ディーラー以外の車屋さんの共通の悩みだと思います。僕もその一人。
リコールという作業。これが非常に曲者です。リコールというのは、車に不備が見つかって自動車メーカーが無償で修理する制度です。
保証延長やサービスキャンペーンとは違って、車のユーザーに自動車メーカーからDMが届きます。そして、車検で車検証を更新した時にもリコール作業が未実施の車に関しては、車検証と一緒にその通知が配布される。
リコールは2通りに分けられます。絶対にディーラーで作業しないとできないもの(基本的にECU書き換えなど専用診断機を使う内容)、そして部品を町工場へ供給して、提携している認証工場で作業が受けられるものです。
町工場で作業ができるものに関しては、作業代をディーラーに請求することができます。
これならまあ納得できる。しかし問題なのはディーラーでしかできないリコール。これが町工場を苦しめます。
ディーラーでしかできないリコールのジレンマ
ディーラーでしかできないリコールの作業フローは以下の通り
1、お客さんへDMが届く
2、お客さんが車を買った車屋さんに相談の電話
3、車を売った車屋さんは自社で作業ができないので、販売元のディーラーに相談
4、ディーラーの整備可能な日付を聞いてお客さんに相談
5、日程のすり合わせをしたら車を預けてもらって(通勤に使ってる人には代車を出す必要がある)ディーラーに搬入
6、作業が終わったらディーラーへ車を引きあげに行き、お客さん宅へ納車か来店してもらう
このフローに発生する手間賃は基本的にもらえない。
やっぱりお客さんがDMをもらって相談するお店って、買ったところになります。だけど、自社で作業ができない場合は工場からディーラーへ予約を入れる必要がある。
その間お客さんには自社の代車を出さざるを得ない。
そして、これだけの手間が発生しているにも関わらず基本的に手間賃はディーラーからもらえないのが9割以上。
うちの近隣ディーラーだと、D社は搬入手数料として1台当たり1000円~2000円支給してもらえます。しかし他のディーラーは搬入費用をもらえません。自社の代車を出していてもです。
ディーラーはリコール作業をした際にはメーカーから作業代をもらえます。
本来ならその作業代から業販をしている工場へ搬入費を出すべきだと思う。これは僕の正直な思いです。
リコール作業ってディーラーとお客さんの間に入って日程のすり合わせや代車の確保が非常に手間です。
この前は予定していたリコール作業をディーラーで時間を勘違いしてくれていて、お客さんの来店時間に間に合わなかったというあってはならないことも発生しました。
でも仕事を引き受けている以上お客さんに謝るのは受けた整備工場ですから。
その点、自社で作業をさせてもらえるものは非常に助かります。難解なものもありますけど、お客さんや作業フローの行程を組みやすい。そしてちゃんと工賃ももらえますからね。
もし僕が今の会社である程度の地位まで登ったとしたら、必ず近隣ディーラーとは搬入費などを出してもらうように交渉したいと思っています。
ディーラーもおそらく割に合わない工賃でやってるのかもしれないので、自動車メーカーに交渉しないとだめかもしれないですよね。
もしかして、うちの工場だけもらってなかったりして?
そもそも最近リコール多すぎ!