MHOエンジニアリング

現役猫系自動車整備士YouTuberチームMHOの車ブログ

車の状態を確認するのに便利でお勧めなLED付き内視鏡を紹介

この前半信半疑ながら買ってみて、これは面白い!と思ったものがあるので紹介したいと思います。

それはこちらです。

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LED付きの内視鏡です。これの使い道はなにか?目視できない隙間などに潜り込ませて内部を確認することが可能です。

画像はWi-Fi経由で自分のスマホなどにペアリングすることができます。スマホなどでモニタリングしながら写真を撮影したり、動画として残すことができました。

僕はiPadにつなげてプラグホールからエンジンの燃焼室を撮影してみました。

 

 

 

 たくさんの種類が出ていますが、僕はケーブル2mmタイプにしました。車ならそんなに長くなくても十分ですからね。

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使い方はUSBで電源を取り、スマホWi-Fiでペアリングするだけです。

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このようにペアリングしたガジェットをモニターとして使えます。そしてその画像を撮影したり動画として残したりもできます。

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ある程度カメラ部が小さいので、プラグを外してそこからエンジン内部を撮影することができました。

ピストントップを撮影しようとするには、シリンダーヘッドを外さないと駄目ですが、このLEDつき内視鏡があれば、お手軽に燃焼室の状態を確認することができます。

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車での使い道は、エンジンの燃焼室を見てみたり、ドレンボルトを外してオイルパンの内部を確認することもできます。

ミッションのフィラーキャップなどから内部を撮影することもできますし、デフケースの中も見ることができます。

あとヒーターコアなど、分解しないと確認できないエバポレーターの状態なんかも撮影ができるかな。

一つあれば、いろんなものが分解せずに目視することができるので便利です。

今度は違う車のエンジンを撮影しようと思っています。

ディーラーに預けていた車が事故にあった件について、整備の現場側から説明してみます

ネットのニュースにも上がってきたこの問題。

内容はスバルディーラーに車を預けたら営業時間外に事故を起こされてしまったという。当初スバル側から説明されたのは路上テストで事故を起こしたと。

しかし、この方はドライブレコーダーを取り付けていて、映像を見たら事実と異なっていた。どうやらスバルの人が自宅へ乗って帰っていたと。

いずれにしろこれは非常にマズイと思います。

細かいやりとりまではわかりませんが、駄目ですね・・・。これ。

まずドライブレコーダーの映像を見ると、事故の内容もひどい。追突していますからね。この状況下の事故だと運転している人の過失はほぼ100%です。

ぶつけられた前の車もかわいそうです。

ネットの情報を読むと、路上テスト中の事故と説明されたけど、ドライブレコーダーの画像には前の日にサービスマンが自宅までお客さんの車で帰って、翌日の通勤途中ではないか?という疑惑。

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いずれにしろスバルと被害者の間では話し合いがあって、保証内容など打ち合わせも済んでいるとのことです。

この件について、車業界ではこんなことって本当にあることなのか?という闇の部分について、現役整備士の立場からお答えします。

まず、テスト走行のためにお客さんの車で通勤するということは、ごくまれにあります。僕自身も経験したことがあります。僕がやったわけではないのですが、うちの診断機で読み取れない外国車の整備を正規ディーラーに外注相談した時。

その時の故障って、たまーにエンジンが不調になる。それをどうにかしてほしいというのがオーナーの願いでした。で、そのエンジンが不調になるという症状、まったく再現ができなかったのです。おそらく3か月に1回出るか出ないかくらいの症状。

これを直せっていうのはすごく難しいのは簡単に想像ができますね。その時外国車の正規ディーラーから相談されたのは、担当のサービススタッフの通勤にも使わせてもらって、テスト走行の時間を増やしてもいいかお客さんに承諾を取ってくれというもの。

このことをお客さんに伝えたら、それでもいいから直してほしいとの返答。

結果このサービスマンが執念のテスト走行の末、原因を突き止めて修理に至ったというケースです。戻ってきたメーターを確認すると、オドメーターが500kmくらい伸びてました。

故障を修理する時の大前提って、故障を再現するところからスタートします。お客さんが直してほしいという症状とその症状が一致しているのか?誤診を防ぐ為にも、絶対に再現させることが不可欠です。

故障が出たら診断機のデータモニタなどで車からの情報を集め、少しずつ怪しい部位をつぶしていくわけです。腕利きの整備士って、お医者さん並みに頭がいいと僕は思う。常に勉強をし続けないと現代の難しい故障は修理できません。

へっぽこ整備士は部品交換ぐらいしかできません。

今回スバルディーラーが起こした事故が、もし僕が紹介したのと同じだったらどうか?故障頻度の低いレアな症状を直さないといけない。2月3月って車業界は登録車両が多いから、一番忙しい時期です。

ない時間を絞って診断するには通勤時間も利用するしかない・・・。こんな整備士の気持ちも痛いほどわかります。待たせているお客さんに対しても申し訳ない気持ちがありますし。

やはり就業時間外にテスト走行をするのであれば、会社とオーナーに事前に相談してからやらないとまずいですね。昔はドライブレコーダーなんかなかったから、明るみにされなかったこの問題。実際はもっと多くあるケースなのかもしれません。

僕は今まで通勤時間帯にテスト走行をしたことはありません。近所のお客さんの車検車両を通勤時に引き取りながら出勤するというケースはあります。それはお客さんと会社にOKをもらっています。

残念なのが、こういったことが明るみに出ると、後からいろんな不満がネット上に出てくることですね。みんな不満を持っているんだなって。

整備士は今回の件を自分の身に当てはめて、こういうことが二度と起きないようにしなくてはいけませんね。

トラックに採用されているクラッチのパワーシリンダー

マニュアル車はほとんどなくなってしまいましたが、本日はちょっとマニュアルの機構について。

クラッチってそもそも何?

クラッチっていうのはエンジンの動力をミッションに伝える機構と表現すればわかりやすい。

エンジンは高速で回転しています。それをいきなりギヤへかみ合わせたらどうなるか?ギヤが一気に刃こぼれしてしまいますよね?

それをフライホイールクラッチを使って、動力を伝達しています。クラッチを構成している代表的な部品はクラッチカバー・クラッチディスク・レリーズベアリング。これら3点はクラッチキットとして販売されていたりします。

クラッチペダルを踏むと、ワイヤーや油圧を介してレリーズベアリングが動いてクラッチカバーを抑えてクラッチを切ります。

 

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こちらは軽自動車のクラッチレリーズベアリング。動力はワイヤーを使って伝達します。ペダルを踏むとクラッチワイヤーが動いてレリーズフォークを動かします。

フォークに取り付けられたレリーズベアリングがクラッチカバーを押さえつけてクラッチを切る。

軽自動車以上の車になると、これを油圧で行います。小さなレリーズシリンダーでレリーズフォークを動かすのです。

さらに大きなトラックになるとどうか?

 

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こちらが3t超のトラックなどに採用されているパワーシリンダーです。

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レリーズシリンダーとレリーズベアリングを一体化してしまってる構造です。

ペダルを踏むと直にベアリングが動く。これだとダイレクト感があってロスもありませんね。

問題は価格が高いということ。このシリンダー3万円近くします。

普通のレリーズベアリングは高くても1万円もしません。レリーズシリンダーだって1万円くらいかな。

パワーシリンダーになると1つだけで3万円です。これがトラックに採用されているクラッチのパワーシリンダーになります。

 

 

コロナウイルスでオイルフィルターが手に入りにくくなる?

今ものすごい勢いで広がりを見せているコロナウイルス。このコロナウイルスのせいで少なからず自動車業界にも影響が出てきています。

夢メッセみやぎで開催を予定していた第12回東北モーターショーを中止に。

中国湖北省に自動車部品メーカーが多数あり、ホンダや日産の拠点も休業せざるを得ない状況。

収縮がいまだ見えてこないコロナウイルス問題ですが、じわりじわりと日本も蝕んできています。

意外な影響を受けているのがオイルフィルターです。少しずつ品薄になりつつあるということです。

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何故か?オイルフィルターって中国とタイで作ったものを日本に持ってきているメーカーがあります。これが影響を受けつつあります。

どこのメーカーのフィルターなのか具体的にはわかりませんが、純正採用しているメーカーなどは在庫がなくなると新車販売にも影響が出てきそう。

そもそもオイル交換が出来なくなってしまうかもしれません。

日本でもマスクがまだまだ品薄状態です。オイルフィルターっていうのは人間でいうところの腎臓です。血液であるオイルをろ過してくれる重要な部品。

交換頻度も消耗部品の中で一番多いかもしれない。

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この前オイルフィルターをそれぞれ分解して中身を検証してみました。ろ紙レベルまで広げてみたのですが、中身って全然別物が入っていました。

具体的にはろ紙の厚さが全然違いました。

これら安いオイルフィルターがどこで作られているかはわかりませんけど。

コロナウイルスが日本でさらに広がってくると、一般的な生活環境も変化せざるを得ないかもしれませんね。

この前久しぶりにマスクを見つけて買ったんですが、薬局で40枚入りのマスクが1000円くらいしました。

いつもなら500円くらいで買えるものなのに。

需要と供給のバランスがズレるとこういうことになるんだなぁと。皆さんもお気をつけてください。

2月22日はネコの日?だけど、猫バンバンについて言いたい事

今日は2月22日。猫の日です。僕、実は子供のころから猫をたくさん飼っていました。真っ白な白猫を僕が拾ってきて、家に連れて帰って親の反対を押し切って家に住まわせた(笑)

最初は反対していた両親も猫に癒されて、しぶしぶ承諾!という王道コースです。でも拾ってきたネコがメスだったので、子猫を2年に1回程度産むのです。その子猫も貰い手があったら人にあげていましたが、残りは家で飼ってました。

するとどんどん増えるだろう!と思いきや、悲しいことに交通事故で亡くなったり、病気で亡くなったりして僕が成人するころには家にネコはいなくなりました。

と、猫に関する思いで話はここまでにして、今の時期だと飼い猫は家にいるからいいのですが、野良猫はいわゆる暖かい場所を求めてさまよっています。

有名なのが車のボンネットの中、エンジンルーム。

走ってきた車ってエンジンが熱い。それが冷えてくるとちょうどいい温度になるわけですね。これが野良猫さんたちには非常に暖かい場所として全国各地で重宝されています。

が、悲しい現実も起こる。

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僕は整備士をやってるので、お客さんの車のボンネットを開けるときはドキドキです。怪しい車ってなんとなく臭いがするからわかるんですよ。一発で発見できる場合と、リフトアップして下からそーっと覗いてみるとこんにちわしてしまう時と様々。

野良猫にとっては天国であって地獄でもある車のエンジンルームです。そんな悲惨な事故を減らそう!ということで、確かツィッター日産自動車だった思いますが広めてくれたのが猫バンバン。

車を走らせる前にボンネットをバンバンして、もし中に野良猫がいる場合はこれからエンジンをかけるぞ!と教えてあげようという試みです。

全国的に猫バンバンがリツイートされました。いいことです。動物の中で一番猫が大好きな僕もうれしいです。

ですが、物言いです。リモコンエンジンスターターを使ってエンジンをかける人は意味ないじゃんって。僕が物言いをしなくてもすでにされてると思いますが。

じゃあリモコンエンジンスターターを使わないで、暖機しろっていうのか!?って怒られちゃいそうですが、冷間時にエンジンをかけることって重要です。

直に真冬のエンジン始動を自分でやってみると、セルモーターの回りがなんだか遅いなぁとかエンジンのメカニカルノイズって、寒いときこんなに大きいんだ!とかいろんな発見もあるのが事実です。

でも寒い冬にリモコンでエンジンをかけられる恩恵は素晴らしいですよね。なので、エンスタメーカーに提言です。

エンジンスタートするちょっと前に何かしらの音を発生できないものか?それも人間には聞こえない可聴領域で、猫や動物にだけ聞こえるようなアラート。

これが少ない常時電源で発動できれば、エンジンルーム内の配線をネズミに喰い散らかれるという事態も回避できるかなと。

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人間に聞こえない周波数の音をしばらく発生させてから、クランキングする。そんなエンスタが登場すれば、猫大好き整備士の僕もうれしいです。

猫の日なので、それが言いたかったのです。それでは!

室内が水没しなくても、後にいろんなトラブルが出てくるということ

昨年の台風19号で多くの車が水没しました。それはかなり悲惨な状況で、僕も車屋さんになってからこんなことは初めてでした。

それまでで、超ゲリラ豪雨でひざ下くらいまで道路に水がたまったことはありましたが、室内にまで入り込むほどの水害はなかった。

車が水に浸かると、電装品やらいろんなものが駄目になるのでほぼ全損に近い損傷をうけてしまいます。

それでも乗り続けないといけない車は、修理に踏み切りますけど。今回も室内までは水が入ってなかったけど、最近調子が悪くなったということで入庫してきた車。

クラッチを切ると異音がでるということでミッションを下ろしてみた。

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ミッションのシャフトもそうですけど、レリーズベアリングも錆び錆になっています。

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クラッチも結構な状態です。異音の原因はレリーズベアリングですね。

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フライホイールもご覧の通り。錆びまくっています。よくもまあこれで問題なく使っていたものだなと。

セルモーターもほぼ同じ高さにあるので、今後止まる可能性が高いためリビルトに交換しました。

水害にあった車の中には、エアクリーナーから水を吸って圧縮が抜けてしまったエンジンもあります。それまで普通に動いていたのに、ちょっと水たまりを走行したらエンジン止まってしまった。

室内までは水は入ってなかったんですけどね。

エアクリーナーがびしょびしょになっていたから、圧縮を測定したらほぼ抜けていた。ウォーターハンマーです。

今回修理している車に関しては、今後も何が起こるかわかりません。保険に入っていなかったので、とりあえず故障が出た段階で一つずつ修理していくということになりました。

車にとって水害って相当恐ろしいです。

一発で廃車になってしまいます。新しい車に乗ってる人は絶対に車両保険に入ったほうがいいです。

うちの車は入ってませんけど。新車でステップワゴンを買ったときはしばらく入ってましたね。

車両保険に入らなくてもいい車っていうのは、事故が起きたり有事が起きた際には廃車しても惜しくない車だけです。

僕が買ってる車は一桁台の車ばかりなので、何かあったらすぐに乗り換えるようになります。それでも愛着もって少しずついろんなところに手は加えていますけどね。

いつどこで水害に遭遇するかもはやわかりません。あたらしい車には保険を入れておいてください。

 

ウォーターポンプからの水漏れ、どの程度なら交換する?

車を車検や点検で預かって、エンジンを目視してみたらウォーターポンプからクーラントが漏れた跡があった・・・。

ここまで漏れた跡があると交換しないとまずいよなぁ・・。

こういうシチュエーションに整備士であれば何度か遭遇したことがあると思います。しかし、この前ダイハツからウォーターポンプは漏れた跡がある程度では交換しなくてもだいじょうぶですよー。というインフォメーションが紹介されました。

実はトヨタでも数年前に技術情報としてウォーターポンプからの水漏れ判定方法が、情報として挙がってきました。

ダイハツが今回発表した内容はトヨタよりさらに交換しなくても大丈夫!というほうによっている情報でした。

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例えばこの位の漏れた跡なら交換しなくてもいいという判断になるのです。エンジンをかけた状態で、クーラントが漏れてくるようなら交換しないとまずい。

それ以外は異音などが出てなければ継続使用しても大丈夫ということです。

 

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クーラントが漏れた跡。これもセーフ。

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これは現在進行形でクーラントが漏れてきていたケースなのでアウトです。

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この程度なら交換まではしなくていいということです。

整備の現場からだと、ちょっと怖いですよね。クーラントってオイルと違います。オイル漏れって急激に漏れるところは油圧がかかるところです。

ヘッドカバーパッキンなどからの漏れは、エンジン内部のオイルがすぐになくなる勢いでは漏れません。

でもクーラントは粘度がないしある程度の圧がかかってるので、すぐに漏れ出してしまいまします。

オイル漏れよりもシビアに判定しないとあっという間になくなっちゃう。

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これをメーカー側が、問題ないから継続使用してもいいよ!と言ってくれても不安が残ります。

もし大丈夫だと判断して、その後漏れが盛んになってオーバーヒートしたら一体だれが責任を取るんだろうって。

なのでいくらダイハツがこういった情報をリリースしても、ウォーターポンプの早期交換傾向はなかなかなくならないんじゃないのなって。