これは昔の整備記録です。エンジンがかからないということで入庫してきたワゴンR。
そのエンジンがかからない原因は、とりあえずセルモーターが回らないということでした。
そして、そのセルモーターが回らない原因というのが、今まで経験した中で一番最悪な結果となったものでした。
通常セルモーターが回らないというと、いくつか考えられます。
・バッテリー不良
・IGスイッチ不良
・セルモーター本体不良
・配線類の不良
ざっと上げましたが、大体がバッテリーかIGスイッチ、セルモーター本体の不良であるパターンがほとんどです。
このワゴンRも一つずつ潰して行きました。
まずIGスイッチですが、キーを回した時に
「カチッ」
とセルモーターが一瞬反応するので、これはシロであると判断。
では次にバッテリーを疑います。ちょっと奇妙だったのがバッテリーが弱っている場合、
カタカタカタカタとかセルモーターが回るけど非常に重たいとか、そういう症状が考えられます。
が、このワゴンRの場合、
「カチッ!」
とかなりいい音がするんです。試しにブースターでバッテリーに繋いでみましたが、結果は変わらず。
となるとセルモーター本体の不良なのか?と思いましたが、原因は違いました。
セルを点検しようと、車両をリフトアップしたらこの状態です。
オイルパンが強烈に曲がっています。
もしや・・・
クランクプーリーの17mmのネジにレンチをかけて、エンジン手で回転させてみようと思ったんです。
すると全く回らないエンジン。
そうなんです。原因はエンジンが完全に焼き付いていたんです。
どうしてかというと、オイルパンがヒットしたことにより、オイルストレーナーからオイルが吸えない状態になっていた。
その状態で走っていたらエンジンが焼き付いて固着したと。
固着したエンジンをセルで回そうとして、抵抗が掛かるだけでカチッとしかいわなかった。
これが真相です。
試しに、規定量以上のオイルを入れて、わざとクランクのメインジャーナルまでオイルが行き渡るようにして、手で回してみましたがまったくびくともしませんでした。
セルモーターが回らない最悪の原因はエンジンの焼き付きだったというケースです。
今ではジャンプスターターもいいものが出ています。
一番お勧めなのは、コンデンサタイプです。安全で、寿命も長くお勧めできます。
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