まずはこちらをご覧ください。
空燃比薄いというコードが入っています。
普段はあまりお目にかかれないコードです。車両は走行距離が20万キロを超えています。
空燃比が薄いということは、燃料が足りていないのか、それに伴う制御系統の不良なのかすみ分ける必要があります。
データモニタでO2センサからのフィードバックを確認してみると、さほど悪くなさそうです。とりあえず、現象を確認しながらデータを集めることからスタートです。
この車両はタイミングベルトの交換時期でもあります。
エンジンのヘッドカバーを開けてみるとご覧の通り。真っ黒です。メカニカルノイズも大きいため、バルブクリアランスの調整も必要だと感じました。
外したプラグとエアクリーナーの状態。エアクリーナーはそれほど悪い状況ではないものの、プラグに関しては新車当時からずっとそのままのような印象を受けました。
この位の年式と走行距離になると、燃料ポンプの状態が悪い可能性もあります。
タンクを降ろしてポンプの現物を点検する前に、とりあえず燃圧を点検。
燃圧を計測してみると、それほど悪くない数値です。
ポンプは数値上悪くはないので、後回しにします。いくら燃圧が上がっていても、それを噴射するインジェクターが詰まっていたりするとリーンになりうる。
この車両のインジェクターは簡単に脱着ができるのでラクチンでした。
非常に確認づらいのですが、マルチホールインジェクターの噴射口が見事に汚れまくっています。
これでは、燃圧があがっていたとしても蛇口の先端が詰まってるため燃料が足りなくなってしまう。
インジェクターがこれほどまで汚れている原因は何故なのか?走行距離ということもありますが、原因はエンジンオイルの入れすぎではないかと推測します。
ブローバイが過多になってしまい、それがインジェクタを詰まらせた。
オイル管理もよくないので、エンジンオイルを使ってフラッシング。タイミングベルトを交換してバルブクリアランスを調整。プラグも新品に交換。
最後にインジェクタをクリーニングして、PEA配合の燃料添加剤を入れておきました。
基本的なメンテナンスが原因でエンジンが不調になる事もあります。
作業後、データモニタを点検して再発しないことを確認して終了。
この車は結局40万キロ近くまで走り切って、代替えとなりました。頑張った!