MHOエンジニアリング

現役猫系自動車整備士YouTuberチームMHOの車ブログ

グロリアのデュアルマフラーの1つには開閉バルブが付いている

日産のグロリアです。

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国産ハイパワーセダンで、スタイリングのチョイ悪さから人気のグロリア。

このグロリアのデュアルマフラーにはちょっと摩訶不思議な装置が付いています。

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マフラーを下からのぞきこむと、何やらスプリングのようなものが見えます。

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マフラーの出口を見てみると、スロットルバルブのようなものが組み込まれているのが分かります。

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マフラーにスロットルバルブと同じバルブが付いていて、ワイヤーでつながっています。

これは何をしているものなのか?

最初に感じたのは、トルクをうまくコントロールしているのかなって。

マフラーって、口径を大きくすると抜けが良くなります。排気がスムーズになりますので、高回転までストレスなく回りやすくなる。

しかし抜けが良すぎるマフラーだと、トルクが細くなりがちです。絞られたマフラーの方がトルクが出やすい。

これをコントロールしてる機構かなと思ったけどどうやら違うようです。

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このワイヤーは室内に取り付けられたモーターにつながっています。

モーターでバルブを開閉しているわけです。

狙いは静粛性。一定以上の回転数になるまではバルブを閉じて、静粛性をキープ。エンジン回転を上げると、モーターを駆動させてバルブを開く。

そんな制御をしているようです。

当時の車にしては凝ったしかけですよね。ちなみにワイヤーやアクチュエーターが駄目になる事があるので、その時は強制的に開けるようにしないとエンジンにはよくないと思います。

 


スマホミラーリングの某国製オーディオを取り付けた!常時電源の概念なし!すぐに電源入らない!寸法無視で全くお勧めできません!!

 

MHOちゃんねるではいろんな実験をしているのでぜひ見に来てください。

ソアラの1G-GTE、タイミングベルト交換作業について

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トヨタソアラです。

個人的にこのソアラはかっこよくて素敵だと思います。2代目ソアラ。このパッケージングこそ最高!

スタイリングもかっこいい!色あせない名車感があります。

ということで、タイミングベルト交換。

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このソアラに搭載されているエンジンは1-GTE。とりあえずラジエター類を降ろすと作業性がぐっと良くなります。

補機ベルトを外してクランクプーリーも外す。

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それほど強いトルクで締まっていないので、普通のインパクトレンチで外せます。

エアインパクトが入れば作業は簡単。

 

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お約束通りクランクプーリーが固着しているので、プーラーで引っこ抜く。

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タイミングベルトの状態です。さすがにヒビ割れがたくさん走っています。こうなるといつ切れるかわからないので、交換しておくに限る。

ベルトは10万キロに満たなくても、20年経過したら交換したほうがいいと思います。

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1JやRBとほぼ同じです。

新品のベルトに交換。

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カムロックツールがなかったのでタイラップで固定。気休めですけど。

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装着。

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ベルトやウォーターポンプ・シール類を交換したら復元していきます。

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タイミングベルト交換も珍しい作業になりつつありますね。

でも、タイミングベルトを交換ができるようになると整備のかなり楽しくなってきます。


11万キロオーバーで異音の出ているエンジンのヘッドカバーを開けてみたら・・興味深い状態が・・

 

アルトのヘッドガスケット交換!オイル漏れはヘッドから!

スズキのアルトです。オイル漏れがしているということで、診断していったらどうやらヘッドガスケットから漏れていました。

 

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というわけで、アルトのヘッドガスケット交換。

この車両はターボなので、若干手間がかかります。

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外すものがNAよりも多い。インタークーラーなどをとりあえず外します。フロントバンパーも外す。

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このエンジンは2バルブエンジンですね。

タイミングベルト・タービンなどを外してシリンダーヘッドを外します。

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タービンのパイプを外すのに曲がった10mmのレンチがないと作業性が悪い。

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さくさくと外していきます。

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タービン廻りのパイプを外したらヘッドを外します。

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ヘッドをはがしました。ここからブロックとヘッドを奇麗にしてガスケットを交換します。

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ついでにオイルクーラーのOリングも交換。

ヘッドが下りている今なら作業しやすいです。部品は数百円。

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ここからオイルが漏れてきます。

オーダーはオイル漏れ修理なので、漏れている箇所は徹底的に直します。

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新品のガスケットです。

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ヘッドガスケットを装着。

ヘッドガスケットって、金属のような紙のようななかなか不思議な素材です。

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イン・エキマニを付けた状態でヘッドを降ろしたので重たい。

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2バルブです。

シクネスゲージで歪みを測定しましたが、使用可能範囲内です。

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ヘッドを載せたら組み上げていきます。

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組み上げたら洗浄して終了です。

オイル漏れはバッチリと直りました。

走行距離は10万キロには満たなかったけど。オイル管理はいいとは言えない状態でしたね。


11万キロオーバーのアトレーワゴンにWAKO′Sのフューエルワンを入れて走った後燃焼室を撮影した結果

 

チェイサーのタイミングベルト交換!ポイントはクランクボルトの脱着

チェイサーです。タイミングベルトの交換。

 

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1JZ搭載です。1JZのタイミングベルト交換で肝になるのはクランクプーリーの脱着です。クランクプーリーのボルトは、少し台形になっていてかなりのトルクで締め付けられています。

330Nmです。RB26DETTには及ばないもの、相当なトルクです。

 

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ざっと手順を紹介。エアインテークを外してラジエターを降ろします。

ファンベルトを外します。

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それでこの状態です。

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ここで問題のクランクプーリーボルトを外します。

僕はワイヤーでロックするクランクプーリーホールドを使い、太いスピンナーにパイプをかけて人力で回して外します。インパクトは使いません。

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タイミングベルト交換自体は普通のツインカムエンジンと同じ。カム2とクランクのタイミングを合わせるだけです。

VVTが付いてる場合、オイルシールを交換したいのならVVTを分解すること。

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整備士の中にはVVTをばらすのが怖いという理由で、カムのオイルシール交換をしない人がいますけど、せっかくここまでばらしたのならオイルシールの状態は最低でも確認してほしいですよね。

漏れていたら交換すべき。

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僕も初めてVVTをばらした時って、まだファイネスが閲覧できない環境で、お手数ですけど近隣のディーラーに要領書をFAXしてもらいました。

今ではファイネスで情報を閲覧できるので、基本的にディーラーでしかできない作業は専用診断機でのリプロとか一部リコール作業のみになってるだけですから。

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ということで、VVTを外してオイルシールを交換。

あとは逆の手順で組み上げていく。

 

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1JにかぎらずRBもそうですが、直6エンジンが10万キロに達した時はタイミングベルト類と一緒にヘッドカバーとプラグも交換したほうがいいです。

 

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ただこの時気を付けてほしいのは、イグニッションコイルのカプラーが非常に割れやすくなってるので取り扱いは注意です。

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それなりの工具がないとDIYでやるにはちょっと厳しいかなと。

DIYでもできますけど、問題はクランクプーリー脱着になります。

 

チェイサーのタイミングベルト交換でした。

 


11万キロオーバーで異音の出ているエンジンのヘッドカバーを開けてみたら・・興味深い状態が・・

古い車はディスビのOリングなども交換しておこう!オイル漏れが発生しやすい部位

今では珍しくなってきましたね。点火装置にディスビを使ってる車。

 

ディスビというのは配電器で、イグニッションコイルからの電気を各シリンダーへ配電する部品です。

 

今でこそ、ダイレクトイグニッションシステムで各気筒に1つずつイグニッションコイルが付いていますけど。昔の車の点火装置にはディスビが使われていました。

 

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ディスビはカムシャフトから動力を得て、回転しています。

ローターが回転してディスキャップの接点に火花を飛ばして、プラグコードを伝わりプラグが点火する。

 

ダイレクトイグニッションはたとえ1つのコイルが壊れてもエンジンがかかるはかかります。

 

しかしディスビ式のもので、イグニッションコイルやディスビが壊れるとエンジンはかかりません。

 

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ディスビはカムシャフトから動力を得ているので、そこからオイルが漏れることがあります。

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有名なのはディスビがシリンダーヘッドに刺さる部位。ここはディスビにOリングのパッキンを付けることで、オイルが漏れ出さないように封入しています。

 

しかしパッキンはゴム製なので硬くなります。すると弾力性が失われるので、オイルが漏れてしまう。

 

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なので、ディスビにOリングの交換はつきものでした。

 

困るのが、ディスビのOリングではなくてシャフトの軸からオイルが漏れてきてしまうもの。

ディスビって、非分解式なので、その部分のオイルシールを交換したくても部品の供給が出ないので、この時点でディスビ本体を交換することになります。

 

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ディスビって軽自動車のものでも5万円くらいする高価な部品でした。

ダイレクトイグニッションは1つ1万弱が相場なので、どっちがいいのかなって迷ってしまいますね。

まあディスビの方がロスが大きいのは間違いないので。でもダイレクトイグニッションは壊れるんですよね。リークして。

 


エンジン不調の原因!プラグコードのリークの原因と対策 What is the cause of engine malfunction?

 

プレオのスーパーチャージャー、オイル漏れ修理 ヘッドガスケット交換

スバルプレオのスーパーチャージャー。オイル漏れを起こしていたので修理しました。

オイル漏れを起こしていた箇所はヘッドガスケットです。

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まずはフロントバンパーを外します。

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軽自動車ですけど、スーパーチャージャーが付いてるとヘッドガスケットまでたどり着くのがなかなか骨が折れます。

 

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外すものはたくさんです。スロットル廻り、スーパーチャージャータイミングベルトパワステポンプ、オルタネーターも外します。

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ヘッドガスケットを交換するということすなわち、タイミングベルトも外すので一緒に交換してしまうのが得策。

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ある程度のものが外れたらヘッドカバーを外します。

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そして、ヘッドボルトを外してシリンダーヘッドを外します。インマニもエキマニもヘッドにつながってる状態でおろしてしまいます。

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エンジンマウントなども切るので、エンジンが下がります。ジャッキで下からエンジンを支えておきます。

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古いガスケットを奇麗にはがします。

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オーバーヒートをしているわけではありませんが、ヘッドとブロックの両方の歪みを測定しておくことをお忘れなく。

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エンジンの歪みに問題がなければ新品のガスケットを取り付けます。

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スーパーチャージャーの中はギヤオイルが入っています。このタイミングで交換してしまうのもいいかもしれない。

この車でやりにくいのがウォーターポンプです。ベルト側ではない裏に1本クーラントのホースが通っています。それをウォーターポンプにつなぐのが大変。

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タイミングベルトをかけて復元していきます。

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組み上げたらバンパーを取り付ける前に各部を洗浄。水やオイルが付着した部分を奇麗に洗い流します。

この作業が、仕上げっぽくて好きです。

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各部から漏れがないことを確認したら、復元して実走テストです。問題なければ終わりです。

プレオのヘッドガスケット交換でした。


フラッシングオイルは無意味?右と左どちらがフラッシングしたかわかる?波紋を呼ぶフラッシングオイルの意味とは?

エンジンオイルは早めに交換しましょう。

オイル管理が悪い車の方がオイル漏れしやすい傾向にあります。

クラッチをOHしても車が駆動がかからなかったキャラバンの原因は?

日産のキャラバンです。クラッチのOHを依頼されたので、言われるがままOHしました。

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クラッチが滑っているから、OHしてくれという依頼だったのですが、これが落とし穴でした。

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縦置きミッションなので、降ろすのは簡単です。

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問題はクラッチ

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確かに減ってはいるものの、ずるずるとまでは減ってないような状態。

しかし、車はほとんど動きません。

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とりあえず、クラッチを組んでミッションを載せてみたんです。

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すると、やっぱり車に駆動がかからない。

何だこれ?

調べてみたらフライホイールに秘密がありました。

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どうやらフライホイールの中に1WAYクラッチのようなものが内蔵されているようです。

しかしこのフライホイールが非常に高い。当時で確か9万円くらいしたと思います。

非分解式のフライホイールを分解してみました。

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中身はこのようになっていました。

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やはり内部のプレートが折損していました。これが原因で駆動がかからなかったようです。

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もちろんクラッチをOHするときに、フライホイールも同時に交換をお勧めしましたが、費用が高すぎるのでとりあえずクラッチのみOHしてみてくれと言われたんです。

 

でも組んでみたら、全然駆動がかからないまま。

 

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大きいトルクに対して、ねじれ防止の役割もになっていたのかもしれませんけど、こんな仕組みのフライホイールはいらないなぁ。

せっかくクラッチをOHしたとしても、フライホイール側で駆動がかからないようになってれば意味がありませんからね。

商用車は走ってなんぼなので、この辺の部分はシンプルな構造にしておいてもらったほうが嬉しいですよね。

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もしこの手のキャラバンに乗ってる人がいたら気を付けてください。

クラッチが駄目になったとしても、それはフライホイールの仕業かもしれません。ちなみにこの車両は20万キロくらいはしっています。

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1分で学ぼう!パンク修理剤の使い方! #Shorts

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