トヨタ クラウン
型式 GF-JZS153
エンジン 1JZ VVT-i搭載
平成10年式
タイミングベルト交換のレポートです。
カムシャフトのオイルシールを交換するために、可変バルブ機構のVVTスプロケット(アクチュエーター)
も脱着しました。その際の注意点などもお伝えしたいと思います。
まずはエアスクープダクトを10mmではずします。
そして、ラジエターの水を抜きながら、ファンの12mmのネジを4本ファンベルトがかかった状態で緩めておく。
ネジを緩めたら、ファンベルトテンショナーを14mmのネジで緩みの方向へ傾けて
補機ベルトを外します。
とりあえず車両の下にもぐって、アンダーカバーをはずして、ATのクーリングホースをラジエターから外します。
ATFが出てくるのでホースには適当なネジを差し込むなどをして、栓をしておくこと。
そしてラジエターロアホースを外す。
これでまた車上に戻り、ファンのネジ12mmのナット4本を外す。そしてファン外してシュラウドの中に入れる。この状態で、ラジエターアッパーホースを外してラジエターのコアサポートのネジ12mmを2本を外してラジエターを上へ引っこ抜く。
ファンと一緒にラジエターを外すのが簡単
するとこんな状態になっています。
これで、タイミングベルトカバーの上を六角レンチをもって外す。ネジ4本。
カバーの上を外したら、今度はタイミングベルトカバー中を外す。ココも六角のネジ3本。
そして、ファンベルトオートテンショナーを12mmのネジ3本を外して取りはずす。
これでタイミングベルトカバーの下を外すためには、クランクプーリーを外さないといけない。
ここが最大の難所です。
このクランクプーリーのネジ22mmは330N・mという強大な力で締め付けられている。
ボクはいつもプーリーホールドをかけて、ながいパイプレンチで緩めます。
ちなみにやわなソケットではすぐに割れちゃいます。
しかもこのネジ若干台形なので、舐めやすいです。注意。
クランクプーリーの大半は固着しているので、潤滑剤などを隙間からかけて、少しずつこじったりして抜きます。
無理したらプーリーも割れます。
でもクランクプーリーには振動防止のトーショナルダンパが付いているので、出来ればプーリーも新品に換えたほうがいいと僕は思います。
クランクプーリーが外れたらタイミングベルトカバーの下を外す。ここは普通の10mmのネジでとまっている。
しかし、右側のネジをはずすには、パワステポンプのブラケットを少し外して移動させないとネジを緩めるクリアランスが出来ないので注意。
大体の1JZは圧縮上死点より60度ずらした場所にもうひとつの合いマークがあります。
ここで大体ベルトの脱着をするようになっています。
が、このJZS153のクラウンにはカムのスプロケットには圧縮上死点より60度のマークがあるけれどクランクについては不明だった。とりあえず圧縮上死点でボクは作業をしました。
タイミングベルトにはかなりの亀裂が走っていました。交換時ですね。
この状態でテンショナーベアリングを外してタイミングベルトを外す。
バルブクラッシュを避けるためにボクはクランクを60度ほどずらしておきました。これでピストントップは下がってカムがずれてもバルブはつかないはず。
クランクのスプロケットを外して、クランクのオイルシールを交換。
まずはエキゾーストカムのスプロケットをカムロックツールで固定してはずす。
そして問題のVVTです。
このインテーク側のスプロケットはVVTのアクチュエーターも兼ねています。
この特徴は可変バルブタイミングをしているということ。
つまり、スプロケットはカムシャフトが動かなくても、動いてしまうということ。
ちなみに覚えておかないといけないのは、このVVT-iは、インテークのバルブタイミングを遅らせてオーバーラップを長く取ったりする機構です。
このクラウンに搭載されているVVT-iは初期型の方のVVTで油圧で単純に位相を変えています。今では電動式になったりデュアルVVTだったりいろいろありますが、これはそんなには複雑ではありません。
カムが合いマークに合致する場所でタイミングベルトを外すと、エキゾースト側にVVTのアクチュエーターであるスプロケットが30度くらい動きます。
タイミングベルトカバーの合マークより、エキゾーストカムの方へ30度ほど傾きます。
これで正常。左回転するということを覚えておきましょう。
そしてVVTを分解していきます。この奥のインテークカムのオイルシールがある。
14mmの六角レンチでストレートスクリュープラグを外します。
ちなみにボクは14mmの六角レンチを300円で買ってきて、適当な長さに切ってそれを14mmのソケットでかませたお手軽ツールを製作して外しました。
ストレートスクリュープラグを外すとまた中に 10mmの六角ネジが出てきます。
ストレートスクリュープラグを外すとVVTの中のオイルが出てきます。
正規の方法ではVVTのソレノイドバルブを外して、VVTのスプロケットを30度動く範囲でポンピングさせてソレノイドバルブの穴からオイルを排出させることとなっています。
今回はどの道タイミングベルトも交換するから問題ない。
今度は中の10mmの六角ネジを外す。これは手じゃ回りにくいのでインパクトで回した。
これでVVTが外れる。
ちなみにこのアクチュエーターの周りについている10mmのネジ5本を外してしまうと
ASSYで交換しないといけなくなるとのことです。注意。
タイミングベルトにオイルが付いてはいけないので綺麗に拭いておくこと。
これで後ろ側のタイミングベルトカバーを外してオイルシールを交換する。
カムのオイルシールは本来ヘッドカバーを開けて、カムキャップを外して交換する手順です。
しかし、周りにオイルを塗って打ち込めば手間が省けます。
この状態でウォーターポンプも交換。オートテンショナーも12mmのネジ2本外して交換しておく。
ちなみにウォーターポンプを交換するには、オルタネーターの上のネジを外して、
左側へ少し移動させておかないとネジを緩め切れないので注意。
カムシャフトオイルシールを交換します。
終わったらカムスプロケとを取り付けます。インテーク、エキゾースト共にカムのネジは
810kgf・cm
インテークカムのノックピンが上を向いている。これはインテークカムが1番圧縮上死点にあるということ。
VVTスプロケットをはめてみる。そうすると、時計回りには可変しないはず。
左回転に30度ほどまわる。これで正解。
逆を言うと、右回転にVVTをロックさせた状態で、上死点マークをあわせるということ。
10mmの六角のネジを810kgf・cmでしめたら、シールワッシャーを新品にして、ストレートスクリュープラグを締め付ける。
シールワッシャーは必ず新品にすること。じゃないとオイルが漏れてきます。
トルクは15N・m(150kgf・cm)
インテークのVVTは左側へ30度可変しなくてはいけない。
右側へロックさせたら圧縮上死点に来ること。ここがインテークカムシャフトが圧縮上死点にあるということ。
これを間違ってしまうと、タイミングがずれてしまいますので注意。
VVTに惑わされないで、インテークカムが圧縮上死点にしなければいけないということ。
そうしたら新しいベルトをかける。そしてオートテンショナーのピンを抜いて張りを与える。
10分ほど放置してクランクを2回転まわして再度タイミングが合っているか確認。
あっていたら組み付ける。
ちなみにクランクのプーリーボルトは前述したとおり
3300kgf・cm。
こんなにながいトルクレンチで締め付けます。
ちなみにタイミングベルトカバーにはVVT-iの取り外し注意点がかいてあります。
あとはモトに戻して終了。
10万キロ超えたということで、大体ヘッドカバーのパッキン交換と、プラグ交換も同時に行います。
IGコイルのカプラーが割れやすいので注意。
問題はクランクプーリーのネジですね。
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