MHOエンジニアリング

現役猫系自動車整備士YouTuberチームMHOの車ブログ

冠水被害に要注意!室内まで水が入り込んだ車は修理が困難に!

ここの所全国各地でゲリラ豪雨やら、台風被害が毎年のように起きています。

かくいう僕が住んでいる地域も、台風19号で川が決壊し、街全体が水没しました。

その時に引き上げた車と言えば、相当な数です。

あんな惨状は車屋さんをやっていて経験したことがありませんでしたね。

生活の道具として車がないと、成り立たない地域なので、中古車は出てきた瞬間に売れ、レンタカーは取り合いです。

馴染みのレンタカー屋さんは、全国の拠点から数十台規模で持ってきてくれたり、自衛隊に助けてもらったりと、本当に大変でした。

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そして、基本的に水没した車は、たとえその場を修理して回復したとしても、後々にいろんなトラブルが発生します。

水が後に配線やら何やらを錆させて、原因不明の故障が出たりするんです。

このワゴンRアイドリングストップランプが消えなくて、原因を探っていったらこちらです。

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アイドリングストップ専用のリチウムイオンバッテリーがこの状態です。

まぎれもなく水没した証ですね。

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こうなってくると、バッテリーだけの交換で直るのかというと不明です。

カプラーから配線だって水に浸かってるわけですから。

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ディーラーに相談しても修理不能として突っぱねたほうがいいと言われました。

でもお客さんは何とかして乗りたいという希望です。

とりあえずリビルトのバッテリーもありますけど、それだけで済まない可能性もあるので中古を取り寄せて交換。

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何とかアイドリングストップランプが消灯したので良かったです。

しかし、今後何が起こるかわからないのも確かです。

水没した車を直すのは、すごく判断が難しいです。

明らかに水が浸かった部位は全て交換対象です。

新品を使うよりも、中古パーツを使ったほうがいいと思います。まだその後に何が起こるかわからないですからね。

GSR55Wのエスティマ、ウォーターポンプ交換が大変

エスティマで、GSR55という型式。ウォーターポンプの交換が非常に大変です。

どの位大変なのかというと、普通のポンプ交換の5倍位の時間がかかると計算されています。

4WDだと整備指数は15.5時間という設定になっています。

ちなみにエンジン脱着も15.5時間。同じやないですかって。

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普通ウォーターポンプの交換って、タイミングチェーンだと3時間前後くらいです。

しかし、15.5時間。

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ウォーターポンプを交換するためにはここまで分解しないといけません。

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ほぼ同じ角度で撮影しています。

バンパーを外して、ヘッドライトを外す。エアコンのコンデンサーやラジエターコアサポートも邪魔だから外す。

オルタネーターも邪魔だしエンジンマウントも外さないと駄目。

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ようやくポンプが外れた図です。

ここまで分解しないとたどり着けないので、いっそのことエンジンを降ろしてもいいんじゃないかとジレンマにも襲われます。

でもエンジンを降ろすよりは後処理が簡単なので、車上で交換をお勧めします。

一緒に交換をお勧めなのは、ファンベルト、ベルトオートテンショナー、アイドラー、オルタネーター。

コンデンサを外すので、真空引きをしてまたガスチャージもしないといけません。

MCR30のエスティマタイミングベルトを使ったV6ですが、ここまで大変じゃないですからね。

タイミングチェーンのGSR55、おそるべし。

オートウィットのコンデンサ型ジャンプスターターで180SXのエンジンはかかるか?

この前買った、コンデンサ型のジャンプスターター。

ちょっと癖がある商品で、全員にお勧めできるものではないんですが、今日違う車を試してきました。

 

 最初に試したのは軽自動車で、ちゃんとエンジンはかかった。

今日は180SXを試してみました。SR20DETで2000ccです。

この位のエンジンをジャンプスタートできるかどうか?

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180SXについているバッテリーはほぼ空っぽ。

電気もうっすらしか点かないし、セルはまったく回りません。

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このコンデンサタイプのジャンプスターターの最大の弱点は、バッテリーが完全にからっぽだと稼働できない点にあります。

セルは回せないんだけど、メーターにうっすら電気がつく位は電気が残ってないとだめ。

一番はからっぽの車をスタートさせたいんだけど、それができないから万人向けじゃないのです。

コンデンサジャンプスターターは、残った電力を吸収して増幅し放出します。

空っぽにちかいバッテリーから電気を集めるのはものすごく時間がかかるので、他のバッテリーからある程度電気を集めておきます。

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そしてかかるのか?

いとも簡単にSR20DETは始動しました。パワー的にはこのジャンプスターター、なかなかいいものを持っているようです。

しかし試したのが真夏の最中だったので、冬だったらどうなのかなーとか。

もっと排気量のでかい車だったらどうなのかなーとか。

いろいろとまだまだ試したいです。

とりあえず2000ccクラスのエンジンは始動できました。この様子はYouTube動画にもしますので、また見てください。

 

エンジンを降ろさないとできないとされる作業を降ろさずにやるメリット

整備作業をしているときに、目安になるのが整備指数という数字です。

整備指数というのは、その車のこの作業に対してどのくらいの時間がかかりますという工賃目安になる数字です。

例えば、ブレーキパッドの交換は1.1時間。車検と同時にブレーキパッドを交換すると0.5時間。

クラッチOHは4.5時間。タイミングベルト交換は3時間。

こんな具合に、車種ごとにそれぞれ決まっています。この数字があるからこそどこのお店で作業をしても、工賃はなから同じ金額になるようになっています。

初めて作業をするとき、やはりこの数字が整備士にとっては目安になります。中には

「え?こんなに時間がかかるの?」

っていうような作業もあるんです。

ホンダのライフのクランクシャフトオイルシールのフロント側の交換工賃など。7.4時間という設定になっています。実際にはそんなにかかりません。

カムシャフトのオイルシールと同じ位の3.6時間くらいで妥当だと思います。

逆に僕が作業した中ではヴォクシーインジェクター交換。1台で4.4時間となっています。

ヴォクシーのエンジンを載せ替えたり、インジェクターを交換したことのある人ならわかると思いますが、エンジンを降ろさないととてもじゃないとできない位ヤバいです。

僕なら迷わずエンジンを降ろします。車上であの直噴インジェクターを交換するなんていう芸当は相当難しいです。

これはもっと整備指数を追加してほしいよねーというパターン。

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そしてこちらはエンジンを降ろさないとできないであろう指数。

エスティマGSRウォーターポンプ交換。指数14.5時間

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相当いろんなものを外しますが、車上で交換は可能です。

14.5時間まではかかりませんが、なかなかすごい作業です。

整備指数って、時にあてにならないけど、時に裏切られる。

エンジンを降ろさなくてできるのなら降ろさないに越したことはありません。

燃料ポンプのリコールが盛んだけど、作業に出す前に気を付けてほしい事

うちの会社でもとうとう燃料ポンプリコールのSSTが到着しました。

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このSSTを使ってポンプを交換します。

 

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その他ホースなども到着。

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そして、ようやく部品も到着してきました。

これで作業が開始できます。事前に問い合わせをもらっている人から、予約受付順に作業をすすめる予定です。

この燃料ポンプリコールですが、作業する前にちょっと気を付けたいところがあります。

それは燃料を満タンにした状態でリコール作業を受けるのは避けてほしいということ。

燃料が満タンになっていれば、ポンプを外したら噴きこぼれるのは必至です。

ということでガソリンを半分以下にしておいてもらえるのが理想です。

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ガソリンタンクも鉄製の板金タンクと、樹脂製のタンクに分かれます。

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下の画像が樹脂製タンクです。触ってみればすぐわかりますが、樹脂タンクの方が凸凹してデザインが複雑です。

鉄製の板金タンクは貨物車全般に使われています。乗用車も板金タンクを使ってるものもありますが、作業は樹脂製タンクの方が気を使います。

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車によっては燃料タンクを降ろさないといけない車種もあります。

仮にサービスホールがあって、車上からアクセスができる構造だったら、匂いが室内に少しは残ってしまうので、その辺も了承しておいてほしいですね。

ガソリンの臭いってしばらくとれないです。

これらを踏まえると、やはり燃料は減らしておいてもらったほうがいいですね。

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ダイハツ車で100万台規模。

他のメーカーも含めると1000万台オーバーという大規模リコールです。

頑張ります。

ハンターカブ、買ってから初めての洗車とコーティング!バリアスコートが楽でお勧め

今日、思い立ってハンターカブの洗車をしてみました。

買ってから一度も洗車をしたことがありませんでした。

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洗車する必要性がなかったというのが理由です。なぜならば、購入してから一度も雨の日に乗っていないからです。

ずーっと晴れてる日だけを狙って乗ってきたので、汚れとか錆はほとんど発生していません。

とはいうものの、埃がそこそこ付着しているので、洗車をしてコーティングを施そうと思い立ちました。

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バイクの洗車なんてゼファーXに乗っていた以来だ。

車と違ってバイクはむき出しだし凹凸が激しいから、進んで洗車したくないところがあります。

 

 カーシャンプーは車用のものを使用しました。

シュアラスターのものです。そもそも洗車をあまりしない男なので、ほとんど減っていない。

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洗車をするので、タンデムシートとサイドバックは外しました。

念入りに洗って、その後コーティングをするからです。

コーティングはこちら。

 

 ワコーズのバリアスコートです。樹脂から金属までをバッチリコーティングしてくれます。

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洗車の拭きあげをして水分を除去し、乾燥させた後コーティングをします。

バリアスコートはスプレータイプで、ふきかけて、付属のグロスで奇麗に拭きあげるだけ。

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ずっと前に買ってあったバリアスコートです。

車に使うにはスプレーだから早く終わっちゃうよなぁと。バイクに使ってみたらこれが最高。

ラクチンだし、凹凸がおおいバイクにもバリバリとコーティングができます。

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コーティング後は新車のようにピカピカになりました。

終わってサイドバックとタンデムシートを再度取り付け。

バリアスコートは効果も長持ちだし、そもそも雨の日は乗らないようにするので、これでしばらくは大丈夫!

バイクの洗車後のコーティングに一押しです。

 

近い将来のリコール作業について考えてみた

プリウスにリコールがでました。

 

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内容は自動ブレーキに関するものです。

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内容は、自動ブレーキの作動が遅れることがある。というもの。

対策は制御プログラムを対策仕様に修正するということになります。

このリコールを見て、ふと思いました。

そういえば、この手のリコールってコンピューターの書き換え作業だけで終わるよなと。

ECUのデータ書き換えは、ディーラー診断機でしかできないとされています。一部作業を認められた販売店には、リプロ用の書き込みができるプログラムをもらう事ができたりもします。

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うちの会社でもリコール作業を請け負っていますが、ダイハツ系のリプロは専用診断機でなくてもできるようになっています。

でもリプロを行うコンピューターの台数が1つしかないので、一日にできる台数は限られてきます。

これ、コネクテッドカーだったら、遠隔でリコールができるんじゃないって。

パソコンって、ウインドウズのアップデートって定期的におこりますよね。

それと同じです。

車がコネクテッドカーであって、きちんとした安定化電源が取れる状況下であれば、わざわざディーラーに行く必要はない。

遠隔でリプロ作業をすればいいわけです。

リプロって車の電源電圧が規定V以下だと絶対にやってはいけないというルールがあります。

書き込んでいる時に、止まっちゃったりすると壊れる可能性があるんでしょうね。

この点のみ何とか出来れば遠隔でリコールできますよね。

リコール作業を行う時は、電波のよい場所で停車してもらい、エンジンをかけた状態で待機してもらう。

その時に遠隔でリプロを行う。

しかもそれって一度に何台でもできますから。

コネクテッドカーのリコールって、今後こんな形になっていくのかなと勝手に想像しました。

今やリプロ作業のリコールって相当数増えてきていますから。