車の基本的なメンテナンスといえば、エンジンオイルの交換です。教習所でも、運行前点検でオイルの量を点検しろと教えてもらえたはず。
車に乗ってるオーナーのほとんどが認知しているオイル交換というメンテナンス。定期的に交換をしないとオイルが汚れて劣化していくのは、想像するまでもありません。
自動車整備の現場にいると、オイル交換をしてほしいとオーダーを受けてびっくりするようなケースがたまにあります。
オイルランプが点灯したからオイル交換に来る人
結構多いのが、オイルランプが点灯したからオイル交換に来た。という人。レベルゲージを抜いてみると、オイルがほとんどついてきません。
つまり、オイルが燃えてしまったり漏れてしまったりしてエンジンの内部にほとんど入っていない場合。
これ、よくあります。実際にオイルランプが点灯したらどうなるのか?エンジンは焼き付いてしまうのではないか?というと、そうでもありません。
ドレンボルトをとってみると、一滴も出てこないエンジンもあります。それでも異音すらしないで回り続けるタフなエンジンもあります。
三菱の3G83という軽自動車に積んであるエンジン。これはタフです。オイルが仮になくなっていたとしても、オイル交換をすれば問題なく走り続ける。
逆にオイルがはいってないとまずいのがダイハツのKFエンジン。こちらは初期モデルなどはすぐに打音が発生します。
画像にうつっているのはダイハツのムーヴ。EFエンジンです。ランプが点灯したということで来たわけですが、実際に量を測ってみると0.5リットルしか抜けてきませんでした。およそ4分の1以下しかエンジンにオイルが残っていない。
それでもオイルを入れたら、とりあえず焼き付かないで動き続けました。
ただこちらのエンジンはオイル交換をほとんどしなかったために、可変バルブタイミングのDVVTソレノイドユニットの動きが悪くなり、エンジン不調を起こしていました。
しかしこれだってソレノイドバルブを交換すれば直ってしまう症状でした。
つまり、エンジンによってはオイルが入っていなくてもある程度耐えてしまうエンジンが存在するのです。
自分の乗ってる車では考えたくもないようなケースですが、少数派ながらそういう人も存在します。そしてそれに耐えてしまうエンジンもあるのです。
日本のエンジンって、タフなものが多いよな・・・。と、そのたびに感心させられます。