整備士の中で引っかかる人が多い故障。
スズキ車で、パワーウインドウが下がるけれど上がらない。もしくは逆で、上がるけれど下がらない。という症状。
こちらのスティングレーは助手席の窓ガラスが下がるけど上がりませんでした。
最初何が起きてるのかなと、内張をバラしてチェックしてみました。
ちなみに運転席側と助手席側のどちらのスイッチで試しても同じです。
大体モーターにつながるカプラーを抜いて、そこに電気が来ているかどうかで判断すると思います。
この手の症状の時って、カプラーをぬいたりさしたりすると直ることがあります。
助手席側のスイッチのカプラーを抜いたり刺したり、パワーウインドウモーターのカプラーを抜いたり刺したりしましたが、症状全く変わらず。
そもそもルームランプを点けた状態でスイッチを上げる方向へ操作しても、どうも負荷がかかっていないように感じます。
普通スイッチングに問題がなければルームランプが一瞬暗くなったりするものですけど。
モーターは二極カプラです。赤と紫の配線で、多分赤い方が上げる方だと思います。
それぞれスイッチを操作して電気を調べると、赤が上げる方。紫が下げる方で、スイッチを操作した時にバッテリー電圧かかることが判明しました。
パワーウインドウの故障で、ドアヒンジ部分の配線切れとかも疑いますけど、モーターへ電源が来ているのでそれはないのかなと。
取り合えず待っててもらってるので試してはみました。
スイッチを上に上げた状態でハーネスを、運転席・助手席ともにゆすってみても全く反応なし。
モーターは下げる方向へは動いているので、焼き付きは多分考えられない。レギュレーターも目視で問題はなさそう。
ほとんどの整備士はこういった診断をすると思います。で、結論としてパワーウインドウモーターがダメなんじゃない?
という結論を出してしまうんですが、それは誤診です。
そもそもモーターって、電気の流れを反対にすると反対に動きますので。
パワーウインドウモーターがどちらか一方で動いているのなら、モーターはとりあえず除外。
それを制御しているのはこれ。
メインスイッチです。
スズキ車で、パワーウインドウが上がるけど下がらないとか、もしくはその逆のパターンの場合はメインスイッチを疑ってください。