先日このブログでも取り上げましたが、車のチューニングメーカーのトップを走っているHKS。そのHKSがGT-RのエンジンであるRB26DETTにある試みをしています。
それがADVANCED HERITAGEというもので、発売当初の280馬力でリッター7kmだったGT-Rのエンジンを環境面にも配慮して進化させるものです。
その目標数値が途方もない。600馬力のリッター20kmだというのですから度肝を抜かれました。
RB26DETTっていうと30年近く経過しているエンジンです。それを600馬力のリッター20kmにするなんて不可能じゃないのかって思ってしまいます。
現行の日産GT-RのVR38DETTでそれを狙うというのなら、まだ現実味も出てくるけれど。30年前のエンジンで成し遂げようとしているところに夢を感じます。
実際にHKSのYouTube動画を見ると技術解説をしていて、見ている限り不可能を可能にしそうな感じもします。
この時点で僕が思ったことは、HKSにこれが可能なら、自動車メーカーはどうしちゃったのか?ということです。それともHKSのエンジン開発の技術力は日本の自動車メーカーのそれをも凌いで相当高いものなのか?
それにしたって、資本金や開発資金などの関係から考えるとどう考えても自動車メーカーどうしちゃったの?って思わざるを得ないですよね。
アドバンスドヘリテージ制御がもたらす革命とその障壁は?
ここから少し推測も混じってきます。HKSの試みが成功可能なものであれば何故自動車メーカーがそれをできないのか?
まず1つは価格の面ではないかと。HKSももちろん商売をしないといけないわけですが、ターゲット層が違う。
自動車メーカーは数百万もするエンジンを普通の車に積むことはできないし、それをすると商売自体があがったりになってしまう。
HKSユーザーにはガチンコのお客さんばかりなので、開発したら一定数以上の需要がでてくると思います。
車にかけるものがかけ離れているユーザーっていますから。
でもここで矛盾も生まれます。だったらスーパースポーツと呼ばれる部門でこの数値を炸裂させてはどうなのか?と。
日本でいうと日産GT-RやホンダのNSX。トヨタのスープラなどですね。これらの車って、昔に比べると一般庶民が到底買えない価格帯になってきています。
コストを度外して、これらのスポーツカーにそういった技術をぶちこんだらどうなのか?やはり富裕層だって燃費がいいほうがいいに決まってます。
何故ならガソリンスタンドに行く回数が減らせるし煩わしくないですからね。
世界の自動車メーカーが作る車を見ても、純粋なガソリンエンジンで600馬力のリッター20kmなんていうパワーユニットは聞いたことがありません。
と、するとHKSが行おうとしているのはやはり前人未到の挑戦なのかもしれない。この技術が本当に成立して証明できたとしたら、これはこれで革命だと僕は思います。