僕が整備士になる前の話です。
友人がR33スカイラインのタイプMに乗っていました。彼は日産ディーラーで整備士として働いていました。
当時僕はガソリンスタンドで修行中の身だったので、彼からいろんな情報を教えてもらった。
自分の車に追加メーターをつけたくて、ACC電源やらIG電源、イルミ電源の理屈をおそわったものです。
当時はネットをやってる人間もかなり少数派で、情報は現場で働く人間から聞くか雑誌などで調べるかしかなかった。
で、彼が言ったんです。
「俺の車、そろそろバッテリー替えないとヤバいんだよな。でも普通より高いんだよなぁ!」
って。
スカイラインだから高いんだなとしかその時は思わなくて、当時うちの奥さんがロードスターに乗っていたんです。NA型。そうしたら
「ロードスターも高いから覚悟しておけよ!」
って。
その理由が当時はさっぱりわからなかったんです。今ならその理由はすぐにわかりますけど。
こちらは2代目ロードスターのエンジンルームです。
バッテリーはエンジンルームにはなくてトランクにあるんです。
R33もそうですね。
バッテリーがエンジンルームにない。これが高い理由です。
バッテリーって、走行しているときオルタネーターが常に発電して電気を蓄えます。
電気が蓄えられている時って、バッテリーがどんどん熱を持ってくるんです。
バッテリーの充電を自分でしたことがある人はわかると思います。
ひどい話、煙がでてくる。これは化学反応で発生した水素ガスです。
臭いをかぐとむせかえる。
そしてなにより可燃性のガスです。危ない。
よくバッテリーが上がった時、どこかの車からブースターでジャンピングしてもらうでしょう?
あれは直接バッテリー同士をつないでも電気は供給出来てエンジンかかるんです。
でもそのやり方だと、もし水素ガスが滞留していたらケーブルをつないだ瞬間のスパークで爆発する可能性がある。
ということで、アースポイントにつなぐようになっています。
室内にバッテリーがあると危険な水素ガスが、中に充満する為危ないから密閉型のバッテリーがついているということなんですね。
これが普通より高い。
久しぶりにロードスターを眺めてそんなことを思い出しました。