タイトルのような相談を受けました。
後輩君が、何やら部品屋さんを打ち合わせをして、僕に聞いてきました。
すると、エアコンのコンプレッサオイルをお客さんにおススメしたいと!部品屋さんも今なら仕入れ値から1割引いた特別プライスで、この夏出してくれるんですよ!と。
すでに販促用のチラシは部品屋さん側が作ってくれてきていて、部品代と工賃込みで5000円です!
というような内容になっていました。
僕はキャンペーンは賛成で、明日から進めてもいいよと。支店長には自分から伝えておくからと。
喜ぶ後輩君と部品屋さん。
最後に2つ質問をしてみました。
僕「後輩君はコンプレッサオイル、自分で試したことはある?」
と。
すると
後輩「いや、まだないんですけど・・・効果が凄いって部品屋さんも言ってますし・・」
ちなみに売ろうとしているコンプレッサオイルは僕も知ってるN社の高級コンプレッサオイルでした。
もう1つの質問をしてみました。
僕「では、エアコンが効きが困ったお客さんが来たとします。当然、その人にはこのオイルは勧める?」
後輩「それはもちろんです」
僕「コンプレッサオイルの補充だけなら低圧から流し込めばいいし、待ち時間もそんなにかからないから、店頭で待っていてもらってもできるよね?」
後輩「そこがポイントです!」
僕「では、そのお客さんの作業が終わって、車のエアコンのクオリティがお客さんの思っているものと違うものだったらどうする?」
後輩「えっ?どういうことですか?」
僕「お客さんはエアコンの効きを良くしたいと思って来店していて、そのコンプレッサオイルを入れて、体感できるほどの差がなかったら、お客さんの満足度はどうなると思う?」
後輩「・・・・・そんなこと・・・効きはよくなりますよねぇ?」
と、同席している部品屋さんに助け舟を出す後輩君。
部品屋さん「もちろんです!必ず体感ができます!」
僕「実は僕は、自分でワコーズのパワーエアコンプラスを試したし、このコンプレッサオイルのOEM商品も試してことがある。エアコンの吹き出し口に温度計を当てて、どの程度下がったか計測したことがあるんだけど、どの程度下がったと思う?」
後輩「え、?どうだったんですか?」
部品屋さん「・・・・」
僕「いじわるな質問になったけど、その答えを販売する側が知っていないと、すべての人に勧められるかっていうのは難しいと思う。まずは仕入れ値でいいから自分で買って、自分の車で試してみな!それで凄い効果が出て自信をもって販売できるのなら迷いはなく売れるはずだしね!」
後輩「そ、そうですよね・・・」
つまり、何が言いたかったのかというと、人にものを売ろうとするときは必ず自分でそれを試してみろということです。
コンプレッサオイルを入れて100人中100人全員が体感できるかというとそうではないわけです。
エアコンガスが相当減ってる車にガスチャージして、効きが回復するのとはわけが違う。
お客さんの期待値にその商品が届いていなければ、お客さんの満足度が下がる。すなわち次回から信用に欠けてしまいます。
もちろん商売なんだからものを売ってなんぼです。でも、売るにはちゃんと責任をもって売らないと駄目だよという話です。
結局1週間後にこの商品を取り扱いだして、この後輩君はガンガンと売り上げを伸ばしています。自分で試して納得がいき、実際に身銭を切った体験談として信ぴょう性のあるトークでお客さんと話しているようです。
今の整備って、昔の整備とはまた違います。故障を直すのではなくて、こういった利益につながるものを売ろうとするというのは、確固たる何かを持ってないと気持ちがぶれちゃうので。
自分で試すという事は非常に重要だと思います。