普通の車屋さんをやっているとほとんど見かけなくなってきました。90年代を風靡したスポーツカーたち。
バブルが崩壊したとはいえ、日本で一番各自動車メーカーがスポーツカーをこぞって作っていた時代です。スカイラインGT-Rが復活して、日産ではZ32にシルビア、180SX。トヨタはスープラやセリカ。ホンダはNSX、シビックにインテグラ。マツダはRX-7にロードスター。スバルのインプレッサSTIに三菱はランエボやGTOなどなど。
それはもう数多くの名車が出てきた時代です。
これらのスポーツカーたちは今は25年ルールが適用になり、どんどんとアメリカなどへ輸出され、姿がなくなっていってしまいました。
普通の車屋さんをやってると、めったに入ってこないですよね。スポーツカーの整備。
この手の車が入庫してくると、ワクワクするのと同時に非常に気を使います。
このFD3Sなんて、ほぼオリジナルの状態をキープしている稀な個体です。
車検整備をするといってもリフトアップから何から何まで気を使います。
昔はかなり多くのFDに遭遇してきたんですけどね。
もし25年ルールというものが存在しなかったらどうだったか?日本のスポーツカーたちはそこまで輸出されないでいたかもしれません。
つまり超高騰している相場も、おちついていたかもしれないですよね。
僕が整備士になった頃なんか、32のGT-Rなんて下を見れば50万円以下でも手に入りましたからね。
今じゃ考えられない状態です。
高く買ってくれる人がいるということは、それだけ相場があがるということです。普通の感覚だとこの年代の車なんて、車両保険などでは全然価値がないとされます。
しかし流通している価格を見ると、違いますよね。
もう一度所有して乗りたい車は何かって聞かれたら真っ先にFD3Sを挙げますね。僕にと手後にも先にもRX-7という車を超える車は出てきません。
もうね、フェラーリだろうがランボルギーニだろうがかなわない魅力をFDは放っています。世界中を見渡してもロータリーエンジンを積んだFDより美しい車はないと思っています。