この前、同僚の整備士を話をしていて思った事。
例えば、エンジン不調の車が入ってきたとして、それがイグニッションコイルがリークしているとします。
普通の整備士であれば、イグニッションコイルの全数交換とプラグの交換をお勧めするでしょう。
さらに慎重派の整備士であれば、イグニッションコイルは純正品で交換をお勧めする。
僕も初見で入ってきた車なら、ダイレクトイグニッションを全数純正パーツで交換。そしてスパークプラグも交換という見積もりを提示します。
そこから先はお客さんに選んでもらう。
純正から社外にすれば、これだけ部品代は安くなりますよと。
ただし、純正とは違うので、交換後どの程度持つのかは不明です。
お客さんによっては、その車をもう長く乗るつもりがないので、最低限で修理してほしいという人も居ると思うんです。
そんなリアクションを取られたとき、整備士としてはちょっと顔が曇ってしまう。
この場合の最低限の修理っていうと、壊れたイグニッションコイル1つの交換だけで済む話です。
機能しているコイルなら、純正でなくても社外でも中古でもなんでもいいわけ。
それをよしとできるかどうか。
整備士の中には、その後に不調になるのは目に見えているので、コイルを全数交換というのをごり押しする人も居ると思います。
これもまた当然。なぜならば、直してもらったはずなのにしばらくしてまた同じようにい壊れた!というクレームを多くの整備士は受けているからです。
ただ、この場合って最終的に決定権はお客さん側にあるわけです。
僕も長年整備の現場にいて、クレームも一周回って経験しました。
なので、最初は一番高くて安心できる見積もりであるということは間違いないです。ただ、最後はお客さんに寄り添えるかどうかという所です。
この場合、僕は最安値で修理できる方法を探して提案します。もちろんそれに伴うリスクも重々承知してもらう。
そうしないとクレームになりますから。今は直せるけど、どの程度持つかわからない。結局中古で交換したとしたら、その後交換した中古パーツもダメになるかもしれないと。
整備士の中では、確実を求める為にお客さんと折り合いがつかなくなるケースもあります。ですが、僕は最終的にはお客さん側のニーズに合わせるべきだなと思っています。
もちろんその部位で走行不能になったりブレーキが効かなくなるといった、ヤバいところは避けますけどね。
修理は正確確実で。だけどお客さんが求めているものは何なのかと。
そこも無視しちゃいけないよなって。最近よくお客さんと話をして、自分の考えと食い違って理解されていることもあったりして、再度初心に帰るべきだと思いました。