キャリィに乗ってる人から相談を受けました。
何もしてないのに勝手に4WDに入る時があって困ると。
なんとも不思議な症状ですが、車を預かって点検することに。
まずこの車の説明書もないし、あろうことかこの日はネットの障害でファイネスが閲覧できなかった・・。
ということで、完全に経験と感をもって診断をすることに。
まずはどのように2WDと4WDを切り替えているのか?
今の軽トラックって、ただボタンを押すだけで4WDに切り替えることができます。
このキャリィもパートタイム4WDですが、4WDに入れる時はレバーを操作します。
レバーを持ち上げると4WD。下げると2WDです。
操作感は明らかに何かのギヤを切り替えてるような手応えがあります。
では車両側を見てみます。
同僚にレバーを操作してもらうと、プロペラシャフト上のワイヤーが動いているのがわかりました。
4WDの切り替えを試してみると、レバーを上げるとフロントデフの方からシューイーンという音がして4WDに入りました。
それと同時にメーターパネルの4WDのマークが点灯する。
どうやらこのレバーで機械的につないでいるというよりは、4WDに入りますよ。ということを指示してスイッチに伝えているような感じです。
まあミッション内部にもなにかギヤをかみ合わせているのだろうと思いますが。
これがレバーを操作してないのに4WDにはいる?
続いてワイヤーが繋がっている部分の、バックランプスイッチのようなものを外してみます。
多分このスイッチが何かをしているのは明らかです。
外したスイッチを手で押してみると、導通するようになります
つまりスイッチはON・OFFできています。
ではなぜ、勝手に4WDに入ったりするのか?
スイッチを外した状態で、レバーを操作してみました。
レバーを下げている2WD時
レバーをあげている4WD時
ミッション内部の突起が移動しています。
これを見るとわかるのは、写真だと分かりづらいけれど、2WDのときは突起が高い位置にあるんです。
逆に4WDのときは突起にRがついて下がっています。
つまり、2WDの時にスイッチを押して4WDの時はスイッチをリリースしている。
そんな位置関係にあると。
さらにテストをすると、走行時にかってに4WDに変速しようとするが、切り替えレバーを押さえつけているとその症状は治まっているということです。
以上のことを踏まえて、出した結論はこの接点が摩耗してしまっていて、正常にスイッチングできなくなっているということです。
最悪の場合、ミッションの突起が減っている。
とりあえず状態をお客さんに伝えて、安い方で試してほしいと言われました。当然です。
試しにスイッチについてるパッキンを外した状態で、車体に取り付けると症状が治りました。
やはり狙った通りです。では、新品のスイッチはどこまで突起があるのか?
取り寄せてみました。
古いスイッチと比べると若干突起が鋭くて長いです。
新品のスイッチに交換したら、リーチが届いたのか症状が治りました。
今後、再発するようならミッション内部の部品を変えるか、それとも安く済ませたいのならミッションケースを少し削って、スイッチをさらに奥へ出すかのどちらかになります。
とりあえず修理はスイッチ交換をして症状が改善できたので、ここまででいいと。
キャリィに乗ってる人はご参考までに。
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