MHOエンジニアリング

現役自動車整備士YouTuberチームMHOの車ブログ

今話題になっているトレーラーのタイヤ脱落事故のドライブレコーダー映像について

先週ニュースで流れてきた、衝撃的な映像。走行中の大型トレーラーからタイヤが2本脱落して、対向車に衝突するというドライブレコーダーの動画です。

いろんなニュースサイトで取り上げていたので、目にした方も多いと思います。

こんなことが自分の身に起きたらどうするか?これはどうしようもできないですよね。ドライバーさんは大変な恐怖を感じことと思います。


大型トレーラーの車輪が... 恐怖の瞬間 車体剥がれるほど

この道、僕が住んでいる長野県で一度か二度通ったことがあります。道幅狭いです。映像を見るとトレーラーの運転席側のタイヤは全て取りついているので、見えない助手席側のタイヤが飛んできたということですね。

あわや大事故につながりかねませんよね。もしトレーラーの右側タイヤが外れていたら、対向車側にハンドルを切られる力が働いて正面衝突していたということだってあり得ます。

さらには対向車側、下が川ですから。ガードレールを突き破ったら転落してしまいます。

この手のタイヤ脱落事故、毎年のように起こります。その都度陸運局からお達しが出て、今一度ホイールナット締め付けを確認せよ!と、お役所的に通知が出るだけ。

どうしてこんなことが起きたのか?

考えられる原因はたくさんあります。

1、ホイールナット締め付けトルクの不良

2、ホイールやホイールナットの不備

3、運行前点検を実施していなかった?

4、外的要因や経年劣化(ハブボルトがもともと劣化してきていた!?)

大雑把に分けて3つです。整備不良か、外的要因か、日常点検の不備か。

このような事故が起こったら真っ先に整備不良を疑いたくなる人が多いと思います。おそらくこの車、今シーズンの冬にスタッドレスタイヤに履き替え作業をしているのではないかなと。

その時にタイヤを脱着しているわけですが、タイヤを交換した整備士が規定トルクで締めていなかった?これ、僕は考えにくいと思います。

このサイズのトレーラーのタイヤ交換って、ある程度の設備を持ってる会社じゃないとできません。そんな会社がこれだけ騒がれてる大型トラックのタイヤを軽視するはずがないということ。

そもそもホイールナットって、タイヤ交換をする際規定トルクで締め付けたとしても走行すれば馴染んで緩むことがあります。

なので、走行後100kmくらいしたら増し締めをするのが本来のやり方。だけどタイヤ交換をした人が100km走った後にもう一度お店に来て増し締めをするか?というとしないです。

つまり、作業時に規定トルクできちんと締め付けられていたとすると、整備不良とは言えない。そこから先は日常点検、つまり使用者側にも責任が出てきてしまいます。

とあるディーラーでは、タイヤ交換をした後に最後トルクレンチでの締め付け作業をお客さんの前で行うお店もあります。ちゃんとしまってますよ!というアピールで、その後のナットのゆるみは自分で管理してくださいということです。

当然100km走行後に来店されたときは無料でナットの締まりをチェックしてくれますけどね。

タイヤ交換をした後に後日増し締めのために来店してくれれば整備側の責任と断定していいと思いますけど、そうでもない場合はちょっと真相がわかりえません。

考えにくいことですが、いたずらされる可能性だって0ではありません。

車の使用者は運転する前に運行前点検をしないといけないとなっています。もし自分で運行前点検が難しくてできないということであれば、タイヤ交換後のホイールナットは再びお店で確認してもらいましょう。

こういう事故ってこの問題を解決しないとなくなりません。大型トラックのホイールナットって数年前に形状が変わったんです。

多分このトレーラーも見たところH社?の比較的新しいトレーラーキャビンなので、新規格のナットになってると思う。

今回の事故で、トラックメーカー大丈夫かよーとか、整備したやつ誰だよー?って意見が飛び交っています。

もし整備した工場の作業に問題がなければ責任の所在が難しくなりますよね。おそらく国交省の監査は整備工場に入るでしょうけど。

常々思ってきたことですけど、今後は大型トラックのタイヤ交換をした時は工場側も作業過程の動画を保存しなきゃいけなくなるんじゃないかなって。その時にちゃんと規定トルクで締めてます!って証拠動画を提出できれば、工場側の責任を追及できなくなりますからね。

運転しているドライバーさんも相当驚いたでしょうけど、事業用貨物などを運転するということはそれなりの責任が伴ってきます。運送会社さんもちゃんと日常点検や運行前点検を管理しないとよくないと思います。