MHOエンジニアリング

現役猫系自動車整備士YouTuberチームMHOの車ブログ

AIがタイヤの状態を診断してくれるサービスやロードサービス、板金見積もりなど

以前損保ジャパンのAIサービスを紹介しました。車をぶつけてしまい、画像をLINEで転送するとAIが概算見積もりをしてくれるものです。

この他にも、AI絡みのサービスが出てきたので紹介します。

まずはブリヂストン。タイヤの状態をスマホで写真をとり、その画像を転送することでAIがタイヤの交換時期を診断してくれるというサービス。

タイヤの状態チェックといえば、ガソリンスタンドでした。最近ではセルフスタンドが多くなってきて、タイヤの心配をしてくれる店員さんとの接点がなくなってきました。

ガソリンスタンドでタイヤが売れる理由って、他の車関係のサービスよりもお客さんと接する時間がたくさんあるからです。整備工場などでは車検や定期点検、たまーにオイル交換などといったところ。

ガソリンスタンドは1ヶ月に1回はリピーターであれば来店してくれます。その時に

「タイヤが減ってきているので交換をおすすめします!」

なんて店員さんが教えてくれる。車のプロと接する機会が減ってきているので、確かにタイヤの状態を把握していない人が増えてきたように感じます。

それをAIがやってくれるわけです。問題はこのサービスをどのくらいの人が利用するかですね。認知されないと意味がないので。

続いてはロードサービス編です。事故やトラブルでエンコしてしまったとき、どこに救援を呼びますか?妥当なのがお世話になってる車屋さんかJAFですね。

しかし、保険会社のオプションでロードサービスが付帯されてるケースが多いんです。それを使えば無料で車を運んでくれる。

これを三井住友とあいおいがスタートさせるということです。こちらもLINEを使ってロードサービスを要請できます。

電話だとパニックになってしまいます。相手に上手く伝わらないことが多い。ですがLINEなどメール機能を使うと文章として残るので相手に伝わりやすい。

関係ないことですが、僕も最近は取引先の人にはなるべくLINEでやり取りをしています。電話だと時間がかかるし、いいことがない。

LINEだと時系列に受け答えができるので、忘れない。しかも双方のタイミングで受け答えができます。今ではディーラーなどがお客さんと修理や車検の依頼をLINEでやり取りするようになってきているので、どんどんと電話からシフトしていくかなと。

AIってデータを蓄積すればするほどズレもなくなるし、精度が上がってきますから。人間の仕事、ここから減っていくのですね。

AIによる事故概算見積もりが損保ジャパンより開発

これは車屋さんにとっては、そこそこ朗報になりますね。損保ジャパンがAIによる事故車の見積もりサービスを開発しているそうです。

まず従来の流れですが、交通事故が発生して車を板金修理に出さないといけない場合、加入している保険会社に電話報告をします。もし自分の車に車両保険が入っていたりすると、加入保険会社のアジャスターが現車を見に来ます。

そして、車両保険でまかなえる損傷であれば板金工場が出した板金見積もりが妥当かどうかをアジャスターも見積もりを出す。整合性が認められれば着工となります。

相手のいる事故の場合はクロス鑑定といって、相手側の保険会社が現車を見に来るようになります。

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事故が発生して修理着工まで、こういった手続きがタイムラグとしてあるのです。

お客さん側からしてみれば、一刻も早く修理してクルマが戻って欲しい。ですが、ちゃんとした段取りを踏んでからじゃないと修理着工できません。

簡易な板金修理などでは、写真を撮りながら作業を進めてもいいと言ってくれる保険会社もあります。

いずれにしろ、板金修理で保険を使う時ってとにかく見積もりというものが必要になる。

自社で板金をしている自動車屋さんならいいんですが、そうでない場合外注先に見積もりを出してもらう必要がありますよね。うちの会社もそうです。

外注先に何十枚という画像データを送付して、現車を持ち込めない場合は写真で概算見積もりをしてもらってます。

これが、今度大きく変わる。損保ジャパンがAIによる事故見積もりサービスを開発しているという。LINEで画像を転送すると、30分程度でAIが概算見積もりを作ってくれるというサービス。

これ、めちゃくちゃ便利ですね。詳細はまだ明らかになっていないのですが、できれば損保ジャパンに加入していない車両であっても見積もりができると嬉しいなぁ。

僕もお客さんから見積もりを聞かれることがものすごく多い。その場で

「大体でいいからさぁいくらぐらいかな?」

ってよく聞かれます。大きく金額が外れると困るので、大体多めに話すようにしていますが、それでも実車を板金に持ち込んだら思わぬ部位も損傷している・・。

なんていうケースがよくあります。

是非とも損保ジャパンさんは、広く門戸を開いていただいて、加入してない車両であっても見積もりを取れるようにして欲しいです。

10月の車販売はトヨタの一人勝ちだった件

10月の新車登録販売台数が分かりました。これを見るとトヨタの一人勝ちだったことがわかります。10位までを挙げてみます。

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1位 カローラ 11190台

2位 シエンタ 9302台

3位 ルーミー 6962台

4位 プリウス 6898台

5位 タンク 5420台

6位 ノート 5263台

7位 アルファード 5130台

8位 アクア 4967台

9位 ヴォクシー 4383台

10位 ヴィッツ 4383台

 

以上が10月の登録車販売台数ベスト10です。なんとトヨタ車が9台です。日産のノートが6位にきているものの、あとは全てトヨタ車。

これはなんとも際立っていますね。

ちなみに11位はフリードです。12位はセレナ。13位はRAV4。14位フィット。15位ステップワゴン。16位ヴェゼル。17位ソリオ。18位ノア。19位パッソ。20位C-HR

スト20まで見てもトヨタ車が多いですね。マツダ・スバル・三菱が出てこない。

マツダは21位にCX-30。スバルは30位にフォレスター。三菱は39位にデリカとなっています。

他のメーカー、元気がないですね。ちょっとビックリなのがルーミーとタンクがベスト10に入っているということ。ルーミーとタンク、特段新しいモデルでもありません。それじゃあということで、ダイハツの兄弟車であるトールは何位にランクインしているかというと、26位です。

同じ車でもトヨタの販売網だとベスト10に2台もはいってくる。いかにトヨタの販売網が強いのかがよくわかります。

それにしても、ここまでトヨタの一人勝ちだと面白みに欠けてきますよね。確かにトヨタは中間決算にて過去最高になってます。東京モーターショートヨタ会長の手腕で前年度は77万人の来場だったのに対して、今年は130万人を超えたということ。

トヨタの一人勝ちの要因の1つとして、社長の影響力っていうのもあると思いますね。自動車メーカーの各社長の名前、言えますか?って街頭インタビューするとして、多分パっと名前を出してもらえるのはトヨタモリゾー社長だけですよ。

日産もゴーンさんが失脚してからは、今って誰だっけ?です。

存在感をうまくアピールしていくのが今の時代って必要です。もっと前面に出てきていいと思います。トヨタ以外のメーカーも頑張ってもらいたい。

リコールを減らすためにスバルが取り組んでいること

ソースは日刊自動車新聞の記事です。86とBRZのリコールを昨日書いたばかりだったけど、今スバルはリコールを減らすために地道な取り組みをしていることが掲載されていたので、内容をざっくり紹介します。

近年スバルは昔では考えられないほどのリコールがでました。これは自動車業界全体で言うと、スバルに限った事ではありませんけど。

リコールって、本来ならないほうがいいに決まっています。無償で修理をしないといけないわけで、手間もお金もかかります。メーカーにとってはかなりの損失になるわけですね。

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エアバッグ問題からスタート下かと思えば、完成検査のリコール、さらにはエンジン内部のバルブスプリングといったヘビーなものまで。

一段落しつつありますが、細かいアップデートなどのリコールはちょこちょこでてきます。

スバルがリコールを減らすために取り組んでいることは、品質改善そのものです。車って全体的に見ればどのくらいの部品が集まってできているか、数えるだけでも大変ですよね。

それら全てを自動車メーカーが製造しているかというと、それは違います。例えばタイヤはタイヤメーカー。ショックアブソーバーも外注。電装品やミッションなどもサプライヤーから仕入れてます。

肝となるエンジンはOEMでない限りは、自動車メーカーが作ってるものが多いですが、自動車メーカーってそれら部品を統合して組み立てている会社です。

自分たちで製造している部品に不備が出たものなら、その失敗を次に生かすことだってできます。ですが、サプライヤーから買った部品に不備が出れば、複雑な気持ちですよね。

この部分を改善しようとスバルは取り組んでいるそうです。具体的には外製品品質海瀬推進部といった部署を設立して、300以上にわたるサプライヤーへ実際に足を運んでいるということ。

そこで何をするのかというと、部品の設計初期段階からスバルも連携して生産工程を考慮した図面作りをする。そして検証。実際に車に搭載される前の製造過程で、サプライヤーと密に連携して品質改善に取り組んでいるということですね。

すでに多数のリコールがでてはいるものの、こういった試みが成果を発揮してくるのは今後の話です。

きちんと製造過程から見守ってきた部品が出来上がり、車を組み上げて販売する。こうやって組み上げられた車には、部品の品質問題ではリコールが出にくくなるわけですね。

リコールって、自動車メーカーだけの問題ではありません。車を使ってる人だってリコールなんか出て欲しくない。リコールが出たら、車を預けて修理しないといけないですよね。その手間などって、実はなかなかのストレスになります。

当然修理を実施するディーラーや町工場も困ります。車を預かってる間に、代車を出さないといけないお客さんだっています。販売した町工場側からいうと、お客さんのリコールをディーラーに依頼したってお金にはなりません。自社の代車が取られて手間がかかるだけ。

はっきり言って迷惑なのです。ディーラーサイドはメーカーから作業料をもらえるにしろ、損をするのは販売店ですね。中には作業をさせてもらえるリコール内容のものもありますけど。

スバルの今後の取り組みに期待しています。一つでもリコールの数が減りますように。

内容がヘビーなリコールが出た時の対処を見ていくと、興味深いこと

まだ記憶に新しいリコールがあります。86とBRZのバルブスプリング交換リコール。このリコール、搭載されているエンジンが水平対向エンジンなのでエンジンを降ろしての作業になります。

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このバルブスプリング交換リコール、マツダのエンジンでも似たような作業がでました。

マツダのエンジンは直列エンジンで、シリンダーヘッドが真上に向いているのでエンジンを降ろさなくても作業は可能でした。

ちょっと前にレクサスにもバルブスプリング交換リコールが出たこともあります。水平対向エンジンになると、ボディとの隙間や作業性を考えるとエンジンを降ろす。

興味深かったのが、バルブスプリング交換リコールが出たとき、スバルはメーカー側が作業を請け負うということで全国のディーラーから、集中センターへ車両を集めてリコール作業をしました。

スバル側としては、BRZだけでなくて、XVやインプレッサフォレスターなど車種も台数も多いということもあったのでしょうか?

いずれにしろディーラーの負担を減らす方向に動きました。

実際に僕が住んでいる地域でも、このリコールを受けるときは2週間弱は時間がかかるのでスバルが代車を出してくれました。車両はやはり八王子へ搬入するなどしてリコール作業を行うということです。

ではトヨタはどうか?知り合いにトヨタディーラーの整備士がいて、話を聞くと販売した86は全て販売ディーラーでの作業になるとのこと。

実際に知り合いもリコール作業を行ったことがあるということで、メーカーからはガスケットキットと油脂類しか部品は提供されなかったと。ハードなリコールをディーラーでやっちゃうんですね。すごいねと感心しました。

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しかもディーラーで行う場合は2週間なんて悠長なこと言ってられないということで3日かけずに一気にやってしまうという。その場で一気にやってしまえば妥当かな。

お客さんへの負担も少なくなりますね。やっぱり代車を2週間も乗ってるのは神経使いますからね。

ちょっと興味深いのが、スバルのメーカーは今月をもってリコール作業をメーカーサイドで請け負うのを終了するとの情報。

オーナーの中にはもう少し経ってからリコールをやろうと思っていた人に、スバルから電話が入ったそうです。確かにメーカーでやってもらえるものを打ち切られちゃうと自社でやらないといけなくなってしまう。

負担は大きいからですよね。この2つの自動車メーカーのそれぞれの対応が面白かった。近隣ディーラー次第というところもありますけどね。

トヨタディーラー、頑張ってます。86を買うのは主にネッツが多いですかね?しかもここに来てライトエースのコンロッド交換リコール。

タイヤ交換で忙しくなるのにいい加減にしてくれ!って整備士は嘆いちゃいますね。それでも車に罪はなく、お客様最優先で作業を進めないといけません。

メーカーも自社で作っている製造部品ならあきらめもつくかもしれないけど、サプライヤーから卸してもらった部品に不備があると複雑でしょうね。

激しいリコールはいろんな失敗だって発生する可能性が高くなります。エンジン内部などのリコールは困っちゃいますね。

突然運転手が意識を失ったらどうする?電動パーキングブレーキでブレーキをかけられる車がある

こんなこと、起こってもらいたくもありませんし想像するだけでぞっとします。もし助手席に自分が座っていて、隣の運転手が車を運転中に意識を失ったら・・・・。

想像したことはあります。僕の場合だと家の用事は9割以上が僕自身が運転をします。しかし、お酒を飲んだときなど奥さんに迎えに来てもらったとき。

もし、この状態で奥さんの意識がなくなったらどうするか?

自分の家の車は古いので、助手席からできることって限られてしまいます。まずAT車なので、ギヤをニュートラルにはできるだろう。運転手がハンドルにもたれかかったまま意識を失ってしまえば、隣からハンドル操作で車を縁石にこすりつけて停止させるとかも難しいだろうな・・・。

サイドブレーキを掛け用にも足踏みだしな・・。とか。やっぱり無理やりハンドルを横から動かして左側の縁石にこすりつける作戦しかないかなと。

教習所の車って、助手席に座っている教官がブレーキを踏めるようになってましたよね。助手席側にもブレーキペダルがついている。

レバー式のサイドブレーキが真ん中にあれば、ロックさせない範囲でブレーキをかけるということも何とかできる。しかし今の車はほぼ足踏みサイドブレーキです。

さらに進化すると電動パーキングブレーキを採用しています。

電動パーキングブレーキってどういうものか?今までのサイドブレーキってレバーやペダルにケーブルがつながっていました。そのケーブルがリヤブレーキに接続されています。

レバーやペダルを操作するとケーブルが動いてリヤのブレーキシューを広げたりキャリパーのピストンを押し出したりと、油圧ではなく機械的にブレーキをきかせていました。

これが今、電動化されてますそれがEPBというもの。基本的にレバーやペダルがスイッチになりました。スイッチを操作するとブレーキに取り付けられているモーターが動いてブレーキパッドを押し付ける・ブレーキシューを広げるという動作をします。

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このEPSが有事の時に使えるメーカーがあるのです。スバルや日産、マツダ三菱などのEPBは車種によってはEPBのスイッチを操作し続けることで助手席からも、緊急時のブレーキ操作が可能となってます。

これも知っているだけで随分違う知識です。実際の走行シチュエーションで試せる場所って限られていますが、試せるのであれば一回体験しておけば後に役に立つと思います。

緊急時に覚えておこう!ペダル踏み間違い時加速抑制装置について

近年ペダルの踏み間違いが起因となる事故が多発してきています。老若男女問わずして事故が発生してきています。

人間焦ってパニックになると思わぬ操作ミスをしてしまう。その辺をクルマがカバーしてくれるようになり、誤発進防止装置などといったものが取り付けられるようになってきました。

 

今回はちょっと知っておいて欲しいところです。通常この誤発進防止装置の類は自動ブレーキの機能と連携しています。

レーダーだったりレーザーだったりカメラだったりで、目の前の障害物を感知してエンジンの出力を下げるなどといった制御をしています。

このありがたいはずの制御。逆に仇となるケースがあります。その辺をきちんと理解して、緊急時に備えてください。

 

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考えられるケースとして、踏切を渡ろうとしている場合。渡りきる前に遮断機が下がってしまった。まあこういう場合って、そもそもが踏切に入っちゃいけないタイミングで入ってるわけですけど・・・。

もし踏切の中で遮断機が降りてしまった時、場合によっては目の前に降りている遮断機に誤発進防止装置が働いて、エンジン出力を制限することがあります。

そんな時どうするか?出力制限がかけられた状態では踏切から脱出できない可能性があります。

もし遮断機に反応して装置が作動した時は、アクセルを踏み続けること。すると作動が解除されて発進が可能になります。

逆に目の前に障害物があって、警告音が出たらペダルから足を離して、踏み間違いを確認しないといけません。

万が一の時に覚えておいてください。これって国土交通省のプレスリリースに出ている内容です。

国交省がわざわざ自分でYouTube動画を使って説明もしているので、一度ご覧下さい。

https://www.youtube.com/watch?v=HvM6Fh-ELvw

覚えておいてそんはない知識です。