DIYでオイル交換をしている人も多いと思います。
今日は、プロのメカニックがどんなところに気をつけてオイル交換をしているのかを書いてみたいと思います。
たかがオイル交換ですが、突き詰めていくといろいろな情報に触れることができます。
1、オイルを抜く前にオイルゲージを抜いて現在の状態をチェックする
僕も整備士になりたての頃とかって、そこまで意識していませんでしたが、この行動は重要です。
まずオイルを抜く前に、レベルゲージを抜いて現状をチェックするのです。
ここで読み解く情報は、オイルの状態からエンジン内部を想像できる。オイルが白っぽく濁っていたらどこかから水が混入しているのかもしれない。
量が少なかったら、前回のオイル交換後の走行何キロでどの程度オイルを消費したのか?
たくさんの情報が詰まっています。
車両をリフトアップした場合、オイルの滲みや漏れなどがないかを確認します。
オイルを抜いている間、僕は車の下回りをざっと点検します。ぱっと見で修理しないといけない箇所などがないかを点検。
たまにブーツが切れているのを発見したり、マフラーのステーがもげているのを発見します。
外したドレンボルトはパーツクリーナーで綺麗に清掃します。特に最近のエンジンはオールアルミ製が多いので、異物を噛み込んでいると、すぐに舐める原因になってしまう。
オイルフィルターも交換する時は、可能な限り古いオイルを排出させるため、ドレンボルトは外したままにしておきます。
オイルがほどほどに出てこなくなったらパッキンを交換して、ドレンボルトを規定トルク付近で締め付けます。
規定トルクで締め付けると、ねじ山が損傷するエンジンが嘘のようだけどあるんです。なので僕は規定トルクの下限値を狙って締め付けます。
ドレンボルトをつけた後は綺麗に洗浄。
オイルフィルター外した後、綺麗に洗浄。
オイルフィルターも新しいオイルをパッキンに塗布して装着。
フィルターもつけた後、周りのオイルを綺麗にパーツクリーナーで洗浄します。
締め忘れを防ぐために、締め付けした後はホワイトマーカーなどで印をドレンボルトとフィルターにつけます。
オイルを入れて行きます。オイルはゆっくりと注ぐこと。勢いよくいれると、スラッジが溜まっているエンジンなどは吹き返してこぼれます。
ある程度オイルを入れたらエンジンを始動してオイルフィルターにオイルを循環させる。
あとはオイルを少しずつ調整してFULLぴったりに合わせます。
感覚としてはFULLより少しだけ少なめにしています。オイルが完全に戻ってきた時にちょうどぴったりになるように。オイルの量は厳守です。
これが守れていないと全く話になりませんから。
オイル漏れなどをチェックして問題なければ交換作業は終わりです。
最後にオイルステッカーを貼るんですが、ターボエンジンだったりNAだったり。お客さんの使用頻度などを考えて次回交換距離を書いて、運転手から見える場所に貼り付けます。
今の車は大半がオイルメンテナンスをリセットしないといけないので、忘れずリセットする。
そして最近では上抜きと下抜きにもこだわるということです。いろいろなエンジンで試してみると、明らかに上抜きの方が抜ける車があります。
上抜きの方がより多くのオイルが抜ける場合、僕は上抜きを推奨します。その場合もオイルを抜く前にざっとリフトアップして下回りを点検するようにしています。
大体簡単にリフトアップができるリフトを開けておくのがうちの会社の決まりです。
これがオイル交換のキャンペーンなどで、待ち時間が少ない場合は若干簡略化しますけど、一連の流れで行動するとそれほど無駄はなくなります。
オイルを抜いている時間に、オイルやフィルターなどを用意しておくことですね。
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