MHOエンジニアリング

現役猫系自動車整備士YouTuberチームMHOの車ブログ

もうじきデビューのヤリスにも、あの「レースのハーフシートカバー」がオプションである事実!しかもサイドエアバッグ対応で進化済み(笑)

今から何年前のことでしょうか、僕が自動車整備士でも何でもないころガソリンスタンドでアルバイトをしていました。

一緒に働いていた上司と同僚。上司といっても僕より若干年上の社員さんです。その当時僕はアルバイトでした。

その上司が乗っていた車、確かマーク2だったと記憶しています。何気ない日々の中で、同僚がポツリ。

同僚「MHOさん、上司の車のシートカバーって何とかならないですかね?」

MHO「シートカバーなんかついてたっけ?」

同僚「ついてるじゃないですかー。あのカーテンのレースみたいな半分上にかかってるやつ!」

MHO「ああ、そういやついてるね。でもセダンって、ああいうのつけてる人多いよね。」

同僚「あれってめっちゃ、おじいちゃんって感じしませんか?」

MHO「そ、そう?いわれてみればよーく見ると・・・」

同僚「しかも上司ってMHOさんより少ししか年違わないっすよ!」

MHO「・・・・・」

 

レースのハーフシートカバー、ピンと想像できますか?そうです!昭和の頃からありましたよね。昭和から平成初期の頃、セダンの大多数に装着されていたやつです。

 

 これです。

あーーーーー。いわれてみれば付けてる車多かったよねー。って。

最近はめっきり見かけなくなりました。僕が同僚とそんな会話をしていたのはずっと前の話です。その当時の同僚はまだ十代でした。

十代からみれば、ハーフシートカバーっておじいちゃんなイメージなんですね。

改めて、エゴサーチするとハーフシートカバーはダサいというイメージがネットではありました。まあかっこよくはないですよね。なんで上半分なんだ?しかも何故レースなんだろう。さらにはつけていて何か意味があるのだろうか?

今では1万円弱でオールシートカバーも買えます。結構いい素材です。僕も中古車を買って装着しました。シートが汚かったから。

もう絶滅危惧種になったかと思ったハーフシートカバー。何気なく新型車としてデビューが間近のトヨタヤリス。

ヤリスのカタログを見ているとびっくりした。

なんとアクセサリーカタログにちゃんとラインナップされてるじゃないですか!令和になって出てくる超大型新人のヤリスにラインナップされています。

オプションパーツで1台分11000円です。

しかもこのヤリスのハーフシートカバー、サイドエアバッグに対応しているとなっています。微妙に進化しているところが憎めない・・・。

これからヤリスがどんどんと街中を走るんでしょうけど、中にはレースのハーフシートカバーを装着している車体に巡り合うことができるかな?

その時はまた同僚とのやり取りを思い出すんだろうな・・・。

 

 普通にトヨタ車はラインナップしてるのかもしれないですね。スープラにもラインナップしてないだろうな・・・。

デジタルに頼りすぎると自動車整備も大変になることを実感した一日

 車業界でもいろんなものがデジタル化されています。僕がこの業界に入った時、作業指示書は手書き。納品書も手書き。車検証も軽自動車なんか手書きで上書きしていくという時代でした。

これが次第にデジタル化されていきます。車もキャブからインジェクション。そして故障診断期のOBD2が登場。当初故障診断期の差し込みコネクタが各メーカーでバラバラでした。

しかし、現在では外国車であっても同じ台形のコネクタに統一されています。エンジンチェックランプの故障コードも統一化されています。

そして現在はe自賠からOSS。もうちょっと先の時代になると車検証を廃止してICカードが車検証の代わりになるようになる・・・という議論がなされているところです。

お客さんの情報は全て会社のパソコンに入っています。

ここまで現在の状態です。何が起こったか?

パソコンが壊れました。というのも僕が使っていたパソコンのHDDが壊れてしまい、立ち上がらなくなってしまった。お客さんなどのデータは共有データとして他の端末から常にバックアップしています。

僕が使ってるパソコンには僕独自のデータや設定が入っていました。これも定期的に僕は別のUSBにバックアップしておいたので問題はありません。

問題は新しく登場したパソコンです。リースなので、会社的にダメージはありません。

しかし新しく支給されたパソコン、まずOSが違う・・。ウインドウズ10になっていました。

自分のパソコンでいろんな作業ができるようにしていたのでそれらを再設定するのが大変でした。

どんな設定をしたのかというと

・ETCのセットアップができるようにインストール

・e自賠を切れるように設定

・保険会社とやり取りするためのツール(画像転送ソフト)

・各リース会社へ請求するためのソフト

・保安基準適合証を切るための設定

その他もろもろ

これがほぼすべて正常に動かなかったわけです。一番困ったのがe自賠。書損の嵐です。もう何枚失敗したか・・。

保安基準適合証も失敗。こちらも書損。

パソコンの再設定に普段の仕事が終わった後に明け暮れました。やはりアナログ手段もちゃんと持っていないと駄目ですね。

別に自賠責だって手書きすればいいんだし、保適だって昔は手で書いてました。すべてを機械に頼ってしまうと、いざパソコンが壊れたら業務ができなくなるのか?ということになってしまいます。

大変な一日になってしまったけど、アナログの時代もちゃんと思い出さないといけないなと反省した一日でした。

昔は携帯電話すらなかったから、無線を車に積んでいたらしいですよ。僕の頃は携帯電話が最初からありましたけど。

トヨタがついにコネクテッド・シティの建設計画を発表した

トヨタがとうとうコネクテッド・シティなるものの建設計画を発表しました。これは前々から予測されていたことです。

自動車業界が100年に1度の転換期を迎えるといわれてきて、コネクテッドカーをはじめ大きく変わろうとしています。一番危機感を持ってるのが一番大きなメーカーであるトヨタです。

トヨタがコネクテッド・シティを作るということは某サプライヤーの研修で聞いていましたが、ついに来たか。

まず何がどう変わるのか予想できるのが、完全自動運転をするためには従来の町や道路ではダメなんです。町自体が変わらないと駄目。相当AIやカメラなどが高性能になってくれば、完全制御が可能な自動運転を実現できるかも知れません。

しかし限りなく100%に近い安全性をもたした自動運転をするには従来の町や道路ではダメです。

交通事故を無くすには双方向でやり取りができないと難しいです。

例えば交差点で出合い頭、信号がない状態。双方向でコネクトしていれば自動運転が成立します。ですが、カメラとAIだけでは実に不安です。

さらに従来の町では、そこに動物やら子供が飛び出してくるかもしれない。

自動運転を成立させるには車側の技術が進化しても、無事故にはならない。町が変わらないと駄目なのです。

コネクテッド・シティが出来上がれば、道路にEV充電用のコイルを埋め込めます。走りながら充電ができるようになります。そうなれば車は完全EVになります。

バッテリーも充電しながら走れれば、大きなものを積む必要もありません。

EV側バッテリーのブレークスルーがなくても、成立してしまう。

あとはイーパレットと呼ばれる自動運転カーをスマホで呼び寄せて、どこにでも連れて行ってもらえる。車内で仕事をしてもいいし、いろんなことができます。

そういう街を作ろうとしている。トヨタは自動車メーカーでありながら、従来の自動車からの脱皮をしようともがいているわけです。

ただ、今のトヨタって車の楽しさを全面的に追及するメーカーでもあるので、その相反するものをうまく融合させていくのが今後の課題ですね。

自動運転もいい。だけど車の楽しさも残したい。

 

グローブBOXがいっぱいで車検証が出せない人が多すぎる

車屋さんに自分の車を見てもらう時、ここだけは掃除をしておいてほしいなと思うところがあります。

それはグローブBOXの中だったりします。

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その理由は何か?

車検証です。

車が入庫したら、同一性の確認を取る必要があります。車検証と実車がちゃんと同じかどうかというところ。

車検で預けたのであれば、車検証・自賠責保険などを車から取り出さないといけません。車検証が入ってる確率が高いのはグローブボックスの中です。

お客さん自身がわかる位置に出しておいてくれない場合、了承をえて車の中を探さないといけない。

でもグローブBOXの中って、ゴチャゴチャの人が多いのです。

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グローブBOXの中に分厚い車検証ホルダーが入っているわけです。

そこから車検証と自賠責保険を取り出して、元の位置にもどす・・・。

ごちゃごちゃだと戻らないのです。

中には三次元を超えたポケット状態に、所狭しといろいろなものが入ってることも。

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車検証ホルダーの中にも取り扱い説明書やメンテナンスノートが入っていたり、数々の記録簿や任意保険の証書なども入ってることがあります。

車検証を探し出すというのがかなり骨の折れる作業なのは間違いありません。

なので、車屋さんに車を出すときは車検証を素早く確認できるように、助手席の椅子の上などにホルダーを置いておいていただけると最高です!

特に最近はプライバシーやコンプライアンスなどの問題で、うかつに車内を探すことができないですからね。

ちょっとした気遣いで、車屋さんが助かる!よろしくお願いします!

中古で100万円切りが出てきた!86やBRZを買いいじって楽しむのもいいかもしれない!

トヨタの86とスバルのBRZ。デビューしてから8年ほど経過してきました。デビュー当時からトヨタとスバルのコラボということ、さらにはAE86の再来ということで非常に注目を浴びてきたスポーツカーとなりました。

しかし初代の86とBRZは2012年から販売が開始されたので、実に8年目となるわけです。新車当時は300万台からでしたが、中古車情報を見るときましたよ~。ついに100万円をきった個体も出てきました。

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修復歴なしで100万を切る価格で手に入る。

昔のAE86の人気がピークの頃って、100万円出してもまともな車を買えなかったことを思うとかなりお買い得です。

AE86よりもよっぽど進化している現代の現役スポーツカーです。

部品の欠品も当然ありません。

100万円で86を買ったら、まず何を行うか?

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リコール該当車であればエンジンを一度降ろされて、各ガスケット類は交換済みとなっています。オイル漏れなどは心配なさそうです。

なのでエンジンとしてはベルト・プラグ・エアクリーナーなどを交換されてなかったら交換。

あとはミッションやデフのオイル。ブレーキの状態などを確認すれば、ほぼまっさらな状態で乗り出せる。

中古車を買ったら、いつどんな部品を交換してきたかがわからない場合があります。それらをリセットするために、消耗品を一度交換してしまう。

そこから自分の距離を進んでいくというのがお勧めです。

現役のスポーツカーが100万円以下で買えるというのは、なかなか楽しいかもしれませんね。

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少ない予算で車を買えれば、それだけメンテナンスやチューニング代のほうに回せます。中古車は当たり外れがあるのは事実ですが、いい車に巡り合えればその後は楽しいカーライフが待っています。

毎日乗っていて楽しいというのが一番最高。

オークションで落札した車の下廻りがなかなかに錆びていた件

お客さんが欲しい車をストックとして抱えていないと探さないといけません。

近隣の中古車店から業販してもらうこともあるし、ディーラーから業販してもらうこともあります。

それでもないとなれば、オークションで仕入れるということもアリとなります。

オートオークションで落札した場合、返品ができる期間があります。買ってはみたものの、こりゃ売り物にならない!という物件にあたってしまった場合、泣き寝入りをしなくて済むシステムですね。

今回、お客さんから依頼を受けて仕入れた車、外まわりと内装はとてもきれいでした。しかーし下回りを持ち上げてみると・・・

むむむ・・・。

なかなかに錆びているではありませんか・・・。

年式は5年オチです。おそらく車検時に防錆塗装はやってない模様・・・。

シャシ部分が錆びていたとしても、ネジ止めされている部品であれば交換が可能です。

それよりも問題なのはボディに錆て穴が開いている場合。

アームなどはやっぱり錆びています。

この車、お客さんに売るかどうかでそこそこもめました。整備士サイドは返品ができるならしたほうがいいという意見。

営業サイドはある程度下回り塗装を施して販売すればいいんではないか?これ以上の車が出てくる保証もない。

どちらも言ってることはもっともです。

両方の意見を主張していても平行線なので、ちょうど中間な立場にいる僕は、買う予定のオーナーに見てもらって決めてもらおうと提案。

ちょうどお互いの妥協案として受け入れられてオーナーに見てもらいました。

この程度の錆はどう思うか?値段によりけりかなと。5年オチで3万キロ程度。相場より安く買えるのであれば、まあこの位の錆ならアリかなと。

きちっと防錆処理をここから施せば、問題なく使えるレベルではあります。

中古車オークションって、自分たちで車の状況を把握しきれていないのでやはり不安が残ります。

結局オーナーはこの車を買っていきました。本人が納得している、それ以上の決定打はありませんからね。

2020年燃費基準が故に消えていく運命の高性能スポーツカー

いきなりですが2020年の燃費基準知っていますか?リッターあたり20.3kmです。この数値を超えないと駄目だということです。

CAFEという企業平均燃費も採用して、メーカーの車種全体で平均値をクリアできればOKとなっています。

しかし、このリッター20.3kmという数値はなかなかに厳しいハードルです。これをクリアするのは容易ではありません。

高性能なスポーツカーって、当然燃費が厳しいです。

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スポーツカーって燃費よりもいかに速く楽しく走れるかをモットーとしています。コンパクトカーと違って燃費をあまり気にしていられないです。

スポーツカーに求められるものは、速く楽しく走れる車。日産であればGT-Rだし、トヨタスープラが出ました。ホンダにはNSXもあります。スバルにはS4がありますね。

これらの車、燃費いいと思いますか?

CAFEという企業平均燃費を日本も2020年から採用してきます。ここで問題となるのは、トヨタスープラに対してスバルのS4で考えてみます。

トヨタはまず販売台数がスバルのそれとは比較にならないくらい出ています。売れ筋の車はやはり低燃費の車。でも出たばかりのRAV4でも21.4km/l。2020年度燃費基準をクリアしています。

つまりトヨタで売れてる車のほぼ大多数は2020年燃費基準をクリアできている。スープラは当然クリアできません。企業平均燃費のCAFEを採用しているのでスープラがクリアできてなくても問題ありません。

何故ならスープラの販売台数は少なくてたかがしれています。売れてる車の燃費が2020年度燃費基準を上回っていれば、スープラをカバーできるわけです。今度出るヤリスだってものすごい燃費です。

これに対してスバルはどうか?まず売れている台数がトヨタに比べて少ないです。スバルで一番売れているのがXVです。XVにはハイブリッドがあって、こちらはリッター20.4kmを達成しています。ギリギリセーフ。ですが、ハイブリッド以外のモデルについては、2020年度燃費基準をクリアできていません。

スバルの登録車ってほぼ同じ水平対向エンジンを搭載しているので、8割くらいは2020年燃費基準をクリアできていない。

そしてS4。この車の燃費をカバーできるかというと、今のスバル車のラインナップでは無理だなと。こういういいスポーツカーを残したいのであれば、もっと燃費の良い車をバンバンと売らないと駄目なのです。

そう考えると、今後は消えていくスポーツカーってかなり増えてくるでしょう。なんとか2020年規制をクリアできてもその先はどうか?

もはやHVやPHV、EV化していかないと純粋なガソリン車で達成できるかというとかなり難しくなってきます。

故に、高性能なスポーツカーを買うのであればそろそろリミットが近づいてきていますよ。ということです。日産のGT-Rだって、今後存続できるかというと厳しい状況かなと。