レクサス高輪で、不正車検が行われていたと報道がありました。
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— チームMHO 自動車整備士YouTuber (@teammho) 2021年7月22日
トヨタのHPでも公表している通りです。
対象台数は565台。
・ヘッドライト検査
・サイドスリップ検査
・サイドブレーキ検査
この3項目は、検査適合数値に書き換えをした。
・排気ガステスト
・スピードメーターテスト
この2項目は検査を実施しなかったとトヨタHPに記載されています。
去年はネッツ系ディーラーで不正車検も起きたことがあります。
あちらの方が台数規模は大きかったですが、またしてもトヨタ系ディーラーでの不正です。
あくまで想像論ですけど、トヨタディーラーと、今回のレクサスディーラーでは状況が違うと思います。
レクサスの顧客はある程度の富裕層をターゲットとしています。顧客層が違う。
どちらかというと、ネッツ系ディーラーでの不正は完全にキャパオーバー。今回のレクサスディーラーではまた違った要素を含んでいるんではないかなと。
今回のレクサスディーラーでは車検担当者が5人。
レクサスでは2時間を車検整備の目安としていたようです。
僕もレクサスの整備をしたことがありますが、トヨタの大衆車と大きく作りが違います。
レクサスの殆どはエンジンがV型などを搭載して、つくりも複雑。
さらに足回りのアームはアルミを多用しています。普通の金属アームだったら、ブーツの交換などをするとき、ハンマーで当てハンをしてジョイントを抜くことは可能です。
でもアルミになると、下手な衝撃はアームを折損する。
同じ整備でも難易度が変わってくる。
これを2時間で上げないといけないというところが厳しかった。
ネッツの不正車検にも通じるところですけど、そもそも車検って何?ってそこから考え直した方がいいと思います。
今の車検システムで整備する内容や検査する内容って、古くなりすぎてきている。ハイブリッドカーに排気ガス検査をしたって基準を下回る事なんかほとんどないですから。
整備士が慢性的に人員不足になってきて、車検整備の内容が複雑化。
一定以上の設備がないと車検出来ない車両が増えてきたため、ディーラーにかかる負荷は大きくなってきていると思います。
でも僕らのちょっと上の先輩世代って、リコールがめちゃくちゃ多かった時代に、働き方改革なんかまったくなし。残業上等でディーラーは深夜の2時、3時まで整備をしていました。
今はヘッドライトだってLEDになってるし、下手な調整はできない。排気ガスが基準を超えたらキャブみたいな調整はできません。
どれか一つの検査でも落ちてしまうとリカバリーするのが、今の車の方が困難になってきています。
もちろん不正をした店舗や整備士はやってはいけないことをしてしまったのは事実ですが、車検整備自体をそろそろ見直す時が来ているんじゃないかなって。みんなで考え直してほしいですよね。特定整備云々もそうですけど。