MHOエンジニアリング

現役猫系自動車整備士YouTuberチームMHOの車ブログ

この先整備業界で問題になるのはエーミング作業

もはやうかつにバンパーをポンっと交換する時代は終わりを告げました・・。

今の車にはいろんな部位にありとあらゆるセンサが内蔵されているのをご存知でしょうか?

フロントバンパーを見てみると、レーザーやらレーダーやら自動ブレーキ必須アイテムが取りついています。

これらの部品は全て綿密に調整をされています。例えば某車種などは、シンボルとなるマークの奥にセンサが入っています。

つまりバンパーを脱着すると、センサの位置がずれてしまう。これが今目下整備業界で頭を抱える問題です。フロントガラスにカメラを備え付けてる車も同じです。

ガラスにひびが入って交換する時はエーミングと呼ばれる調整作業が必要になるのです。

今整備業界では特定整備という言葉が飛び交っています。従来の指定整備とは違い、さらに将来を見据えた整備作業において、特定整備というものを国交省が設定してきています。

特定整備というのはOBDを使った車検から始まり、CASEの時代に対応する整備内容になっていきます。ここで問題になるのはセンサが入ってるバンパーの交換作業。これを特定整備とするのかどうか?

もし、特定整備の工場として設備が整ってなく認証をもらえないと、バンパーの脱着すらできなくなってしまうわけです。

例えばエンジンを載せ替える時って、ほとんどフロントバンパーは外しにかかることが多いです。

横置きエンジンなんか絶対外すほうがやりやすい。エンジン脱着はできるだけの技術を持っていてもバンパーが脱着できない・・・。

理由はその先にエーミングという作業をしないといけない。今は経過措置となっており、バンパーを脱着してエーミング作業を外注したとしても問題はありません。

実際にうちの整備工場もエーミングができません。一度スバルアイサイトのエーミング作業を体験したことがありますが、機材をそろえないとできないわけです。

ターゲットを買ったり専用診断機を買ったり。そしてなんといっても広くて風が吹かない屋内作業場がないと実際的にエーミング作業は難しかった。

現在はガラス交換などをガラス屋さんにやってもらったら、そのあとはエーミングを外注工場に依頼しています。これがバンパーなどにも当てはまってくるということですね。

少しでもセンサにずれがあるときちんと作動しない。バンパー脱着後はちゃんと調整をしないといけません。

今後特定整備の内容にエーミングができないとダメだとなると、相当整備業界は混乱するものと想像できます。エーミングもOBDのように全社共通化してくれれば機材だってそろえる町工場もでるかもしれません。

ですが現状だと自動ブレーキなどは各社部品もエーミングもバラバラです。すべて揃えろというのは現実的に無理があったりします。

これからはエーミング屋さんというのが流行るかもしれないです。