MHOエンジニアリング

現役猫系自動車整備士YouTuberチームMHOの車ブログ

足廻りがすっぽり覆われるほど草が生えているところを走行する時は要注意!

この手のトラブルはたまにあります。

草むらを走った後、車から煙が出たというものです。

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こちらをご覧ください。

プロペラシャフトに草が絡みついているのがわかります。

この奥にはデフがあり、オイルシールが入ってデフオイルが漏れ出さないように封入しています。

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草だけを引っこ抜いてもダメです。オイルが滴り落ちているのがわかります。

このオイルがプロペラシャフトの回転で飛び散って、マフラーに付着して煙を出す。

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デフのフランジを外してみるとこの通り。草が中まではいりこんでオイルシールが損傷しています。

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こうなってしまうとオイルシールを交換しないと駄目です。下手したらフランジもダメになってる場合があります。

 

一番最悪なケースは気が付かないで走っていて、デフオイルが規定値以下まで減って、デフが壊れてしまうケースです。

 

実際にデフが壊れてしまったお客さんもいます。

その時はデフを交換になり、修理代が10万円を超えました。

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草むらを走ると駆動系に思わぬトラブルをもたらすことがあるんです。

プロペラシャフトだけでなく、ドライブシャフトのブーツが切れてしまった車もみた事があります。

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草むらを走った後は、何か絡みついていないかチェックしてください。

早い段階で気が付けば、オイルシールだけの交換で済みますからね。

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11万キロオーバーの車にWAKO′Sのフューエルワンを連続で投入したら、燃焼室はどう変化したか?

時として汎用部品が役に立つときがある

車の部品には純正部品と社外部品が存在します。

純正部品では設定していない部品を社外で設定してくれていることがたまにあります。

今回はそんな話です。

 

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ポロですが、車検で入庫。

 

見てみたらタイロッドエンドブーツが破れていた。

 

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さすがにブーツが切れてグリスが出ているようでは車検に通りません。

部品屋さんに聞いてみると、ブーツでの部品供給がないらしい。

タイロッドエンドごとの交換となると言われました。

タイロッドエンドのボールジョイントにガタは出ているかというと、特にガタツキはなく、ブーツだけ何とかすれば車検には通りそうです。

 

ここで社外部品を検索してもらいました。やはり社外でも設定がないということで、それではと、タイロッドエンドの内径と外径を計測して合わせてみることに。

 

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とりあえずタイロッドエンドブーツを外す。

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このタイロッドエンドにあうブーツを計測してみる。

 

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すると使えそうなブーツがありましたので、試しに持ってきてもらいました。

内径と外径がほぼ同じ。

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早速装着してみます。

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ジャストフィットです。

 

ということで、内部にグリスを詰めて固定。

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純正ブーツの固定リングは使えないので、針金で抜けないように固定。

 

小端部の径はぴったりです。

 

これは軽自動車用のものですが、ドンピシャでした。こういった流用ができれば、1万円以上かかる修理代が、本人が望めば半額以下で修理が可能です。

 

オーナーに相談したらそれでいいということなので、今回はこれで車検を通すことにしました。

 

時として社外部品がこのような形で役に立つという話でした。

 


11万キロオーバーのアトレーワゴンにWAKO′Sのフューエルワンを入れて走った後燃焼室を撮影した結果

 

グロリアのデュアルマフラーの1つには開閉バルブが付いている

日産のグロリアです。

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国産ハイパワーセダンで、スタイリングのチョイ悪さから人気のグロリア。

このグロリアのデュアルマフラーにはちょっと摩訶不思議な装置が付いています。

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マフラーを下からのぞきこむと、何やらスプリングのようなものが見えます。

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マフラーの出口を見てみると、スロットルバルブのようなものが組み込まれているのが分かります。

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マフラーにスロットルバルブと同じバルブが付いていて、ワイヤーでつながっています。

これは何をしているものなのか?

最初に感じたのは、トルクをうまくコントロールしているのかなって。

マフラーって、口径を大きくすると抜けが良くなります。排気がスムーズになりますので、高回転までストレスなく回りやすくなる。

しかし抜けが良すぎるマフラーだと、トルクが細くなりがちです。絞られたマフラーの方がトルクが出やすい。

これをコントロールしてる機構かなと思ったけどどうやら違うようです。

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このワイヤーは室内に取り付けられたモーターにつながっています。

モーターでバルブを開閉しているわけです。

狙いは静粛性。一定以上の回転数になるまではバルブを閉じて、静粛性をキープ。エンジン回転を上げると、モーターを駆動させてバルブを開く。

そんな制御をしているようです。

当時の車にしては凝ったしかけですよね。ちなみにワイヤーやアクチュエーターが駄目になる事があるので、その時は強制的に開けるようにしないとエンジンにはよくないと思います。

 


スマホミラーリングの某国製オーディオを取り付けた!常時電源の概念なし!すぐに電源入らない!寸法無視で全くお勧めできません!!

 

MHOちゃんねるではいろんな実験をしているのでぜひ見に来てください。

ソアラの1G-GTE、タイミングベルト交換作業について

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トヨタソアラです。

個人的にこのソアラはかっこよくて素敵だと思います。2代目ソアラ。このパッケージングこそ最高!

スタイリングもかっこいい!色あせない名車感があります。

ということで、タイミングベルト交換。

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このソアラに搭載されているエンジンは1-GTE。とりあえずラジエター類を降ろすと作業性がぐっと良くなります。

補機ベルトを外してクランクプーリーも外す。

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それほど強いトルクで締まっていないので、普通のインパクトレンチで外せます。

エアインパクトが入れば作業は簡単。

 

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お約束通りクランクプーリーが固着しているので、プーラーで引っこ抜く。

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タイミングベルトの状態です。さすがにヒビ割れがたくさん走っています。こうなるといつ切れるかわからないので、交換しておくに限る。

ベルトは10万キロに満たなくても、20年経過したら交換したほうがいいと思います。

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1JやRBとほぼ同じです。

新品のベルトに交換。

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カムロックツールがなかったのでタイラップで固定。気休めですけど。

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装着。

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ベルトやウォーターポンプ・シール類を交換したら復元していきます。

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タイミングベルト交換も珍しい作業になりつつありますね。

でも、タイミングベルトを交換ができるようになると整備のかなり楽しくなってきます。


11万キロオーバーで異音の出ているエンジンのヘッドカバーを開けてみたら・・興味深い状態が・・

 

アルトのヘッドガスケット交換!オイル漏れはヘッドから!

スズキのアルトです。オイル漏れがしているということで、診断していったらどうやらヘッドガスケットから漏れていました。

 

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というわけで、アルトのヘッドガスケット交換。

この車両はターボなので、若干手間がかかります。

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外すものがNAよりも多い。インタークーラーなどをとりあえず外します。フロントバンパーも外す。

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このエンジンは2バルブエンジンですね。

タイミングベルト・タービンなどを外してシリンダーヘッドを外します。

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タービンのパイプを外すのに曲がった10mmのレンチがないと作業性が悪い。

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さくさくと外していきます。

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タービン廻りのパイプを外したらヘッドを外します。

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ヘッドをはがしました。ここからブロックとヘッドを奇麗にしてガスケットを交換します。

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ついでにオイルクーラーのOリングも交換。

ヘッドが下りている今なら作業しやすいです。部品は数百円。

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ここからオイルが漏れてきます。

オーダーはオイル漏れ修理なので、漏れている箇所は徹底的に直します。

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新品のガスケットです。

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ヘッドガスケットを装着。

ヘッドガスケットって、金属のような紙のようななかなか不思議な素材です。

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イン・エキマニを付けた状態でヘッドを降ろしたので重たい。

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2バルブです。

シクネスゲージで歪みを測定しましたが、使用可能範囲内です。

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ヘッドを載せたら組み上げていきます。

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組み上げたら洗浄して終了です。

オイル漏れはバッチリと直りました。

走行距離は10万キロには満たなかったけど。オイル管理はいいとは言えない状態でしたね。


11万キロオーバーのアトレーワゴンにWAKO′Sのフューエルワンを入れて走った後燃焼室を撮影した結果

 

チェイサーのタイミングベルト交換!ポイントはクランクボルトの脱着

チェイサーです。タイミングベルトの交換。

 

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1JZ搭載です。1JZのタイミングベルト交換で肝になるのはクランクプーリーの脱着です。クランクプーリーのボルトは、少し台形になっていてかなりのトルクで締め付けられています。

330Nmです。RB26DETTには及ばないもの、相当なトルクです。

 

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ざっと手順を紹介。エアインテークを外してラジエターを降ろします。

ファンベルトを外します。

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それでこの状態です。

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ここで問題のクランクプーリーボルトを外します。

僕はワイヤーでロックするクランクプーリーホールドを使い、太いスピンナーにパイプをかけて人力で回して外します。インパクトは使いません。

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タイミングベルト交換自体は普通のツインカムエンジンと同じ。カム2とクランクのタイミングを合わせるだけです。

VVTが付いてる場合、オイルシールを交換したいのならVVTを分解すること。

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整備士の中にはVVTをばらすのが怖いという理由で、カムのオイルシール交換をしない人がいますけど、せっかくここまでばらしたのならオイルシールの状態は最低でも確認してほしいですよね。

漏れていたら交換すべき。

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僕も初めてVVTをばらした時って、まだファイネスが閲覧できない環境で、お手数ですけど近隣のディーラーに要領書をFAXしてもらいました。

今ではファイネスで情報を閲覧できるので、基本的にディーラーでしかできない作業は専用診断機でのリプロとか一部リコール作業のみになってるだけですから。

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ということで、VVTを外してオイルシールを交換。

あとは逆の手順で組み上げていく。

 

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1JにかぎらずRBもそうですが、直6エンジンが10万キロに達した時はタイミングベルト類と一緒にヘッドカバーとプラグも交換したほうがいいです。

 

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ただこの時気を付けてほしいのは、イグニッションコイルのカプラーが非常に割れやすくなってるので取り扱いは注意です。

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それなりの工具がないとDIYでやるにはちょっと厳しいかなと。

DIYでもできますけど、問題はクランクプーリー脱着になります。

 

チェイサーのタイミングベルト交換でした。

 


11万キロオーバーで異音の出ているエンジンのヘッドカバーを開けてみたら・・興味深い状態が・・

古い車はディスビのOリングなども交換しておこう!オイル漏れが発生しやすい部位

今では珍しくなってきましたね。点火装置にディスビを使ってる車。

 

ディスビというのは配電器で、イグニッションコイルからの電気を各シリンダーへ配電する部品です。

 

今でこそ、ダイレクトイグニッションシステムで各気筒に1つずつイグニッションコイルが付いていますけど。昔の車の点火装置にはディスビが使われていました。

 

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ディスビはカムシャフトから動力を得て、回転しています。

ローターが回転してディスキャップの接点に火花を飛ばして、プラグコードを伝わりプラグが点火する。

 

ダイレクトイグニッションはたとえ1つのコイルが壊れてもエンジンがかかるはかかります。

 

しかしディスビ式のもので、イグニッションコイルやディスビが壊れるとエンジンはかかりません。

 

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ディスビはカムシャフトから動力を得ているので、そこからオイルが漏れることがあります。

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有名なのはディスビがシリンダーヘッドに刺さる部位。ここはディスビにOリングのパッキンを付けることで、オイルが漏れ出さないように封入しています。

 

しかしパッキンはゴム製なので硬くなります。すると弾力性が失われるので、オイルが漏れてしまう。

 

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なので、ディスビにOリングの交換はつきものでした。

 

困るのが、ディスビのOリングではなくてシャフトの軸からオイルが漏れてきてしまうもの。

ディスビって、非分解式なので、その部分のオイルシールを交換したくても部品の供給が出ないので、この時点でディスビ本体を交換することになります。

 

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ディスビって軽自動車のものでも5万円くらいする高価な部品でした。

ダイレクトイグニッションは1つ1万弱が相場なので、どっちがいいのかなって迷ってしまいますね。

まあディスビの方がロスが大きいのは間違いないので。でもダイレクトイグニッションは壊れるんですよね。リークして。

 


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