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この先整備業界で問題になるのはエーミング作業

もはやうかつにバンパーをポンっと交換する時代は終わりを告げました・・。

今の車にはいろんな部位にありとあらゆるセンサが内蔵されているのをご存知でしょうか?

フロントバンパーを見てみると、レーザーやらレーダーやら自動ブレーキ必須アイテムが取りついています。

これらの部品は全て綿密に調整をされています。例えば某車種などは、シンボルとなるマークの奥にセンサが入っています。

つまりバンパーを脱着すると、センサの位置がずれてしまう。これが今目下整備業界で頭を抱える問題です。フロントガラスにカメラを備え付けてる車も同じです。

ガラスにひびが入って交換する時はエーミングと呼ばれる調整作業が必要になるのです。

今整備業界では特定整備という言葉が飛び交っています。従来の指定整備とは違い、さらに将来を見据えた整備作業において、特定整備というものを国交省が設定してきています。

特定整備というのはOBDを使った車検から始まり、CASEの時代に対応する整備内容になっていきます。ここで問題になるのはセンサが入ってるバンパーの交換作業。これを特定整備とするのかどうか?

もし、特定整備の工場として設備が整ってなく認証をもらえないと、バンパーの脱着すらできなくなってしまうわけです。

例えばエンジンを載せ替える時って、ほとんどフロントバンパーは外しにかかることが多いです。

横置きエンジンなんか絶対外すほうがやりやすい。エンジン脱着はできるだけの技術を持っていてもバンパーが脱着できない・・・。

理由はその先にエーミングという作業をしないといけない。今は経過措置となっており、バンパーを脱着してエーミング作業を外注したとしても問題はありません。

実際にうちの整備工場もエーミングができません。一度スバルアイサイトのエーミング作業を体験したことがありますが、機材をそろえないとできないわけです。

ターゲットを買ったり専用診断機を買ったり。そしてなんといっても広くて風が吹かない屋内作業場がないと実際的にエーミング作業は難しかった。

現在はガラス交換などをガラス屋さんにやってもらったら、そのあとはエーミングを外注工場に依頼しています。これがバンパーなどにも当てはまってくるということですね。

少しでもセンサにずれがあるときちんと作動しない。バンパー脱着後はちゃんと調整をしないといけません。

今後特定整備の内容にエーミングができないとダメだとなると、相当整備業界は混乱するものと想像できます。エーミングもOBDのように全社共通化してくれれば機材だってそろえる町工場もでるかもしれません。

ですが現状だと自動ブレーキなどは各社部品もエーミングもバラバラです。すべて揃えろというのは現実的に無理があったりします。

これからはエーミング屋さんというのが流行るかもしれないです。

日本で走行課税がスタートしたらどうなるのか?

走行課税という言葉を聞いたことがありますか?これは現在水面下で政府が検討をしている新しい税です。

その名の通り、車の走行距離に応じた課税をするというスタンスです。なんでそんなものを?

今の車って、走らせようとするとガソリンやディーゼルなどの燃料を使います。ガソリンスタンドのレシートをじーっと見てみると記載されているスタンドもあります。現

在1リットルあたりガソリン税(本則税率)28.70円。それに加えて25.1円の暫定税率民主党政権時代によく聞かれた暫定税率)合計53.8円が1リットル当たりのガソリンに課税されています。さらにこの53.8円にはおかしなことに消費税もかかるので、二重課税などという摩訶不思議な状態に陥っています。

イメージ的に、みんなが同じ燃料を使って車を走らせていればまあ問題はありません。ディーゼルにだって課税されています。

しかし新しいパワーユニットとして出回っているEV。これって、自分の家で充電できてしまうため、日本政府的に税収が落ちてしまいます。

EVが本格的に販売されて、従来のガソリン車が減ってきたときにどうするか?それを補うために税を考えて、走行税などというものが検討されています。

この走行税、アメリカでは実証実験が行われています。

シンプルに走行税が新設されたら、燃費の良いハイブリッドカーに乗ってる人が意外と増税対象になってきます。

同じ燃料でたくさんの距離が走れるということで、ほかの車よりも走行税が加算されることはわかりやすいですね。

石油連盟としては、やっぱり面白くないわけですよね。今まで自分たちにはガソリンに対して現在だと3分の1くらいは税金です。EV車にはこういった分の負担がないのか?と。

もし、走行税が導入されるのであれば微妙な立ち位置なのがハイブリッドカーですね。純粋なガソリン車やEVはそれぞれ燃料はガソリンと電気。ハイブリッドやPHVはどの両方。

公平性を打ち出すのであれば、走行税をスタートさせるときに従来のガソリン税を見直さないとダメだと思います。

普通のガソリン車に対しても走行税が課税されるようであれば、ガソリン税も払って走行税も払って・・・。となるわけであって、これはさらに負担増ですから。

まだ政府は議論中で実装されるのは大分先になりますが、一気にEVのシェアが広がりだすと税源が偏るので議論は加速度的に進むかもしれませんね。

いずれにしても車から税金ってとりすぎだと思う。

 

 

車にAIが搭載されて、ナイトライダーな世界観が見えてきた

コネクテッドカーが出回るようになってきました。トヨタを皮切りにダイハツもホンダもコネクテッドを徐々に搭載。

コネクテッドカーっていうのは、車とネットがつながってるというものです。昔のナビゲーションのオンデマンドな通信とは違います。車全体がネットとコネクトしている。

セキュリティの心配なども出てきます。それであっても、新しい技術は最初から万全じゃないので走り出しながら修正を加えていかないと育ちません。

ホンダが2020年にEV自動車を日本で販売するなかで、ホンダeにはなんとAIが搭載されるという情報が入りました。

当然このホンダeはコネクテッドカーです。完全EV。コネクテッドカーにAIを搭載して何をしようとしているのか?

考え方がユニークで、車と「対話」ができるようになる。

「OKホンダ」で車に呼び掛けると、ホンダ・パーソナル・アシスタント(HPA)が起動してユーザーの呼びかけに車が答えてくれるものです。

これって、イメージ的にはiPhoneのSiriのようなものですね。僕はiPhoneを4Sから使い始めました。当時からSiriはありましたが、精度がいまいち悪かった。

しかしそこはAIです。今のiPhoneに搭載されているSiriは日常的にユーザーとのやり取りをビッグデータ化して、ユーモアあふれる応答をするまでに成長しました。

ホンダeに搭載されるHPAのAIが最初からどの程度の認識機能を持っているかは、試してみないとわかりませんが、常にアップデートを繰り返していくのでどんどんと賢くなっていくのは間違いありません。

基本このホンダのAIはクラウドサーバーで音声を処理して、聞かれた情報に対して答える仕組みになってるそうで、結構難しい問いかけにもさっと答えてくれるかもしれません。

ホンダeは、今自動車業界に起きているビッグキーワードである

「CASE」

コネクテッド・AI・シェアリング・EV

このうち3つも体現しているということがわかりますね。ホンダeをみんなでシェアりイングすればCASEの出来上がりですね。

今後自動運転が可能な街ができあがったとすると、車とコミュニケーションをとって自動で迎えに来てもらって送ってもらう。

それは自分車ではなくて、みんなで使うシェアリングカー。車の中では仕事もできるしカフェにもなる。

夢物語のような現実が少しずつ近づいてきているのがわかりますね。ナイトライダーの世界とはちょっと違うけど、車の在り方自体がコネクテッドカーで大きく変わるんだなと思います。

今一押しのカーグッズはTPMS(タイヤプレッシャモニタシステム)だと思う

タイヤプレッシャモニタシステムというものをご存知でしょうか?国産車の一部高級車に採用されていたものです。

これがこの頃輸入品で安いものが出回ってきている。日本の電波法基準をクリアしていないものもありますが、ちゃんとした製品だとこれほど心強いものはありません。

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タイヤプレッシャーモニターシステムは、その名の通りタイヤの空気圧をモニターしてくれるもの。

タイヤの空気というと、減ってればバーストの恐れがあるし高すぎると滑りやすくなる。適切な空気圧で走行しないといけません。

しかし、空気圧を調整しようとすれば、ガソリンスタンドなどに行かないと車のタイヤって空気が入れられないところがありました。

今はこちらも小さいエアコンプレッサが市販されてるので、家庭でも空気は入れられます。

とりあえずタイヤの空気圧がどうなってるのか?それを気軽にモニターできるのがTPMSです。

実際に僕も取り付けていますが、とても便利です。

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今販売されているTPMSのほとんどは自分で空気圧を設定できて、それを下回るとアラートを鳴らしたりしてくれます。

車に疎い人であってもわかりやすい。

奥さんの車にも取り付けています。もしこの数字が急に減ってきたらパンクしてるぞと。

車の運行前点検なんかほとんどの人がしていないのが実情。だったらこういったアイテムで視覚的に訴える。

以後車に詳しくない奥さんもタイヤの空気を目で見て確認することを日課となりました。

今までだったら、タイヤのエアバルブを外してエアゲージにてタイヤの空気圧を測定していました。自分で実際にタイヤの空気圧を測定したことがある人ならわかると思いますが、エアゲージの角度を誤ると空気がただプシューと漏れるだけになってしまう。

ちょっとしたコツが必要になるのです。なので万人向けではなかった。

こういった安いTPMSが標準採用されてくれば、タイヤにまつわるトラブルは減っていくと思います。

これを日本車が採用しないのはいろんな規制や法律なんだと思います。やはりネットで出回ってるものの大半はグレーであると。

便利で使えるけれど、法律的にグレーなパーツ。もしTPMSを取り付けるのであれば日本の技適に適合しているものをチョイスしてください。

 

 技適承認のものはちょっとだけ価格が高くなりますが、それでも機能を考えると格安で導入する意味は大いにあります。

ちょっと失敗した電熱シートカバーを買った話

寒い冬が来る前に、今年はちょっとした冬対策を車にもしようと思って電熱のシートカバーを買いました。

僕が買ったのはこちらです。

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いわゆるシガーソケットに差し込んで、カバーの中に入ってる電熱線を暖めてシートを温かくしてくれるタイプ。

今いろんな商品が出回っています。

 

 価格的にお手頃で、失敗してもまあいっか。という思いでポチりました。

結果、半分失敗でした・・・(笑)

ということで紹介をしたいと思います。

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取り付けはとても簡単です。シートにかぶせるだけ。

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カバーの裏にはゴムがついてるので、シートに覆いかぶせるだけで装着が可能です。まあどんな車でもそつなく装着が可能な汎用品。

問題はコードの向きです。

 

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そうです。運転席用として買ったのですが、なんとシートの右側からコードが出ています。シガーソケットって車の真ん中についてるでしょ?

取り回しがなかなか厳しい。助手席用としてだったら問題なく取り付けでOKですけど。

ちなみに僕は奥さん用には違うメーカーのものを買ったのですが、そちらはコードの向きを選択できました。

僕が買ったこちらはコードの向きについて選べなかったので、普通に左側にコードがついてくるのかと思った。そしたら反対だった。これが失敗。

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とりあえず買っちゃったものは仕方がないので、シートの裏側に配線を這わせて使うことにします。

何とか配線の長さは届くから大丈夫っぽい。

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スイッチはシンプルです。LOとHIがあるだけ。より早く温かくしたければHIを選んでおけば問題ありません。通常使いならLOですね。

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今の車にはシガーソケットがついてない車もあります。USBジャックはついてるけどシガーソケットがついてない。そんな車には使えません。

シガーソケットは12Vです。USBは5V。シガーソケットでUSBに変換しているのは内部で減圧しています。

基本的に車の電気は乗用車であれば12Vがほとんどなので、シガーソケットは12Vになります。

もしUSBしかついてない車はこちらの商品を買わないようにしてください。というか、配線の向きが違うので買わないほうがいいです(笑)

温かさはちゃんと機能してくれます。配線の向きさえ間違ってなければ評価は高かったのに・・。

皆さんが電熱のシートカバーを買うときは配線の向きに気を付けてください。2種類のものを買いましたが、どちらも問題なく使えています。

エンジンのヒーターが暖まるまでは時間がかかりますが、これら電熱タイプのヒーターはそれよりも早く温かくなるのでお勧めです。



 

 

油圧のパンタジャッキを持ってるけど、油圧ガレージジャッキを買ってみた

僕が住んでいる地域は雪国なので、年に2回タイヤ交換を行います。しばらくは車載ジャッキとホームセンターで買ったクロスレンチのみでタイヤ交換をしていたんです。

年齢を重ねてくると、車載ジャッキのタイヤ交換が苦痛に感じられるようになってきました。そこで数年前、タイヤ交換のために各種道具を買いそろえました。

買ったのが

・電動インパクトレンチ

・油圧パンタジャッキ

・トルクレンチ

この3点セットです。この中でも油圧のパンタジャッキはマサダ製のちゃんとしたブランドのものを使っています。

しかしここにきてふとガレージジャッキが欲しくなったので、買ってみました。

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買ったのはノーブランド品ですが、レビューがよかったものを選びました。2.5tまで対応でセール品。5000円くらいで買えました。

油圧のパンタジャッキとガレージジャッキってどう違うのか?

まずガレージジャッキのいいところって、耐荷重にもよりますが2輪を一気に上げることが可能なところ。

Rrがリジッド式の場合、大体の人がデフケースにガレージジャッキをあてがうと思います。そのまま持ち上げれば後ろが2輪一気に上げることができる。

フロントにも強固なサスペンションメンバーがついていれば、これまた2輪一気に持ち上げることができるので便利です。

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タイヤ交換って、お店に頼むと2000円~3000円くらいかかりますよね。もし家に複数車があって、タイヤ交換を自分でする人は早めに道具を買いそろえたほうが無難です。

車載道具でタイヤ交換をするって相当労力を使います。ジャッキにインパクト、トルクレンチがあれば楽チンです。

 

 僕が持ってるのはこちらです。エマーソンのトルクレンチ。

 

インパクトもエマーソン。電源コード付きなのは、バッテリーだと劣化するとバッテリーパックを交換しないとつかえない。

コードリールを追加で買えば、バッテリー問題を気にする必要はありません。実際に5年以上使ってますが問題はまったくなし。

あとはジャッキですね。ジャッキはマサダの油圧ジャッキ。

 

マサダ製作所 BEETLE 油圧シザースジャッキ DPJ-850DX

マサダ製作所 BEETLE 油圧シザースジャッキ DPJ-850DX

 

 とても強固で壊れそうにもありませんが、重たいです。

難点は重いだけかな。

もし、DIY用に道具を探している人はご参考までに。



 

EVのブレークスルーとピーク電力の問題

少しずつですが、各自動車メーカーがEVを手掛け始めてきました。日産と三菱はすでに販売している。マツダとホンダはモーターショーにてコンセプトカーを出展。

自動車業界がCASEという大変革期を迎える中で、避けて通れないのが電動化技術です。

電気自動車って、普通のガソリン自動車と何が違うのか?当然パワーユニットが違うというのはわかります。

車のシャシ部分はほぼ同じです。サスペンションもブレーキもタイヤもある。この辺りは自動車であれば不変のもの。

電気モーターで車を動かすのか、エンジンを使うのか?このエンジン制御こそが自動車業界が積み重ねてきた技術です。EVにシフトしていけば、エンジンの構成部品や制御は必要なくなってくる。

今、他業種の会社もEVの基幹部品を狙っているわけです。この先電気自動車の競争が激しくなっていくと当然値段が下がります。今はバッテリーがとても高くて、一般的に普及しているかというとまだまだな状態です。

車の半分がもし電気自動車になったらどうなるか?まずは供給の電気問題もあげられます。一般ユーザーであれば、家に帰ってきてから早朝までの間が充電時間になることは明白です。

実際電力会社のプランでこの時間帯が割引になるプランが存在します。でもこのプランがあるのは、この時間帯に電気を使う人が少ないから成り立っているわけです。

みんながみんな電気自動車になれば、充電する時間帯はほぼ同じになるので、このピーク時間をどうやって分散していくのかが問題になってきます。

車で通勤しないといけない人は、そうはいってもこの時間しか充電ができない。需要と供給のバランスが崩れれば、逆に夜間電力のほうあ割高になるのは明白です。

これを回避するには家庭用に蓄電池などを備え付けて、とにかく24時間電気を貯める。当然それぞれピークの時間帯をずらして蓄電池にためておいて、あとは夜にこの電池から車へ充電するという方法。

テスラなどは家庭用の電池も開発しているので。同じ時間に使うものを同じ時間に充電しないようにするには、やっぱり家庭用電池などの普及がポイントになるかなと。

でもこの考え方が成立するのはもっとずっと先の話かなと思います。さすがに家庭用の電池まで買うか?となるとなかなか手はでませんよね。