MHOエンジニアリング

現役猫系自動車整備士YouTuberチームMHOの車ブログ

ボートトレーラーの車検について

過去に1度だけ遭遇したことがあります。ボートトレーラーの車検です。

 

何それ?って思いますよね?僕も最初そう思いました。

 

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これです。

 

車に牽引フックを付けて、このトレーラーを引っ張るんです。

 

上に乗せるのがボートです。

 

小さなボートを牽引する車体。これも車検があったようです。

僕が昔勤めていた会社で一度だけ遭遇しました。

 

もちろんエンジンは付いてないんですが、配線などをちゃんとつなぐとウインカーやブレーキランプなどは点灯するんです。

 

あとブレーキの制動力テストなどやってましたね。

 

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結構シンプルな構造です。

 

ブレーキはワイヤー式のものを備えています。このトレーラーは人力でも空荷であれば動かすことができます。

 

その際に手動でサイドブレーキを掛けられるようになっている。

 

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しかし、このオーナーは船を出す時に、おそらくトレーラーごと沈めてたんだと思います。

ブレーキが錆び錆で全くきいてませんでした。

 

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ブレーキシューやスプリング、ワイヤーなどすべて総とっかえ。

 

もちろんハブのベアリングも交換です。

 

トゥクトゥクの車検に遭遇したこともあります。タイの3輪バイクみたいのです。

 

あれはダイハツのEFエンジンが積んでありました。

 

いろんな乗り物に遭遇できるという面では整備士は楽しい職業です。

 


バモス、アクティのバッテリーはまさかの場所!?バッテリー上がりに注意! #Shorts

ドアが開いたまま保持できない場合、ドアストッパーの交換を!

車のドアって、開けた状態である程度保持しています。

 

板金担当の人に聞いたのは、ドアを開けた状態で思い切りオーバーラン(開ける方向へ強い力を加える事)させてしまうのはヤバい。

 

ドアの建付け部である骨格にもダメージが入るので、単純にドア交換だけでは修理がきかなくなると言っていました。

 

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ドアを開けているのに自然にしまってしまう。保持できない場合、ドアストッパーが壊れている可能性があります。

ドアストッパーとは、ヒンジの間にある部品です。

 

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見える部品ですが、交換するにはドアの内側から交換をしないといけません。

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ドアストッパーはドアの内側から取り付けられているため、ドアの内張をはがします。

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ストッパー自体はネジで固定されているだけです。

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ドアストッパーが駄目になると、ドアを保持できなくなる。

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こちらが壊れたドアストッパーです。もう見た感じからヨレヨレなのが伝わってきます。

部品は2000円しないで買えますが、交換は手間なのでもちろん工賃が発生します。

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ドアを保持できなくなったらストッパーを疑ってください。

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車のフレーム内部はどの程度錆びているのか?11万キロ走った車のフレーム内を内視鏡で撮ってみた

エンジンが不調だったセドリックの原因はECUのパンク!その原因は何故か?

セドリックです。エンジンが不調。

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この車はV型エンジンを搭載しています。

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症状を確認してみると、V型エンジン一部が機能していないような状態でした。

V6の2000ccのはずが、5気筒のような状態です。

6気筒エンジンの1気筒が失火していると、直4エンジンなどに比べるとわかりにくいです。

6気筒って非常にスムーズなエンジンですが、気が付かない人は気が付けないかもしれない。

原因を探っていくと、ここにありました。

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ECUです。

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内部を見てみると、基盤が焼けているのがわかります。

写真中央の白い斑点がついてる部分。これはインジェクタを駆動している回路だと思われます。

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これにより、インジェクタが駆動できない状況にあった為、エンジンが不調になっていました。

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どうしてこのようなことが起きたのかを点検してくと原因が判明しました。

原因はこちら。

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インジェクタのカプラが壊れていて、ここからショートを起こしていたようです。

インジェクタのカプラが原因でECUまでパンクするということですね。

この年代の車になると、配線のカプラって非常に割れやすくなっています。プラスチックが硬化しているからです。

鮮度の高い新車なら、プラスチックと言えどもしなります。そのしなりを利用してカプラのロックを解除できます。

しかし、経年劣化を起こしている古い車になると、しならないですぐにパッキンと割れてしまう。

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カプラも消耗品であるという例ですね。

整備する時は慎重に!


180SX復活計画!ミッション・9年間たまった汚れを落とせ!洗車してみた結果ボディの状態は?

タイロッドがブーメランのように曲がった車の乗り味とは?

軽トラックに乗っているお客さんが、ハンドルがなんか変だから見てくれという事で車を持ってきました。

 

もう見た目からヤバさが全開です。泥まみれで非常にハードな使い方をしていることが

プンプンと醸し出されていた。

 

テスト走行をしてみると、こんなヤバいのはなかなか想像できない!というような乗り味でした。直進状態にもかかわらずハンドルが勝手に動いてまっすぐ走らないし振動もすごく伝わってくる。

 

リフトアップするとこの状態。

 

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フロント左

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こちらはフロント右

 

フロント右は正常だけどフロント左が凄いです。タイロッドがまさかのブーメラン状態になっています。

どうやったらこんな曲がり方をするんだろうなと。

 

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ロアアームも曲がっていました。

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新品のタイロッドと比べてみると曲がり方が凄いのがよくわかります。

 

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多分ここまで曲がるにはそれなりの衝撃を与えないと曲がらないはず。

でも、このオーナーは覚えていないという所がさらにヤバい。

 

おじいちゃんなんですけど。

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はっきりいうと、免許を返納したほうがいいよねっていうレベルです。

なので、おじいちゃんだけではなく、息子さんなどにも修理の承諾を取ってもらいました。

本人が直してくれって言ったとしても、その後の責任問題として息子世代に影響が出ることは想像できます。

田舎では車がないと病院にも行けない。買い物にも行けないという人が多いです。

しかし、何か起きてからじゃ遅いですからね。

 

結局この車を修理した半年後におじいちゃんは運転ができない状態になり、老人ホームへ入所しました。

 

車がないと生活ができない。修理するとそれなりのリスクもある。

ジレンマですね。

 


新車から56000km走行したロードスター!ハイオクを入れ続けてきたのにエンジン内部がまさかの状態に・・

MHOちゃんねるも毎日更新してるので見てください。

エアコンのユニットを切り取らないとブロアモーターが交換できなかったムーヴ

とある年式のムーヴです。ヒーターが効かなくなったということで入庫してきました。

 

症状を確認すると、ブロアモーターが壊れていたので、交換しようと部品を取り寄せたらびっくりした話。

 

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ムーヴのブロアモーター交換です!が・・・

 

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ブロアモーターを交換しようとユニットを見てみたら、なんと一体型タイプ。

 

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ブロアモーターを交換するには、まさかのヒーターユニットを加工しないと駄目。

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こちらが新品のブロアモーター。要加工取付必要です。

 

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カッターを使ってユニットをズバズバと切り取っていきます。

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そしてこの状態になったらようやく新品のモーターを設置することができる。

 

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いや、まさかこんなのってなかなか考えられない。

リコールとかならわかりますけどね。

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新品を装着したらビスで止める。

 

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さらハーネスも加工品を取り付けます。

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これで完了です。

以後の交換は簡単ですけど、最初だけまさかのユニットを加工しないとブロアモーターが交換できないムーブでした。

 


初代ヴォクシーのエンジン載せ替え! #Shorts



 

足廻りがすっぽり覆われるほど草が生えているところを走行する時は要注意!

この手のトラブルはたまにあります。

草むらを走った後、車から煙が出たというものです。

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こちらをご覧ください。

プロペラシャフトに草が絡みついているのがわかります。

この奥にはデフがあり、オイルシールが入ってデフオイルが漏れ出さないように封入しています。

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草だけを引っこ抜いてもダメです。オイルが滴り落ちているのがわかります。

このオイルがプロペラシャフトの回転で飛び散って、マフラーに付着して煙を出す。

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デフのフランジを外してみるとこの通り。草が中まではいりこんでオイルシールが損傷しています。

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こうなってしまうとオイルシールを交換しないと駄目です。下手したらフランジもダメになってる場合があります。

 

一番最悪なケースは気が付かないで走っていて、デフオイルが規定値以下まで減って、デフが壊れてしまうケースです。

 

実際にデフが壊れてしまったお客さんもいます。

その時はデフを交換になり、修理代が10万円を超えました。

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草むらを走ると駆動系に思わぬトラブルをもたらすことがあるんです。

プロペラシャフトだけでなく、ドライブシャフトのブーツが切れてしまった車もみた事があります。

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草むらを走った後は、何か絡みついていないかチェックしてください。

早い段階で気が付けば、オイルシールだけの交換で済みますからね。

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11万キロオーバーの車にWAKO′Sのフューエルワンを連続で投入したら、燃焼室はどう変化したか?

時として汎用部品が役に立つときがある

車の部品には純正部品と社外部品が存在します。

純正部品では設定していない部品を社外で設定してくれていることがたまにあります。

今回はそんな話です。

 

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ポロですが、車検で入庫。

 

見てみたらタイロッドエンドブーツが破れていた。

 

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さすがにブーツが切れてグリスが出ているようでは車検に通りません。

部品屋さんに聞いてみると、ブーツでの部品供給がないらしい。

タイロッドエンドごとの交換となると言われました。

タイロッドエンドのボールジョイントにガタは出ているかというと、特にガタツキはなく、ブーツだけ何とかすれば車検には通りそうです。

 

ここで社外部品を検索してもらいました。やはり社外でも設定がないということで、それではと、タイロッドエンドの内径と外径を計測して合わせてみることに。

 

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とりあえずタイロッドエンドブーツを外す。

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このタイロッドエンドにあうブーツを計測してみる。

 

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すると使えそうなブーツがありましたので、試しに持ってきてもらいました。

内径と外径がほぼ同じ。

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早速装着してみます。

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ジャストフィットです。

 

ということで、内部にグリスを詰めて固定。

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純正ブーツの固定リングは使えないので、針金で抜けないように固定。

 

小端部の径はぴったりです。

 

これは軽自動車用のものですが、ドンピシャでした。こういった流用ができれば、1万円以上かかる修理代が、本人が望めば半額以下で修理が可能です。

 

オーナーに相談したらそれでいいということなので、今回はこれで車検を通すことにしました。

 

時として社外部品がこのような形で役に立つという話でした。

 


11万キロオーバーのアトレーワゴンにWAKO′Sのフューエルワンを入れて走った後燃焼室を撮影した結果