MHOエンジニアリング

現役猫系自動車整備士YouTuberチームMHOの車ブログ

樹脂製タンクは整備する時に要注意!燃料ポンプリコールについて

ダイハツで大規模なリコールが出ましたね。燃料ポンプが動かなくなってしまうというリコールです。

もともとトヨタでも同様のリコールが出ていただけに、業界内ではようやくダイハツもスタートかという雰囲気です。

とは言え、台数が結構あります。そしてちょっと気を付けないといけないところがあるので紹介。

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まず今回のリコール作業にはこのSSTを使用します。

これを使って、燃料ポンプの取り外し作業を行います。

 

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作業を始めるにあたり、お客さんにはガソリンを減らしておいてもらうという事が一つのポイントになります。

そしてこのリコールはダイハツ車全般に出ているという事。

ムーブやキャスト、キャンバス、コペンイースハイゼットなどなど。同じ部品を基本的に共有しているわけですから納得です。

問題はこちら。

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こちらはS510系の燃料タンク。金属製。

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そしてこちらは乗用タイプに採用されている樹脂製のタンク。

金属製のタンクと樹脂製のタンクがあるんです。主に2WDの軽乗用には樹脂製タンクが採用されてる。

作業を考えると金属製タンクと樹脂製タンクではどう違うか?

はっきり言うと、樹脂製タンクのほうが気を使います。

リコール作業を失敗すると、樹脂製タンクを変形させてしまい、交換が必要になるケースが発生しているようなんです。

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金属タンクはそうそう曲がるとか変形するということはないですが、樹脂製タンクは簡単に変形を起こしてしまいます。

タンクが変形したらガソリンがそこから漏れてきちゃうということなんです。

これはダイハツのメカニックから聞いた話なので、そういう事例が発生しているのは間違いないですね。

僕らもSSTをゲットしたので、リコール作業のお手伝いをスタートさせます。

きちんと正確な作業をすれば、単純に燃料ポンプの交換なので、難易度はそうでもないです。

樹脂製タンクは取り扱いに注意が必要です。

 

車検工場でたまにあるある自賠責保険の重複加入トラブルについて

うちの会社でもたまーに発生するトラブルについて。

それは自賠責保険の重複加入です。

これがなかなかに厄介な問題なので、ちょっと取り上げてみます。

まず、自賠責保険はナンバーが付いて車検のある車なら全て加入しています。自賠責って、交通事故が発生した時に被害者に充てるための保険です。

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僕も子供が車にひかれたことが2回あり、事故が発生して救急車を呼びますよね?病院について、会計の段階になると聞かれます。

「交通事故なので、支払いは自賠責からになりますので。」

考えてみれば、車にひかれたとして救急車をよんで100%被害者なのに、時間外の費用やら下手したら手術代などがかかってくるってなれば、怒り倍増ですよね。

これらを賠償するのが基本的に自賠責保険です。自賠責保険で足りない賠償額は加入している任意保険からになります。

車はナンバーが付いて車検があるものに関しては100%どこかしらの自賠責保険に加入しています。自賠責を加入していないと車検の更新ができないからです。

ここで本題に戻ります。たまに自賠責の重複加入という問題がでることがあるんです。

何故そんな問題が発覚するかというと、大体が自賠責保険を持ち込んでくるのを忘れてくるお客さん。

多分、任意保険とセットで加入すると少し安くなるんですよーと、保険屋さんに言われて更新したものの、車に載せ忘れたりそもそも存在を忘れているケースです。

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車検の検査の時に、自賠責保険の証書を確認して車検期間をカバーするだけの加入があるかチェックします。

そこで自賠責の期間が足りない場合は、自賠を加入してもらわないと車検が更新できないんです。

うちの会社でも自賠責はこちらでご用意させていただいてもいいですか?って最初に承諾を得るものの、本人が実は最初に加入をしていることを忘れていたというケースがたまにあるんです。

困るのは、車検の検査をするときにOSSなどだとe自賠システムに繋げて、電子で保適を発行しますけど、その時にこちらで用意した自賠の証書番号などが反映されているということ。

つまり、こっちで切った自賠で車検を更新してるのに、あとから自賠があったから解約してくれっていう話になる事があるんです。

一応陸事に確認をとったら、自賠の証書ナンバーが変わったとしてもそれをカバーできていれば解約は可能ということです。

でも、本人都合での解約になるので、引き受けた後に違約金のようなものが発生するため、自賠責の金額すべては戻せないということ。

自賠責を発行すると代理店は手数料として1000円ちょっともらえるんです。だから自前で自賠を切ると利益になるので、切らせてもらうにこしたことはないんです。

たまにこういうトラブルが発生するとげんなりします。

同じ保険会社だったら後々に発覚します。違う保険会社だったらわからないまま終わることもあります。

いずれにしても自賠責保険って、車検工場で切らない場合はその意思をきっちりと伝えておかないと困りますねっていう話です。

フロントガラスの油膜を取るだけで、夜間雨が降ってる時の視界が劇的によくなる

新車の時はほぼ感じなかった事。車ってしばらく使ってくると、当然のことながら汚れてきます。

それを洗車で奇麗にするわけですが、洗車した時の洗剤やWAXなどが、ガラスに付着して堆積していきます。

するとどういう事が起こるのか?一番わかりやすいのは夜、雨が降った時の状態です。ワイパーを動かしたとしても、ガラスにうろこ状に反射して見えたりして、視界が悪くなる。

これを油膜と呼んでいて、ガラスに油膜が堆積してくると非常に夜の視界が悪くなります。

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梅雨の夜に視界があまりにも悪かったので、ガラコを試してみました。

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ガラコって、フロントガラスの撥水ってイメージがありますよね?

しかし撥水をきかせるには、最初にガラスを奇麗にしないと発揮しません。どういうことかというと、油膜などを取り除いてから施工しないと駄目だという事です。

 

ガラコを施工する前に、同じくガラコの油膜とりを試しました。

 

 これがなかなかどうして。

説得力抜群なんですよ。

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専用コンパウンドでガラスをきれいに磨いていきます。

磨き終わったら水で奇麗に流すんですが、その効果に感動。

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真ん中にマスキングテープを貼っています。そのちょっと左側から縦に水の線が伸びてるのがわかります。

この水の線から左側は全部水で濡れています。

使い込んできた車のガラスに水を流すと、筋になって下へ流れていきますよね?

この油膜とりをしたら、水が奇麗に全面にいきわたりながら、流れていくんです。

下手にはじく部位がなくなるといった感じです。

これってすごいですよね。この状態でワイパーを動かせば奇麗に水をはいてくれます。

ガラコってコーティングもいいんだろうけど、下地処理の油膜とりをするだけでもかなり効果があるということが実際に試してわかりました。

古くなってきた車で各種メーターが動かない時は診断を慎重にせよ!の巻き

古くなってきた車で、トラブルとしてメーターが動かないというもの。

この診断って、ちょっと気を付けたほうがいいです。

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例えば水温計だったり、燃料計だったり、タコメーターだったり、スピードメーターだったり。

昔の車みたいにメーターワイヤーで、メーターを動かしている車でワイヤー切れという確実な診断ができるものならいいんですけど。

そうではないものは気を付けないと駄目です。

例えば、燃料メーターならどうか?

まずゲージユニットとメーターを切り離して考える為、ゲージユニットの配線を短絡させるなどしますよね?

その時メーターがきちんと作動していれば、ユニット不良と考えられる。

タコメーターもそう。回転センサ側に問題がなければ、メーター不良である可能性が増えてくる。

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ただし、ここで気を付けないといけないのはメーターの基盤部分です。特にプリント基板以外の電子部品がたくさんついているもの。

意外とメーター本体が不良という判断をしても、直らない時があります。

何故かというと、メーター基盤の抵抗値などが狂っていて正常に動かないケースが多くなってきます。

メーター故障の判断が微妙に難しくなってきているということですね。

メーターがもし不良だと思ったら、見積もりはメーターアッセンブリーにしておかないと、追加で基盤もと上積みをしていくと信頼がなくなりますから。

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見積もりは高めで、請求はそれより安く。

それが一番いい印象になります。疑わしい部品があったらそれもきちんと見積もりしておく事。

最初にある程度の最大値にしておいて、引き算をしていくほうがトラブルにならなくて済みます。

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このキャラバンもタコメーターが動かなかったんですが、カプラーを付け替えれば治りました。

この時点でタコメーター本体が駄目だと結論付けるのは早計。

取り合えずメーターアッセンブリの見積もりを伝えておいて、完全に壊れるまでは使うという判断をお客さんはしていきました。

完全に壊れちゃったほうが診断は楽ちんです。

そろそろ意識高く、アルコールチェッカーを一家に一台買うべきだと思う

とうとう我が家も買ってみました。

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アルコールチェッカーです。

2つ買っていますけど、本命はタニタの方です。もう一個の方はネットで660円で買えたものです。

精度がどの程度出るのか興味があったので買ってみました。

まだ自宅にアルコールチェッカーを持ってる家って、少ない方だと思います。

車をなりわいとしている会社は、おそらく出勤時にアルコールチェックをしているんじゃないでしょうか?

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うちの会社も出勤したらすぐにアルコールチェックと体温チェックをします。

そこでオッケーな人だけ、業務車両の運転が許可されるわけです。

運送関係の人も、かなりしっかりとアルコールチェックをしているんじゃないですかね?

ドライブレコーダーって、あおり運転を気に急速に普及しましたよね?どうしてあれだけ一気に広まったかっていうと、自分の身を守るためです。

これは相手ありきの自己防衛なので、手を出す人が多かったのかな。

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アルコールチェッカーは自己防衛は自己防衛でも、自分のモラルが引き合いになってきます。

相手がどうこうというより、自分自身の戦いですからね。

今日はもう一杯飲みたいなぁって思っても、毎日アルコールチェックしている人なら、分解されるおおよその時間と量が分かるようになってきますよね。

すると、ここでやめないと駄目だなって。線を引けるようになる。

ずるずると飲むことができなくなるわけですから。

今度は休みの日を使って、思い切り深酒をした翌朝からお昼にかけて、どのくらいの速度でアルコールが分解されていくのかとか計測してみようかなと。

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飲み会で一番困るのが、奥さん方の実家に行った時など。

泊ってくるのを前提なら、全然飲みますけど。日帰りだとノンアルコールを僕はいつも飲みます。

それがちょっと場をしらけさせてしまうので、申し訳ないよなって。

でも、もし帰り道で飲酒の事故なんか起こそうものなら我々の人生が吹っ飛びますからってお断りをしています。

飲酒運転は社会的に許されません。

安くてもそこそこ使える非接触型の温度計!

接触型の温度計が前から欲しかったので買ってみました。

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このように赤外線を照射して対象物の温度を計測します。

正確に計測するのなら、接触型の温度計に軍配があがります。ですが、触れないような場所は非接触型に限ります。

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車のボンネットを計測してみました。初夏でお昼前に計測。

46.7度です。

夏の車内が非常に高温になるというのは納得です。

たまにボンネットで卵焼きを作ってるツワモノがいたりしますが、温度がピークになった時は卵焼きが出来るのも納得です。

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続いてシリンダー。

バイクで10kmほど走った後に計測してみました。

106度オーバー。結構な温度ですね。

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ではブレーキローターは?数字が出ていませんど、30度弱でした。

ブレーキってもっと高温になるかと思いましたが、放熱もきちんとしているという事ですね。

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クランクケースは121度。

普段ではわかりえない温度を計測できるので興味深いです。

さすがにサーモスタットのテストなどをするときは、普通の接触タイプの温度計じゃないと駄目ですけど。

 

 今度は車で峠道を下ってきた後のブレーキローターなどを計測してみようと思います。

さすがに真っ赤になってればフェードしますよね。

ブレーキフルードの沸点を上げるという事は、そういう意味で予防になります。



 

燃料ポンプのリコールが続出!そもそもポンプはどれだけデリケートなのか?

ダイハツも最近になって燃料ポンプのリコールを発表しました。

トヨタやホンダなどと同一メーカーのポンプを使っていたようで、その台数は1000万台を超えたことになります。

燃料ポンプが動かないと、エンジンまでガソリンがいきません。

ガソリンがいかないということは、エンジンがもちろんかからなくなる。

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燃料ポンプの設置はタンクの中に入ってるものと、外にあるものがあります。

昔の軽トラックなどは燃料タンクの外にポンプが付いていました。今はほとんどがインタンク方式です。

ゲージユニットとかフィルターなどが一式セットになっています。

ここからバラシてポンプを交換します。

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そもそもなんで燃料ポンプって壊れちゃうのか?

仕組みはどうなってるのか?

燃料ポンプの仕組みって、筒の中に扇風機みたいなものが入ってるとイメージしてください。

それが旋回することで、燃料を突出します。

リコールではこの扇風機の羽部分がケースに干渉して止まってしまうとなっています。

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燃料ポンプって寿命でももちろん動かなくなってしまいます。

が、外的要因としては燃料タンクの錆です。

錆がポンプの中に入りこんでしまうと、次第に固着して動かなくなってしまいます。

樹脂製の燃料タンクなら問題はないですが、金属製の燃料タンクはタンク内の錆に要注意。

たまには水抜き剤などを入れておくのもベストです。

梅雨時など燃料を満タンにしておかないと、燃料タンクの中に水滴が発生してそれが沈殿して内部から錆びてきます。

水抜き剤は燃料タンクに発生した水分をガソリンと混ぜ込んで燃やしてしまう役割があるんです。

金属製燃料タンクを使ってる車はたまに入れたほうがいい理由はそこにあります。

それか常に燃料を満タンにしておけば、内部に水滴がたまりにくくなります。

燃料ポンプって部品代でかなり高いし、車種によっては交換が非常に大変だったりするので注意してください。