車の基本的なメンテナンスとして、エンジンオイルの交換があります。オイル交換って、お店に任せないで自分でやってしまう人もいます。
しかしこの頃ってオイル交換自体がちょっと難しくなりつつあります。昔に比べてオイル交換が難しくなってきた理由を書いてみます。
アルミのオイルパンが増えてきて締め付けによるトラブルが多い
急増しているトラブルとして、アルミエンジンのドレンボルト舐めがあります。
ダイハツのKFエンジンやスズキのK6Aエンジン辺りから、オイルパンがアルミになってきて入庫してくる車の多くが舐めていました。
ホンダはその前からオイルパンはアルミでしたが、ネジの系が太いという事もあってかあまり舐めるという話はありません。
初期型のKFエンジンはドレンボルトの長さも短かったですが、おそらくトラブルを受けてドレンボルトも長くしたんだと推測します。
アルミのオイルパンは要注意という点。
オイル交換後にリセットが必要な車が多い
続いて増えてきたのはオイル交換後のリセット作業です。
スカイアクティブDが市場に出回り始めたころから、オイル交換が終わったらリセット作業をしないといけないエンジンが増えてきました。
単純にメンテナンスマークが点灯するだけのスズキやホンダもありますが、スカイアクティブDなどはきちんとリセットすることが必要です。
そのリセット方法も初期のタイプは難しかった。
オイルの量は厳守!燃料希釈に要注意!
これも前のスカイアクティブDのオイルリセットに関連することです。
ディーゼルエンジンが黒煙モクモクのものから、クリーンディーゼルに変わったのはコモンレールシステムが搭載されたからです。
今までのように噴射ポンプを使って燃料を供給しているものから、高圧なインジェクターをつかってきめ細かい制御をするようになりました。
その結果、DPFなども搭載することで黒煙が減少したわけです。
しかし、コモンレールインジェクターからシリンダーへ流れ込む燃料があり、オイルレベルゲージには、このラインまでオイルが増えてきたら交換してくださいというメモリが別途ついています。
オイルを食うのならわかるんですけど、オイルが増えるという現象が発生するようになったのがコモンレールの特徴。
この為、エンジンオイルの量は厳守しないとだめでした。そうしないとどれだけ燃料で希釈されているのかがつかめないから。
オイルが燃料で希釈されていると、潤滑性能が失われるためオイルとして使えなくなります。
あ、入れすぎちゃった。というのはもはや厳禁です。
オイルの粘度や種類の選定が難しくなった
オイルも種類が相当増えてきました。
トラックならDL-1やDH-2。低粘度オイルも0W-20や0W-16、0W-8等。
これらは互換性があればいいんですけど、そうでないものを使うのは厳禁です。
例えば昔のトラックにDL-1を入れても大丈夫とされていますが、今のクリーンディーゼルにCFのディーゼルエンジンはDPFが詰まるため駄目です。
低粘度オイルも同じ。0W-8が設定されている日産デイズには0W-16や0W-20だって使えます。
しかし最低粘度が0W-20に設定してある車には0W-16や0W-8を使うことは厳禁です。オイルのクリアランスが違うからです。
オイルの選定も難しくなってきています。
昔みたいに用品店に行ってオイルを買って気軽にオイル交換。これができなくなってきているのはさみしい限りですが、今のエンジンは昔のものに比べて相当熱効率も上がっています。
つまりかなりギリギリのところまで性能が上がってきているので、メンテナンスも難しくなってきていると言えるのかもしれません。