MHOエンジニアリング

現役猫系自動車整備士YouTuberチームMHOの車ブログ

AUTO点滅でエアコンが効かないモコ

日産 モコ が定期点検で入庫。

追加で「エアコンが全然冷えない」との相談もありました。

症状としては、
・風量は正常
・送風は出る
・しかし冷風にならない

さらに確認すると、オートエアコンの「AUTO」表示が点滅している状態。

この点滅、実はオートエアコンシステム異常時に出るサインです。

このタイプは簡易自己診断機能が搭載されているため、まず診断を実施。

手順は以下。

① 温度設定を25℃に合わせる
② 日射センサーに光が当たる状態にする
③ IG ON後、5秒待機
④ 「AUTO」と「デフロスター」を同時押し

するとエアコンパネルが点滅し、自己診断モードへ移行します。

 

今回は何らかの故障コード表示を期待しましたが、結果はまさかの「異常なし」。

 

ところが、一度電源をOFFにして再始動すると……

普通に冷える。

おそらくエアミックスダンパーやモーター系が一時的に固着し、自己診断操作をきっかけに復帰した可能性があります。

ただし原因は断定できず。

なお、この世代のオートエアコンユニットはすでに廃盤品。

今後は中古部品やリビルト対応が中心になりそうです。

古い軽自動車は、「壊れてるけど今は動く」が一番悩ましいですね。

 

 

 

 

エアコンは添加剤が割と効きます

オイル漏れでベルトが切れる理由

「走行中に突然バッテリーランプが点灯した」

そんな症状で入庫してきた車を点検しました。

実際に確認すると、メーターにはしっかりと充電警告灯が点灯しています。

まずはベルト関係を疑いながらリフトアップしてみると、下回りはかなり深刻な状態。

エンジンから漏れたオイルが広範囲に飛散し、マフラー付近にまで付着していました。

これは煙や異臭だけでなく、最悪の場合は発火リスクもある危険な状態です。

そして充電不良の原因を確認すると――

補機ベルトが完全に切れていました。

なぜこうなったのか。

原因は長期間放置されたオイル漏れです。

漏れたオイルが回転中のベルトへ付着すると、ベルトは滑り始めます。

さらにオイルでゴムが劣化し、摩耗が加速。

最終的にはベルトが削れ、切断してしまいます。

ベルトが切れるとオルタネーター(発電機)が回らなくなるため、充電警告灯が点灯します。

今回の車両も、清掃して新品ベルトへ交換すれば一時的には走行可能になるでしょう。

しかし、オイル漏れ本体を修理しなければ再発は時間の問題です。

車の整備は「壊れた部品だけ交換」ではなく、なぜ壊れたのかまで追いかけることが重要。

オイル漏れは、
・火災リスク
・ベルト切れ
・異臭や煙
・ゴム部品劣化

など、さまざまなトラブルを引き起こします。

小さな漏れでも放置せず、早めの点検をおすすめします。

 

 

 

 

 



エブリィが急に右へ曲がる…原因はまさかのコイルスプリング折損

「走行中に突然“バンッ”という音がして、それ以降ハンドルが右に取られるようになった」

そんな相談で入庫したエブリィ。

 

営業スタッフがレッカーしてきたのですが、第一印象は

 

「パワステが壊れてる感じがします」

 

とのこと。

最近の軽自動車は電動パワステなので、もし本当に故障ならかなり珍しいケースです。

まずは停車状態で確認。

エンジン始動後、ハンドルを左右に切ってみると、電動パワステは正常に作動。警告灯も点灯していません。

 

「パワステではなさそうだな…」

 

と思いながら構内を動かすと違和感。

 

真っ直ぐ走らず、ハンドルがどんどん右へ持っていかれます。

かなり強い症状だったため、サイドスリップを測定。

結果はアウト12mm/m。

 

明らかに足廻り系の異常です。

リフトアップして点検すると、

・タイヤ異常なし
・ホイール変形なし
・ロアアーム曲がりなし

しかし、さらに確認していくと原因を発見。

 

フロント右のコイルスプリングが折れていました。

おそらく、走行中の「バンッ」という音は、このスプリングが破断した瞬間の音だったのでしょう。

 

この車種、過去にコイルスプリング関連で保証延長が出ていたため確認しましたが、残念ながら期間終了。

 

結果、有償修理となりました。

 

 

最終的にはスプリング交換とアライメント調整を実施し、症状は改善。

 

ただ、足廻りをしっかり直そうとすると、アッパーマウントなど関連部品も交換したくなるため、修理費用はそれなりにかかります。

 

冬場に塩カルを浴びる地域では、スプリングの錆対策はかなり重要。

ノックスドールなどの防錆施工も有効かもしれません。

 

 

ダイハツ初期スマアシ車は要注意!バッテリー交換後に「レーダー停止」が出る理由

ダイハツの初期型スマートアシスト搭載車では、バッテリー交換後にスマアシが停止してしまうケースがあります。

 

実際、交換後にメータへ

  • [14E]
  • [レーダー停止]

と表示され、

「壊れた?」
「故障コード?」
「カメラ異常?」

と勘違いされることも少なくありません。

しかし、この症状の多くは故障ではなく、「舵角センサ中点の初期学習未実施」が原因です。

今回は、なぜこの現象が起きるのか、そして復旧方法を分かりやすくまとめます。


なぜバッテリー交換でスマアシが停止するのか

初期型スマートアシスト車では、舵角センサが「ハンドルの真っ直ぐ位置」を記憶しています。

これを「舵角中点」と呼びます。

ところが、バッテリー端子を外すと、この記憶が消えてしまう場合があります。

すると車両側は、

「今ハンドルが真っ直ぐなのか分からない」

という状態になります。

スマートアシストは、

  • 車両姿勢
  • 走行方向
  • ハンドル操作量

などを利用して制御しているため、中点情報が失われると安全制御を停止します。

その結果、

「レーダー停止」

が表示されるわけです。


学習が必要か確認する方法

IG ON時にメータ液晶へ、

  • [14E]
  • [レーダー停止]

が表示されている場合は、舵角中点学習が未完了です。

逆にこの表示がなければ、特別な作業は不要です。


舵角中点 初期学習の手順

① エンジン始動

まずエンジンを始動します。


② ハンドルを10°以上動かす

ステアリングを左右どちらかへ10°以上切ります。

その後、ハンドルを中点(直進位置)へ戻します。

ここで「ハンドルを動かした」という認識を車両へ与えます。


③ 10km/h以上で走行 → 停止

Dレンジへ入れ、約10km/h以上まで加速。

その後ブレーキを踏み、一旦停止します。

この動作は複数回行っても問題ありません。


④ 40km/h以上を約5秒維持

ここが重要ポイントです。

ハンドルをできるだけ真っ直ぐ保持した状態で、

  • 約40km/h以上まで加速
  • その速度を約5秒以上維持

します。

この条件を満たすことで、ECUが「現在位置=舵角中点」と学習します。


学習完了の確認方法

メータ液晶から、

  • [14E]
  • [レーダー停止]

表示が消えていれば完了です。

もし消えない場合は、再度同じ手順を行います。


スマートパノラマパーキングアシスト装着車は条件が違う場合あり

一部車種では、

  • 20km/h以上
  • 約3秒以上維持

という条件の資料もあります。

年式や装備差で条件が異なる場合があるため、整備書確認が確実です。


まとめ

ダイハツの初期スマアシ車では、バッテリー交換後に舵角中点情報が消去される場合があります。

その結果、

  • [14E]
  • [レーダー停止]

表示が出てスマートアシストが停止します。

しかし多くの場合は故障ではなく、走行による初期学習で復旧可能です。

知らないと、

「修理が必要?」
「センサー故障?」

と焦りがちなポイントですが、実は比較的よくある現象です。

バッテリー交換後に警告が出た際は、まず舵角中点学習を疑ってみましょう。

 

 

車内スプレーが原因?ブレーキランプ不点灯につながる「シリコン汚染」とは

最近の車は電子制御化が進み、小さなスイッチ一つでも車両全体へ影響を与える時代になっています。

その中でも、整備現場で時々問題になるのが「シリコン汚染」による接点不良です。

実は車内で使用する、

  • 芳香剤
  • 消臭スプレー
  • 制汗スプレー
  • 艶出し剤

などに含まれるシリコン成分が、ストップランプスイッチへ悪影響を与えるケースがあります。

ストップランプスイッチとは?

ブレーキペダル付近に取り付けられている小さなスイッチです。

ブレーキを踏むことでON/OFFし、

  • ブレーキランプ点灯
  • シフトロック解除
  • クルーズコントロール解除
  • ハイブリッド制御

などへ信号を送っています。

昔の車なら「ブレーキランプが点かない」程度で済んだかもしれません。

しかし最近の車は、このスイッチ異常が電子制御全体へ波及する場合があります。

なぜシリコンが悪いのか

スプレー類に含まれる揮発性シリコンは非常に細かい粒子です。

車内へ噴射すると、

  • エアコンの風
  • 空気循環
  • 温度変化

などで拡散し、最終的にスイッチ内部へ侵入することがあります。

接点部分へシリコン被膜が形成されると、正常な通電を妨げる場合があります。

結果として、

「ブレーキを踏んでいるのに信号が出ない」

という接触不良が発生します。

実際に起こる症状

代表的なのは以下の症状です。

ブレーキランプ不点灯

もっとも危険な症状です。

後続車へ減速が伝わらず、追突事故リスクがあります。

シフトがPから動かない

ブレーキ信号を認識できず、シフトロック解除ができなくなるケースがあります。

警告灯点灯

ABSや横滑り防止など、関連制御へ影響する場合があります。

塗装工場でも嫌われる「シリコン」

実は塗装業界では、シリコンはかなり嫌われています。

微量でも塗装ハジキを起こすため、工場によっては持ち込み禁止レベルです。

それだけ空気中へ広がりやすく、付着しやすい性質があります。

対策方法

  • 車内で大量噴射しない
  • 使用後は換気する
  • 運転席周辺へ直接噴射しない
  • 異常があれば早めに点検

これだけでもリスクはかなり減らせます。

便利なカー用品も、使い方次第では思わぬトラブル原因になります。

「ただの芳香剤」と軽く見ず、適切に使うことが大切です。

サンバーTT2、ドアロック生産終了・・・

サンバー(TT型)で「ドアが閉まらない」という症状の車両が入庫しました。



 

症状としては、ドアを閉めても跳ね返ってしまい、完全にロックされない状態です。

まず考えられるのは、ボディ側とのチリ不良やヒンジの歪みですが、今回の車両ではそのような異常は確認できませんでした。

 

そこで、ドアラッチ(ドアロック機構)に着目して点検を行いました。

実際にドライバーでラッチを作動させ、開閉の動きを確認したところ、動作自体はしているものの、明らかに違和感がありました。

 

運転席側と比較すると、正常な側はしっかりとしたクリック感(カチカチとした手応え)があるのに対し、助手席側はぐにゃっとした曖昧な動きとなっていました。

このことから、ドアロック内部の摩耗または破損と判断できます。

通常であれば部品交換で対応しますが、TT型サンバーはすでに多くの部品が生産終了となっており、今回のドアロックも新品供給がありませんでした。

そのため中古部品を探すことになりましたが、入手できたのはドアロックアクチュエーターが装着されていないグレードのものでした。

このままではキーレス機能が使用できないため、本来であればアクチュエーターを移植する必要がありますが、ステー形状が異なるため加工が必要になります。

 

今回はオーナーと相談のうえ、「キーレス機能は不要」との判断となり、そのまま取り付けて修理完了となりました。

法定点検を受けないといけない車両とは?

車検と車検の間に法定点検というものがあります。

自家用乗用車なら1年ごと。小型貨物なら6ヶ月ごと。事業用貨物などは3ヶ月ごとに定められています。

 

本来そのタイミングで車って一度分解して点検をしないといけないんです。

 

が、点検をやってなくても特に罰則がないので、車検から車検まで何もされていない車が多い。

 

そして、この車もそうです。

 

ブレーキが間に合わなくなりました。法定点検を受けていれば、そのタイミングでブレーキパッドを交換できた。

 

それが間に合わずにこの状態。ブレーキパッド・ローター・ピストンとダメになってる。

 

ブレーキシューはギリギリ間に合いましたけど。

 

車検から車検まで何もしないでいい車って、ほとんど乗らない車くらいですね。

 

本来ならオイルだって一度熱を入れたら劣化が始まるので交換しないといけないですから。

 

法定点検は必ず受けてください。