MHOエンジニアリング

現役猫系自動車整備士YouTuberチームMHOの車ブログ

ネットのない時代、中古車情報の雑誌を眺めるのが楽しかった

まだ車を持っていなかった時代の話です。当時マイカーを探す手段と言えば、店頭での展示車。あとは中古車情報誌くらいでした。

僕が免許を取った頃って、インターネットはまだまだ発展してなかった。ヤフオクすらなしで、みんなISDNテレホーダイなんかを使って、遅い回線でチャットを楽しむくらい。

GOOの中古車情報誌なんか辞書みたいに分厚いんです。それを1ページ1ページめくって探していく。宝探しみたいな感覚です。

ちゃんと車種別の索引がついてるんですよ?でもそれを最初に見ちゃうと結果が一瞬にしてわかってしまうじゃないですか?そうではなくて、分厚い中古車雑誌の中から自分が欲しい車を探していくのです。

自分の手持ちのお金じゃ買えないこともわかっています。でもワクワクしながら探す。

うおー高年式のFD3Sあったー!しかも安ーい!ってな具合でした。

ネットで中古車が検索できるようになった今、お宝探し的な感覚は薄れてきました。逆に今まで埋もれていたお宝も一発で検索できるようになったという利点もありますね。

中古車情報誌に乗っていない、ちょっと怪しげなお店の店頭に掲げられていた中古車なんかも魅力的でしたね。FC3Sが近所に38万円くらいで売っていて、これなら買えるなって。結果素性もわからないから買わなくて大正解だったんですけどね。

後に8万円でFC3Sと巡り合えたわけですし。

昔の中古車探しって、一番はやっぱり店頭に置いてある中古車ですね。うちの兄のように掘り出し物のマーチターボを格安でゲットできる場合もありましたね。

あれは営業マンが下取りを再販かける前にゲットできたところが大きかったかな。

もし今自分が欲しい中古車があったとしたら、どうやって買うかな?まずは条件をある程度しぼって中古車サイトをじーっと眺めたり、ネットオークションを見たりするんでしょうか。

いい掘り出し物をなるべく安く買うところに中古車の面白みがあります。古き良き時代平成初期でした。

車のバージョンアップの考え方とテスラの考え方の違い

今物議を醸しだしているテスラの対応。

テスラという自動車メーカーは自動的に車のバージョンをバージョンアップすることができる唯一のメーカーでもあります。

例えば国産車で制御系統に何かしらの不具合が出た場合、ECUを対策制御へバージョンアップする時ってどうするか?これはディーラーに行ってディーラー診断機を使ってOBD2のカプラーからバージョンアップをします。

昔リコールでサービスキャンペーンが出たとき、特例としてECUバージョンアップロムをダイハツから供給されました。

基本的にOBDコネクタを使って物理的に接続し、ECUを上書きする。

これをテスラは自動で行ってしまう。さすがIT企業のテスラ。

ここからが本題。

例えば国産車でリコール作業をした、もしくはナビゲーションなどがついていた場合。ナビの地図データを前のオーナーが更新していれば、そのままのデータを引き継げます。これは考えれば当たり前のことですね。

しかしテスラは違う!彼らはその時お金を払ったオーナーにしか、バージョンアップの権利を与えないのです。

でもデータのダウングレードなんてどうやって・・・。あっ・・。

そうです。テスラって、基本的に国産車でいうところのコネクテッドカー。つまり車はネットとつながってるわけです。自動運転プログラムなどもどんどん改良バージョンにすることができる。

そしてディーラーの数なんて、日本だとどのくらいですか?テスラのお店見たことがありませんよね。お店の近くの人しか不便で使えないかというとそうでもないわけです。

ソフトウェア部分に関しては、コネクテッドカーの強みを生かしてどこでもアップデートできるという利点がある。

この利点を逆に生かすことができてしまう。

つまりテスラを転売したときに、全オーナーがECUのバージョンを有料でアップデートしたとします。それを次のオーナーに引き継がせないということ。

つまり勝手にダウンデートされてしまうという。ある意味すごいですよね。このデータはあなたが購入したわけではありませんということで、ノーマルバージョンに遠隔で戻されちゃう。

新しいオーナーもちゃんとお金を払ってくださいねーというのが現在のテスラの対応です。

ここら辺も従来の自動車メーカーとは一線を画す考え方ですよね。

 

ホンダのアクティトラック もうじき生産終了へ

ホンダの軽トラック、アクティの生産終了が近づいてきています。2021年6月をもって生産終了が決まっています。

ホンダのアクティと言えば、純スバルのサンバーと並んで凝ったレイアウトを採用している軽トラックです。

スバルのサンバー(TT型)はエンジンをRRに搭載し4輪独立懸架のサスペンションをおごるなど、畑のクラウンと揶揄されたこともあるほどの乗り味でした。

ホンダのアクティはエンジンをMRに搭載したモデルです。リヤサスペンションこそリーフスプリングを利用したリジッドタイプですが、サンバーに近いものを感じます。

他の軽トラックメーカーというとスズキとダイハツですが、この2社は座席の下にエンジンを搭載しています。エンジンを縦置きにしているわけです。

アクティの生産が中止になる最大の理由は販売不振です。スズキやダイハツはOEMを含めると軽トラックのシェアを伸ばしています。今後はこの2メーカーしか選択肢がなくなってしまう。

確かにアクティは基本の設計が古くて、スズキやダイハツの新型キャリィやハイゼットに比べると劣ってる面もあります。自動ブレーキの有無やエンジンの基本設計などですね。

アクティは年式によってはタイヤのプライ数も8PRを採用していたり独特でした。アクティのファイナルモデルにはレーシーなカラーリングのものもあります。

あのカラーリングはなかなかかっこいいですよ。今買っておけば、スバルのサンバーみたいに希少価値が出る可能性も高いですから。

それにしても寂しいものですね。

これから先仕事で軽トラックを買おうと思ったら、基本スズキとダイハツから選択しないといけないわけです。

しかし、僕の一押しは三菱のミニキャブミーブです。電気自動車です。軽トラックってそんなに距離を乗らない人が多いです。自宅で充電して乗りっぱなし。

結構メンテナンスにずぼらな人が多いので、電気自動車ならお勧めです。エンジンがないから足回りとブレーキなどを点検しておけばさほど問題ありませんから。

アクティ、買うなら今のうちです。

新車の点検を進めるとかなりの確率でやってくれるが、古い車は何故か点検しない傾向が高い

気持ちはわかります。お客さんが新車を購入してくれて、乗用車であれば新車1ヶ月点検と新車6ヶ月点検。こちらは基本作業代は無料となっています。つかった部品だけ請求になるのが一般的。

お店によってはオイル交換もサービスで1回交換してくれるというところもありますよね。

これが1年たつと12か月の法定点検がやってくる。法定点検と言っても、やらないでも車検と違って車が乗れなくなるわけではないので、やらない人も増えてきます。

ただちゃんと法で定められた点検が法定12か月点検です。

不思議なことに、新車から法定12か月点検の時期に来ると大半の人はやってくれます。ここから作業代金として基本整備代が計上されてきます。大体1万円弱程度ですね。

それでも車が新しくて愛おしいんでしょう。有料でもやってくれるのです。

では、10年経過した車だとどうか?

12か月点検をお勧めする電話コールをすると決まって言われるセリフ

「もう古くなってきたから点検なんかいいや。車検だけで。」

このセリフ言い回しは変わってくるけど、10件電話すると実に5件くらいはお断りの常套文句として使われます。

でもよーく考えるとおかしいんですよね。車も機械もなんでもそうですけど古くなってくると故障が増える。毎日乗ってれば部品もそれぞれ摩耗したり劣化する。年月が経ってくるとゴム部品も固くなってくる。

新車からの12か月点検に比べて10年経過した車の12か月点検は、かなりの確率で交換が必要な部品が出てきます。

車をノートラブルで使いたい人はちゃんと12か月点検をうけるべきだよなって。うちの奥さんなんかも仕事でマイカーを使っていて、年間走行距離が15000kmを超えてきます。

1年で15000kmを超えた走行をすると、車検から車検までの間に何かしらの不具合が出る可能性があります。例えばベルトが切れるとかブレーキが終わるとか。

もしかしたらブッシュがもげて、走行中ガツガツとした異音が出る可能性もあります。

仕事で使ってる人で10年経過した車などは、絶対に12か月点検を受けたほうがいい。

新しい車は愛おしい。古くなってきたらどうでもいいじゃなくて、古くなってきたら愛着がわいてきた!となることを願っています。

12か月点検である程度の部品を交換しておけば、車検の時は逆に安くて済みますから。車検と違って重量税や自賠責保険代を払わなくてもいいので、費用も安く済みます。

そのくせ車検並みに車を点検してもらえるので、法定12か月点検はお勧めな点検なのです。

オイル缶が4Lと3Lなのに対し、車に使われてる量がそれ以上のあいまいさ

昔からちょっとなぁ・・。と思ってたこと。

それは車に充填されているエンジンオイルの量。エンジンオイルって、1L、たまに2L、3L、4L、たまに5L、20Lこんな感じで売られています。

一番メジャーなのが3L缶と4L缶ですね。軽自動車向けには3L缶が設定されてます。

しかし、このオイル缶以上にオイルを使う車って困りませんか?

例えばうちが昔乗っていたステップワゴン。オイルとフィルターを同時に交換するとK20Aの場合4,2リットル必要でした。

でもオイル缶は4リットルでしょう?うーんと悩んでしまいます。1リットル缶として独立で売ってる銘柄ならまだいいかなと。

でも4L缶でしか売られてないオイルってあるじゃないですか?

そういう場合すごく困ります。

僕はエンジンオイルはいろんな銘柄を試したい人間なので、4リットル缶を2つ買いこむのも考えてしまいます。だって、次回交換時に異なるオイルを混ぜることになるわけですから。

自分がとてもお気に入りのオイルがあればいいですよね。若干多めに買って、きちんと日陰に貯蔵しておけば劣化しませんから。

でも僕みたいなタイプの場合困ります(笑)いろんなオイルを使ってみたいけど、オイル量以上のパッケージで売っていない・・・。

トヨタのミニバンに搭載されてるエンジンも4,2リットルとかでした。水平対向エンジンはオイルの量が多くて軽く4リットルを超えてきます。

そう!何が言いたいのかというと、4リットル缶という設定もいいんですが、もうちょっと5リットル缶という選択肢があったほうがいいじゃないかっていうことです。

軽自動車用に3リットル缶を設定しました!なんてスズキやダイハツが販売していますけど、アトレーとかハイゼットってオイルフィルター同時交換で3,4リットルのモデルも年式によってはありますから。

オイルの量、足りてませんからって。

こういうのを狙ってオイルキープなどをオートバックスが展開しているわけですね。ディーラーのオイル会員もそうですけど。

微妙な量が足りないけど量り売りしてくれるから問題なしってパターン。確かに20リットルをみんなでシェアすればいいだけですから。

DIY派には悩みの種となってしまいます。

そこでお勧めなのが、この0.2リットルとかの微妙な量は添加剤を入れて帳尻を合わせてしまえ!というパターンです。

最近僕は添加剤にはまっていて、このパターンを使っています。

添加剤って200ccとかその辺のものが多いから。ちょうどいいんですよね。参考までに。

理想的な車検整備の進め方

車検整備や定期点検で預かってると、どのように作業をすすめるか?おそらくほとんどのお店が同じ手法をとっていると思います。

まず車両を預かる時にご用命などを聞いておく。受け入れ検査をして、現状を把握。予防整備を含めて整備作業を提案。

整備コースは大体3パターン用意します。松竹梅ではありませんけど。しっかりコース。通常コース。最低限コース。

この中からお客さんにどの整備を希望なのかお話を進めます。こまるのが、連絡がつかない人で時間が取れない場合。さらに代車も出してるパターン。もっと困るのがその代車のスケジュールがすでに翌日以降で決まってる状態。

僕も会社員として組織の中で働くイチ整備士です。なので、あまり時間をかけることも許されません。

理想的な車検整備の進め方っていうのは、双方が納得したうえで作業を進めるという当たり前の事。その為には連絡を密にとる必要があります。

でも連絡がつかない人もいる。これが困るパターンです。そのお客さんのことを知っていれば、過去の車歴からどんな整備を提供すればいいかある程度分かります。

しかし、新規車両の場合などはやはり時間をかけないとトラブルにもつながりかねません。

新規車両の場合、車を預かる時点で追加整備をどこまで希望なのかを聞いておく。その後連絡が途絶えても作業がある程度はすすめられるようにしておかないと駄目ですから。

お客様満足度が高い工場って、一つ一つの作業フローがとても丁寧な工場だと思います。お金が高いとかそういうことでトラブルになることはすくない。

どちらかというと、そのお店だから整備をしてほしい!と、技術を買ってもらえるようにならないと駄目だということですね。

名医には予約が必要で、その人だから執刀してもらいたい。車屋さんもそんな整備士を育成していければ、お客さんとの関係も良好になると思います。

ただの車検工場で終わってしまうと、お客さんは技術を求めるというより時間とお金を重視してくることが多いです。

じっくり時間をかけて整備している側も満足して、双方がウィンウィンの関係で終わることができれば最高です。

今話題になっているトレーラーのタイヤ脱落事故のドライブレコーダー映像について

先週ニュースで流れてきた、衝撃的な映像。走行中の大型トレーラーからタイヤが2本脱落して、対向車に衝突するというドライブレコーダーの動画です。

いろんなニュースサイトで取り上げていたので、目にした方も多いと思います。

こんなことが自分の身に起きたらどうするか?これはどうしようもできないですよね。ドライバーさんは大変な恐怖を感じことと思います。


大型トレーラーの車輪が... 恐怖の瞬間 車体剥がれるほど

この道、僕が住んでいる長野県で一度か二度通ったことがあります。道幅狭いです。映像を見るとトレーラーの運転席側のタイヤは全て取りついているので、見えない助手席側のタイヤが飛んできたということですね。

あわや大事故につながりかねませんよね。もしトレーラーの右側タイヤが外れていたら、対向車側にハンドルを切られる力が働いて正面衝突していたということだってあり得ます。

さらには対向車側、下が川ですから。ガードレールを突き破ったら転落してしまいます。

この手のタイヤ脱落事故、毎年のように起こります。その都度陸運局からお達しが出て、今一度ホイールナット締め付けを確認せよ!と、お役所的に通知が出るだけ。

どうしてこんなことが起きたのか?

考えられる原因はたくさんあります。

1、ホイールナット締め付けトルクの不良

2、ホイールやホイールナットの不備

3、運行前点検を実施していなかった?

4、外的要因や経年劣化(ハブボルトがもともと劣化してきていた!?)

大雑把に分けて3つです。整備不良か、外的要因か、日常点検の不備か。

このような事故が起こったら真っ先に整備不良を疑いたくなる人が多いと思います。おそらくこの車、今シーズンの冬にスタッドレスタイヤに履き替え作業をしているのではないかなと。

その時にタイヤを脱着しているわけですが、タイヤを交換した整備士が規定トルクで締めていなかった?これ、僕は考えにくいと思います。

このサイズのトレーラーのタイヤ交換って、ある程度の設備を持ってる会社じゃないとできません。そんな会社がこれだけ騒がれてる大型トラックのタイヤを軽視するはずがないということ。

そもそもホイールナットって、タイヤ交換をする際規定トルクで締め付けたとしても走行すれば馴染んで緩むことがあります。

なので、走行後100kmくらいしたら増し締めをするのが本来のやり方。だけどタイヤ交換をした人が100km走った後にもう一度お店に来て増し締めをするか?というとしないです。

つまり、作業時に規定トルクできちんと締め付けられていたとすると、整備不良とは言えない。そこから先は日常点検、つまり使用者側にも責任が出てきてしまいます。

とあるディーラーでは、タイヤ交換をした後に最後トルクレンチでの締め付け作業をお客さんの前で行うお店もあります。ちゃんとしまってますよ!というアピールで、その後のナットのゆるみは自分で管理してくださいということです。

当然100km走行後に来店されたときは無料でナットの締まりをチェックしてくれますけどね。

タイヤ交換をした後に後日増し締めのために来店してくれれば整備側の責任と断定していいと思いますけど、そうでもない場合はちょっと真相がわかりえません。

考えにくいことですが、いたずらされる可能性だって0ではありません。

車の使用者は運転する前に運行前点検をしないといけないとなっています。もし自分で運行前点検が難しくてできないということであれば、タイヤ交換後のホイールナットは再びお店で確認してもらいましょう。

こういう事故ってこの問題を解決しないとなくなりません。大型トラックのホイールナットって数年前に形状が変わったんです。

多分このトレーラーも見たところH社?の比較的新しいトレーラーキャビンなので、新規格のナットになってると思う。

今回の事故で、トラックメーカー大丈夫かよーとか、整備したやつ誰だよー?って意見が飛び交っています。

もし整備した工場の作業に問題がなければ責任の所在が難しくなりますよね。おそらく国交省の監査は整備工場に入るでしょうけど。

常々思ってきたことですけど、今後は大型トラックのタイヤ交換をした時は工場側も作業過程の動画を保存しなきゃいけなくなるんじゃないかなって。その時にちゃんと規定トルクで締めてます!って証拠動画を提出できれば、工場側の責任を追及できなくなりますからね。

運転しているドライバーさんも相当驚いたでしょうけど、事業用貨物などを運転するということはそれなりの責任が伴ってきます。運送会社さんもちゃんと日常点検や運行前点検を管理しないとよくないと思います。