自動車業界の暗黙の了解なんですけど、他店のお客さんは取り扱いに注意するというものがあります。
例えば、どこかのお店で車検をやった車両があるとします。その後変な音がして見てほしいと相談を受けた場合。
まずは整備した会社に見てもらったほうがいいと答えます。
なぜならば、もしその異音や不具合が整備ミスで出ているものであれば、保証で直してもらえますよね?
違う工場で整備したミスを、当社でリカバリーしたら、お金をもらわないといけません。
この前は新車を違うお店で買った、元お客さんが予約なしの飛び込みで来たんです。
話を聞いたら変な音がするから今すぐ見てほしいの一点張り。
車検証データを見せてもらったら、新車登録してまもない車です。
何かあったら保証で治せるわけです。
それでも買ったお店まで行くのが不安だからすぐ見てほしいと言われたので、リフトアップして確認しました。
そうしたら、特に問題のある箇所はなかったんです。
何で異音がしていたのかっていうと、多分雪やら石やらが回転部分に挟まっていたんじゃないのかなと。
それが走行しているうちに取れて正常に戻ったのではないかと。
今整備業界って、かなり囲い込みが強くなってきています。
この前はディーラーに点検を依頼したら断られてしまいました。2〜3月は忙しいからもう予約は受けられないと。
なぜそうなっているのかというと、人材が減っているからだと思います。
限りある人員で、自社のお客さんを重点に修理しないといけないため、他工場からの修理は受ける余裕がないということですね。
うちの会社もどんどんと整備士が辞めていって、慢性的な人手不足になっています。
そのため、事細かく予約で管理して、一日の仕事を割り振っています。飛び込みで来られても、実際問題対応が厳しい場合がほとんどになってしまっています。
車の修理を依頼するのは、とりあえず買ったお店にお願いしてもらう。
今、まさにそんな時代になってきています。