがあるのがわかるんです。
車検の場合、各部ガタつきを点検修理しないといけません。ボールジョイントが抜けたら大惨事ですから。
今回のステアリング系統のがたつきですが、新車時にはわからないんです。
5万キロ程度乗っている固体であれば、フロント左側のタイヤに左右方向にガタがあるわけです。
本来ジャッキアップした状態で、タイヤを上下にさすってガタがあると、その原因はハブベアリング。左右にさすってガタがある場合はタイロッドという判断を現場ではします。
実はこのスズキ車の場合、タイロッドにがたつきがあると判断しがちですが、違います。
タイロッドを交換されているようですが、治っていないようです。
調査に乗り出しました。
まずは左のタイロッドエンドをナックルから切り離す。
そしてステアリングのラックブーツを取り外して、その状態でガタを再現させるのです。こうするとどこにガタがあるか一目瞭然。まずいのはタイロッドのボールジョイント部分のガタ。
ボールジョイントのガタっていうのはいきなり抜ける可能性がある。ロアアームのボールジョイントもそうですし、危険なんですよ。
ここはがたつきが発生していたら即刻交換が必要です。
タイロッドエンドを引っ張ったり離したりしてタイロッドのボールジョイント部分にガタがあるかを点検します。ですが、この時代のスズキ車は紛らわしいことにタイロッドじゃない部分にガタがでるんですよ。
この2枚の写真をよく見比べるとわかるんですが、ステアリングラック本体です。
このウォームギヤによって左右に伸びてくるロッドと本体に若干の隙間があり、ここがガタつくんですよ。これはキャリィ以外でも同じです。ワゴンRでも同様にラックブーツを外して点検したことがありますが、同じでした。
つまりスズキ車でフロント左のタイロッドにガタが発生しているときは、きちんとそれを見極めないといけないということ。間違えてタイロッドを交換してもガタは治りませんからね。
このケースの場合調整やグリスアップができる場所ではないので、ガタを治すには交換をするしかないわけですが、ボールジョイント部分ではないので、特にいきなり抜けるといった危険性をはらんでいるわけではなかったりします。
グリスアップでもできればがたつきは止められると思うんですけどね。
クリアランスが広がりやすいのかもしれません。
キャリィの左フロントのガタについてでした。