この画像は僕が遭遇して、持っている中で一番エンジン内部にスラッジが溜まっている画像です。
よく覚えているのがスバルのプレオ、マイルドチャージャー搭載車。概要をざっと説明すると、この車両は車検ごとにしかオイル交換をしてきませんでした。
そして、何回目かの車検でエンジンのメカニカルノイズがひどいという事、ヘッドカバーやヘッドガスケットからのオイル漏れが激しいということで、ヘッドを降ろすことになった。
ヘッドカバーを開けてみたらこの状態。
過去に何度かスラッジが堆積しているエンジンを目の当たりにしましたが、これはベスト1に入るくらいひどかったです。
ロッカーアームもこの有様です。
ここまでひどくなると、もう載せ替えとかそのほうがいいんじゃないのって思ってしまうくらいです。それか壊れるまで乗るかどうか。
オーナーは現物を修理してほしいということで、ヘッドをOHしました。
エンジンオイルってもちろん液体です。
粘度があって、エンジン内部を潤滑しているわけです。オイルはエンジン内部の燃えカスやらカーボンなどを包み込んでいきます。
オイルが劣化してきたら排出して新油を入れる。これがオイル交換の意味。
オイル交換をしないで使い続けると、燃えカスやらカーボンがどんどんとオイルに交じっていき固体化していく。それがスラッジとして堆積していきます。
シリンダーブロックにはスラッジはほぼ堆積しません。スラッジが堆積するほどのクリアランスがないというのと、ピストンとシリンダーの摺動である程度は搔き落とされるからですね。
オイルパンをはがすと、やはりスラッジはたまっています。
日本のエンジンってやっぱり頑丈だなと実感しますね。
こんな状態であっても車が動いていましたからね。排気ガスだってギリギリ基準内に収まっていました。
バルブクリアランスがくるってくると、排ガスも汚くなります。クリアランスを適正に調整しようにも、あれだけスラッジが溜まってると正確に取れません。
徹底的に洗浄してクリアランスを測定。使える部品は再利用。
そもそもこのプレオは入庫時点でタイミングベルトの交換時期でもあったので、工賃を考えるとタイミングベルト系統プラスアルファのヘッドOHということです。
そう考えると、もともとこの時の車検ではある程度出費を覚悟しなければいけない時期にきていました。
オイル交換をしなくても、エンジンが壊れるところまではいかなかった。
高額な修理代はかかったけれど、もともとその時点ではタイミングベルト交換などを控えていた。
これらの結果、今でもオーナーはあまりオイル交換をこまめにしない傾向が続いています。
ただ、退職されているので車検から車検までの間の走行距離が1万キロにみたないため、ここまでひどい状態にはならない。
オイル交換って、ちょっとお店に顔を出せばできるのに、ここまで放置されるのも珍しいよなぁって。
ガソリンスタンドに給油に行くときなど、オイル交換を営業されなかったのかも不明ですね。
スーパーチャージャーだったので、ターボと違ってブローしなくて済んだというのも幸いでした。